解読! アルキメデス写本
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点9.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ノンフィクションなので、ミステリーに推薦するのは筋違いかもしれませんが。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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科学史が大好きでしたが、学生時代に古典をじっくり読んでいては確実に落ちこぼれてしまいます。退職して、やっと時間ができたときに、この解読!写本に出会えて感激です。すぐに本の参考図書に紹介されている最良のアルキメデスの全古典解説本(英訳)を購入しました。オークションで落札したのはスティーブ・ジョブスさんなのかな?とかってに想像していますが、誰であれ、すばらしい人物です。 | ||||
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ある人物がアルキメデスの写本をオークションで高額で落札し、解読を学芸員に託すとこから始まります。 ミステリー、推理小説のような話です。 古代文字解読のドキュメント、チャドウィックの「線文字Bの解読」に似た興奮があります。 古代であるが故にミステリアスです。 ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」のようでもあり、ポランスキーの映画「ナインス・ゲート」のようでもあります。 マルクスの新しい全集(新MEGA:Marx-Engels Gesamtausgabe)の編纂を思い出させます。 新たな発見はあるのでしょうか? | ||||
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紀元前200年頃の数学者アルキメデスの写本を解読する物語です。 イギリスの哲学者ホワイトヘッドが、 「西洋の哲学の歴史は全てプラトンに対する脚注である。」と言ったように、 「西洋の科学の歴史は全てアルキメデスの脚注である。」と言える 人類史上最も偉大な科学者であると語られています。 2200年の時を越えてかすかに浮かび上がる言葉から、 アルキメデスの思考そのものを取り出す作業は、 まさにサスペンス小説を読むような気分です。 人間の「思考」そのものに触れる感覚が これほどドキドキするものとは思いませんでした。 理科の時間で習う「アルキメデスの原理」を発見した人だとは知っていましたが、 2000年以上前に、すでに私の不得手な微積分学や順列・組み合わせにも 到達していたと知りさらに驚愕です。 | ||||
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アルキメデスの著作の伝本は、古代ローマ帝国の滅亡後、教会に羊皮紙の写本として残された物が3冊しかなく、そのうちの2冊は途中で失われ、最後の1冊が数奇な運命で、アメリカの博物館の学芸員をしている今回のプロジェクト・チームの発起人に渡り、上書きされて読み取れない内容をいかに復元するかという苦闘が始まった、それが本書のストーリーです。推理小説のような数奇なめぐり会いと、アルキメデスと写本に関わったさまざまな人々が織りなす歴史、そして、上書きされて読めなくなったアルキメデスの本文を最新の科学技術を駆使して読み解く謎觧き、地味で目立たない古典文献学が現代科学と結合して、こんなに豊かな世界を見せてくれるのかという楽しさと驚きを味わわせてくれる一冊です。 日本にもこうした失われた写本や古文書がたくさんありますが、こんな形にして読者に提供すれば、現代的な意味が十分に見直されるという学術行為のマーケティングの成功例でもあります。日本の古典や近代の文学や語学の研究者、歴史研究者にお勧めしたい1冊です。 | ||||
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原著の表題は、“The Archimedes Codex: Revealing the Secrets of the World’s Greatest Palimpsest”。 本書は、アルキメデスの「『浮体について』のギリシャ語原語版や、革新的な『方法』と 遊び心のある『ストマキオン』という驚くべきふたつの論考の唯一の版を収め」た唯一の マニュスクリプトである「C写本とそこに記されていた内容をめぐる驚くべき真実の物語で ある。この写本がいかにして何世紀もの歳月を生き延び、発見され、再び姿を消し、そして ようやく擁護者たる人物にめぐり合ったのかを明らかにする。また、根気のいる保存修復 作業や最先端の技術、ひたむきな研究によって、消されていた文書をよみがえらせるまでの 顛末も追う」。 「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」(『コヘレトの言葉』 第3章第1節)。 このテキストが辿った数奇な「時」、風化させた「時」に抗い、その「時」を巻き戻すように、 閉ざされたことばを掘り起こす技術の成熟に要した「時」、稀代の頭脳が解き明かす 2300年の「時」を隔てたアルキメデスの魔術的なまでの知性の数々。 失われた時。見出された時。 複雑怪奇に入り組んだこのテキストをめぐる諸要素が、「定められた時」の巡り合わせに 従って、一筋の糸へと解かれていくがごとく、あでやかに花開き実を結んでいく興奮が 凝縮された驚異のテキスト。 本書の主たるテーマであろうテキスト解釈、すなわち『方法』において「アルキメデスが 何も知らずに近代の微積分学を先取りしていたわけではなく、既に最初の一歩を踏みだして いたこと」や、『ストマキオン』において「アルキメデスははじめて組み合わせ論の研究を おこなった」といった推理の切れ味だけでも既に星5つ級の爽快感。 その議論の下支えとなる技術者たちの研鑽や丁々発止のやり取りだけでも、並大抵の フィクションでは太刀打ちできぬスリルとカタルシスに満ち溢れている。 それら解読のためのスキルのことごとくが元をたどればアルキメデスの知見に負う、と いうのも物語としてもはや出来過ぎなほど。世界へと繋がれてしまうこの感覚表現だけでも 本書の価値は神憑り的。 一冊のテキストの軌跡が明らめる社会史のテキストとしても非凡。 人間の営為としてのscienceを志向する者ならば必ずやときめかずにはいられない、 自然科学史の持つ面白みがこれでもか、と詰め込まれた途轍もない名著。 | ||||
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