突然届いた弟のメールに不吉な予感を覚え、郷里を訪れた臨床検査技師の亜希子。突然連絡を絶った姉を探しに来た警察官の触沢。

豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。

“この学級に正義はあるか!”文部科学省発行の「心のノート」にこう書いてあるのを読んだ中学生の辰夫は、クラスメイトのカンニングを告発した。

頭部を撃ち抜かれて息絶えた、妻ステファニーの姿。

愛など捨てたはずだった。恋人を事故で失った若き日に。

男性中心社会の象徴である弁護士の世界でのし上がってきた苦学生レスリーは、自分が出世するきっかけを作ってくれた夫のポール・ウィリアムを、いままさに射殺しようとしていた。

あまりにあくどいフェンストンのやり方に反発するアンナは、アラベラと協力して、ウェントワース家救助作戦を果敢に推し進める。

9・11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。

「剣鞘摩り替え」犯人の疑惑に甘んじる冬木を励まし、併せて自らをも鼓舞しながら、東堂太郎は、軍規に定められた兵の正当な権利である「不条理上申」「意見具申」を実行する。

五山の送り火の二日後、姉小路大宮の四辻で菊太郎は力のない足取りで歩く四十男を見かける。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。

「ふね屋」には五人の亡者が迷っていた。

秋月伊織は笛の音で女を誘い出そうとする男とそれを阻む老夫の修羅場を目撃した。

名立たる画人の贋絵を描いた廉で公事宿「鯉屋」へお預けの身となった扇絵師の定助。

それは一見単純な怨恨殺人事件と思われた。少年院出の青年・刈谷努の犯行と誰も疑わなかった。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

「あの二人は、本当の夫婦ではありませんね…」ベテラン警部・藤之木秀夫の言葉に新米刑事の三尋由香里は驚いた。

急行列車の多重密室、衆人環視の雪密室など、本格黄金期を代表する不可能犯罪の巨匠、ジョン・ディクスン・カーが遺した「最終定理」とは…? 俊傑8人の才が冴え渡るアンソロジー、全編書き下ろし。

動物園の飼育係が奇妙な暗号を残し、猿山で殺されていた。

トリュフが日本に自生しているかをめぐって口論になる設定からはじまる、奇抜で奇妙な表題作「トリュフとトナカイ」や、一流のコレクターを目ざす、鼻もちならぬ友人への嫌悪感から、殺人にはしる「金津の切符」、氷上の殺人事件に出くわした若き女性による犯人探し「蚊取湖殺

「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。

短編の名手が綴る 哀しく愛しい男と女 貧しくも、明日への夢を持って健気に生きる女。

ノンキャリ公務員の真央子、買い物依存症の祝子、不倫の恋に悩むOLありさの三人組は、バカンス先のバヤン・リゾートで、テオマバル国の内乱に巻き込まれる。

バカンス先で内乱が発生し、虐殺を逃れた真央子、祝子、ありさがたどりついたのは、山間の小さな村、テンバヤン。

お家騒動に遭遇したのを幸いに、知恵を絞り尽くして食と職にありつこうとする主人公の悲哀を軽妙に描き、映画「椿三十郎」の原作にもなった「日日平安」をはじめ、男勝りの江戸のキャリアウーマンが登場する「しゅるしゅる」、若いふたりの不器用な恋が美しい「鶴は帰りぬ」な

バーフォード伯爵邸のオールダリー荘へ、映画関係者たちが新作の下調べにやって来ることに。

脊椎手術のためにノースカロライナ州を訪れていたライムとサックスは、地元の警察から捜査協力を要請される。

町の問題児だった“昆虫少年”を無事逮捕したが、尋問するうちに少年の無罪を信じたサックスは、少年とともに逃走する。

四万五千年前、地球が現代よりもずっと寒く、氷河で覆われていた時代、イヴの第一の娘、アースラが誕生した。

「個人個人が、共通のDNAでつながった近い関係であることを理解すれば、民族差別や偏見、争いや攻撃をなくすことができるだろう」著者ブライアン・サイクス遺伝学の泰斗である著者は、五千年前のヒトの化石からDNAを採取することに成功。

