ヒルダよ眠れ
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
ヒルダよ眠れの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このレビューのタイトルどおりです。この作者の「ギャラウェイ事件」や「レアンダの英雄」はプロットは優れているのですが、理が勝ち過ぎているためインパクトが弱い。本作は作りが雑ですが(他のレビュアーの方のご指摘のとおり、ヒルダの分析が弱い。)プロットに迫力があります。悪女ものでも後味が良く、小説として優れていると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
妻殺しの疑いで逮捕された夫の無実を晴らすため、夫の親友が奔走するというお話。 妻その人の事を聞きまわるうちに、彼女の性悪さが徐々に明らかになる。若い頃、自身の魅力を持て余した女性が、結婚を境にだらしなくなっていき、今度はまわりが持て余していく。その過程は面白いのだが、肉親から忌み嫌れるほどかというと、そうでもないような。 ミステリの結末は、アレレ、あまりにあっけなく、(翻訳小説ではおなじみの)納得できかねる急展開なラブラブがあるなど、どうにもこうにも。 50年代の有名作品ではあるのだけど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1950年発表のガーヴ名義の第一長編にしてサイコパス的な異常心理を扱ったミステリの先駆的傑作。 犯人当てミステリとしての興味もさることながら、いわば必然的被害者であるヒルダの奇怪で邪悪なパーソナリティが暴かれて行く過程が強烈なサスペンスをもって描かれる。『メグストン計画』(1956年)や『ギャラウェイ事件』(1958年)といった後年の傑作群に比べれば完成度は劣るが、その現代的なテーマの衝撃は全く薄れていない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アンドリュウ・ガーヴの処女作。 妻殺しの容疑がかかった友人を救うべく、捜査を始めた主人公。 しかし、殺された友人の妻には恐るべき真実があった・・・。 本書が、当時の他のサスペンス作より異色な出来に仕上がっているのは人格障害者をリアルに描いている点である。 それまでのサスペンス作がプロットやトリックを重視していたのに対し、人格障害者の言動を周囲の人間の証言で読み進めるごとに実体化させる手法は、当時としては画期的である。そのうえ、犯人ではなく被害者を人格障害者として描くことは既存のサスペンス作に対する一種の挑戦とも受け止めることができる。 難を挙げるとしたら、なぜヒルダが人格障害者になってしまったのか、もっと掘り下げてほしかった。 それでも、本作はサスペンス作における革命的な地位を崩すことはないだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作品は、1950年に発表されたものですが、 本書は1979年刊行のハヤカワ・ミステリ文庫を新訳化し、 2008年に発行されたものです。 物語は、ロンドンに住むジョージ・ランバートが 仕事を終え帰宅後、 居間で警察の到着を待つところから始まります。 妻のヒルダがガスの充満した台所で ガスオーヴンに頭を突っ込んで死亡していたからです。 検死の結果、暴力の跡があること等により 殺人と断定した警察は、 アリバイの不明確な夫のジョージを逮捕します。 ドイツ帰りの友人、マックス・イースターブルックは、 彼の窮状を知り、犯人捜しを始めることとなりますが…。 この作品を有名にしたのは、ここからの展開で、 調べを進めていくと、ヒルダは、 ジョージの語る、静かで、のんびりして、身持ちの堅い妻、 という姿とは全然違う、 異常とも言える別の顔が見えてくるところ。 NO TEARS FOR HILDA(原題) −−ヒルダに涙はいらない、涙に値しない女性だったのです。 こうしたヒルダの人物造型が当時は衝撃的だったようで、 本書解説にもあるとおり、 本作品以後、異常とも言える性格を持った人物を 主題にした作品が多く書かれていることからも、 本作品の影響の程が知れます。 現代のサイコ・ホラー系作品の原点として 読む価値は高いと言えましょう。 ただ、精神障害についての知見が広まった現代では、 本作品には別の見方ができるかもしれません。 (著者の意図とはもちろん違いますが) ヒルダは、ある種の精神疾患にかかっていたようにも思えます。 だとすると、彼女は病から来る、 自分ではどうしようもない衝動に突き動かされて 行動していたわけで、 涙に値しないではなく、 大変に気の毒な女性にも思えてくるのです。 これから本書を読まれる方が どんな印象を持たれるのか、興味深いところです。 本作品は、「悪女もの」というのを どこかで耳にしたことがありますが、 それとは異なる印象を持った作品でした。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 10件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|