惚れた娘お春と一緒に歩き、笑顔までかわす小間物売りが気になってしょうがない文之介。

桜の季節、愛知・岐阜県境の奥矢作湖に他殺体が浮かんだ。被害者は業界大手、白陽インテリア会長の瀬戸一弘と判明。

不穏な事件が相次ぎ、未會有の災害にも見舞われて、神町の夏は悪夢のうちに過ぎようとしていた。

大型で強い台風8号が神町を直撃した。大雨、土砂崩れ、道路冠水、さらに床上浸水へと進み、町の商店街は水没する。

ハリウッドの大女優が殺され、夫である有名映画監督、ロスが逮捕される。

反政府的な作品のために迫害されて、日本から姿を消した人気作家・三宅。

十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。

邪馬台国はどこにあったか?君臨した女王・卑弥呼とは何者か?この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。

人攫いと噂される謎の男が世上を騒がせていた折も折、居酒屋「尾張屋」は、篠山藩士とおぼしき侍たちが毎夜詰めかけ、不穏な空気に包まれていた。

祝儀の席の席順をめぐる百姓同士の諍いは、決闘にまで発展して大騒動に!関八州の犯罪や揉め事が次々と持ち込まれるなか、家では訳ありの娘八重のまわりに男の影がちらついて…。

堀田家の煙硝蔵が爆発した。

20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか?『ニッポニアニッポン』や『グランド・フィナーレ』につらなる“神町クロニクル”の壮大な幕が開く。

神の町に“神”は存在しないのか。自殺、事故死、行方不明と事件が相次ぎ、放火や地震が住民たちに追い打ちをかける。

家電量販店に勤める土田は通っているチャットルームのオフ会に参加した。

名門自動車メーカー五稜自動車工業の看板車イーグルで、不可解なトラブルが発生、メーカーと損保会社・中央火災の幹部同士がリコール隠しのため結託するが、その動きを暴力団が嗅ぎつけ割り込んでくる。

平安京に異変が起きた。ものみな凍りつき、春が来ない。

夢水清志郎のもとに舞いこんだ、新たな依頼は、なんとハワイから!ハワイの大富豪、アロハ山田家を、幽霊の呪いから守ってほしいというのだ。

「見張られています。命の不安さえ感じております。

トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。

住職が逃げだした寺をしばらく任せられることになり、宗徳は岐阜へと旅立った。

“竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。

1930年代の英国。バーフォード伯爵家の荘園屋敷に、テキサスの大富豪、大公国の特使、英海軍少佐など豪華な顔ぶれが集まる。

眠った魚のように山あいに沈む町花園。

江戸・両国広小路―。年頃を迎えた水茶屋「明石屋」の娘・お初の前に、なんの前触れもなく現れた若い男。

生命46億年の歴史を辿る、壮大な巡礼の旅 「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスによる、30数億年の生命史。

生命46億年の歴史を辿る、壮大な巡礼の旅 「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスによる、30数億年の生命史。

日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。

次期藩主の座をめぐる政争が幕府に露見し、安芸津藩はお取り潰しとなった。

六代将軍・家宣が世を去った。新井白石は、次期将軍の傅育係間部越前守と手を組むと見せかけつつ、失脚を策する。

水戸・徳川家と会津・松平家の間になにやら秘密があるらしい。桑山十兵衛にその秘密を探れとの密命が下った。

日系人部隊で欧州戦線に参加し、負傷して米本国に帰還したミノル・タガワは、ペンシルベニア大学に復学し、世界初のコンピューター開発計画に加わる。

昭和二十年四月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸したとき、安次嶺弥一は十一歳だった。

長女の結婚式の日、柳原教授の携帯が受信した1通のメール。それはかつて大学の教え子で愛人だった、晶子からのものだった。

さえない男がいざとなったら大活躍! 一読、心が晴れ渡る。痛快連作全八編。

これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。

妻志野の行方を追って、陸奥国平山藩から江戸へ出てきた青柳新八郎は、口入れ屋大黒屋の紹介で大御番衆（おおごばんしゅう）の「娘探し」を請け負うことになった。

かけがえのない友よ。そして、いとおしい時間たちよ。

昔、昔…。春のある午後、少年は森の中で、日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。

同居人のミステリー作家・桜川ひとみの転居にともない、東京で暮らし始めた正太郎。

鎌倉の森に佇む洋館「時計館」。十年前、館主の十四歳の娘が死んでから、死の影が館を覆う。

緋之介の邪魔がため、家康が吉原に隠した秀吉の秘宝を失ってからというもの、恨み骨髄の信綱。

いま府内を騒がしているのは“人を殺さず、蔵に傷付けず”という盗賊。

自衛官の楢本は、8年間行方不明の元同僚・越路を捜しにカンボジアに来た。

映画『嫌われ松子の一生』原作者が贈る、ランチでのひとときに浮び上がる女たちの人生模様を描いた表題作ほか、笑い・涙・恐怖・切なさ満載のオムニバス短編集。

「わが日本の戦争は『殺して分捕る』が目的ではない。

私立探偵・畝原は、足許に突然縋りついてきた少女に驚きを隠せなかった。彼女は血塗れで、体中が傷ついていたのだ―。

レイテで戦友から聞かされた言葉によって岩石に魅せられた男に訪れる苦難。

ルームメイトから頼みを受けた丹崎惠が自殺した女子生徒の足跡を調べるうち、学内にカルトめいた集団があり、自殺した女性がそれに関わっていたらしいことを知る。

<ユーレイが恋!? 任務は大病院での犯罪捜査と死者のキューピッド!> 探偵・新堂武彦が心疾患で急死した。

奉公先で盗っ人の濡れ衣を着せられ、自殺した長兄。

「あなたは核心に迫っていた」それが犯人の最期の言葉だった。だがそれでも、彼を捕まえることは出来なかった。

日本文学の金字塔である大西巨人の小説「神聖喜劇」の完全漫画化。

日本文学の金字塔である大西巨人の小説「神聖喜劇」の完全漫画化。確実にその本性を現わす兵を兵たらしむるための「教育」。

政敵荻原近江守を追放した新井白石は、その勢いをかって幕政を革新しようと水城聡四郎に新たな命令を下した。

暗い宿命に背中を押されて生き、あるいは死んでいく主人公たちを抑えた筆致で哀感を込めて描き、鮮烈な感動を呼んだ初期名品集

一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。

呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。

「この世の中の、すべての人があの人をどう言おうと、私だけは信じてあげたいのです」組紐屋のお幸は盗賊の疑いをかけられた与七をそう言ってかばった。

京都綾小路に名ばかりのお堂と小さな庫裏をかまえる地蔵寺。この寺にはもう一つの顔があった。

病身の父に代わり、仇を討とうとする健気な少年を助太刀する植松頼助。しかし敵には六十人もの加勢があった。

江戸城内の見廻りを終えた勘兵衛のもとへ、急報が飛び込んできた。番町で使番が斬り殺されたとのことだった。

刑部小十郎の仕える仙石藩と、隣接する島北藩は、かねてより不仲であった。

本当になんにもしない女だった。炊事、洗濯、掃除はおろか、こちらが注意しないと、三日も風呂に入らないほどだった―。

御奉行が買った衝立障子の真贋、生きた男の金玉の売買、水夫の若者と火消し組の喧嘩話…のっぴきならない事件ばかりで今日も半次は東奔西走。

母を惨殺されて天涯孤独になった乞食のシヲは、村一番の分限者の養女となった。

殺人事件の時効成立目前。

市井の噂話から千代田のお城の秘密まで。

婿入りの祝言の席上、妻に思い人のあることを知った大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。