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ヒルダよ眠れ
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ヒルダよ眠れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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このレビューのタイトルどおりです。この作者の「ギャラウェイ事件」や「レアンダの英雄」はプロットは優れているのですが、理が勝ち過ぎているためインパクトが弱い。本作は作りが雑ですが(他のレビュアーの方のご指摘のとおり、ヒルダの分析が弱い。)プロットに迫力があります。悪女ものでも後味が良く、小説として優れていると思います。 | ||||
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妻殺しの疑いで逮捕された夫の無実を晴らすため、夫の親友が奔走するというお話。 妻その人の事を聞きまわるうちに、彼女の性悪さが徐々に明らかになる。若い頃、自身の魅力を持て余した女性が、結婚を境にだらしなくなっていき、今度はまわりが持て余していく。その過程は面白いのだが、肉親から忌み嫌れるほどかというと、そうでもないような。 ミステリの結末は、アレレ、あまりにあっけなく、(翻訳小説ではおなじみの)納得できかねる急展開なラブラブがあるなど、どうにもこうにも。 50年代の有名作品ではあるのだけど。 | ||||
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1950年発表のガーヴ名義の第一長編にしてサイコパス的な異常心理を扱ったミステリの先駆的傑作。 犯人当てミステリとしての興味もさることながら、いわば必然的被害者であるヒルダの奇怪で邪悪なパーソナリティが暴かれて行く過程が強烈なサスペンスをもって描かれる。『メグストン計画』(1956年)や『ギャラウェイ事件』(1958年)といった後年の傑作群に比べれば完成度は劣るが、その現代的なテーマの衝撃は全く薄れていない。 | ||||
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アンドリュウ・ガーヴの処女作。 妻殺しの容疑がかかった友人を救うべく、捜査を始めた主人公。 しかし、殺された友人の妻には恐るべき真実があった・・・。 本書が、当時の他のサスペンス作より異色な出来に仕上がっているのは人格障害者をリアルに描いている点である。 それまでのサスペンス作がプロットやトリックを重視していたのに対し、人格障害者の言動を周囲の人間の証言で読み進めるごとに実体化させる手法は、当時としては画期的である。そのうえ、犯人ではなく被害者を人格障害者として描くことは既存のサスペンス作に対する一種の挑戦とも受け止めることができる。 難を挙げるとしたら、なぜヒルダが人格障害者になってしまったのか、もっと掘り下げてほしかった。 それでも、本作はサスペンス作における革命的な地位を崩すことはないだろう。 | ||||
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本作品は、1950年に発表されたものですが、 本書は1979年刊行のハヤカワ・ミステリ文庫を新訳化し、 2008年に発行されたものです。 物語は、ロンドンに住むジョージ・ランバートが 仕事を終え帰宅後、 居間で警察の到着を待つところから始まります。 妻のヒルダがガスの充満した台所で ガスオーヴンに頭を突っ込んで死亡していたからです。 検死の結果、暴力の跡があること等により 殺人と断定した警察は、 アリバイの不明確な夫のジョージを逮捕します。 ドイツ帰りの友人、マックス・イースターブルックは、 彼の窮状を知り、犯人捜しを始めることとなりますが…。 この作品を有名にしたのは、ここからの展開で、 調べを進めていくと、ヒルダは、 ジョージの語る、静かで、のんびりして、身持ちの堅い妻、 という姿とは全然違う、 異常とも言える別の顔が見えてくるところ。 NO TEARS FOR HILDA(原題) −−ヒルダに涙はいらない、涙に値しない女性だったのです。 こうしたヒルダの人物造型が当時は衝撃的だったようで、 本書解説にもあるとおり、 本作品以後、異常とも言える性格を持った人物を 主題にした作品が多く書かれていることからも、 本作品の影響の程が知れます。 現代のサイコ・ホラー系作品の原点として 読む価値は高いと言えましょう。 ただ、精神障害についての知見が広まった現代では、 本作品には別の見方ができるかもしれません。 (著者の意図とはもちろん違いますが) ヒルダは、ある種の精神疾患にかかっていたようにも思えます。 だとすると、彼女は病から来る、 自分ではどうしようもない衝動に突き動かされて 行動していたわけで、 涙に値しないではなく、 大変に気の毒な女性にも思えてくるのです。 これから本書を読まれる方が どんな印象を持たれるのか、興味深いところです。 本作品は、「悪女もの」というのを どこかで耳にしたことがありますが、 それとは異なる印象を持った作品でした。 | ||||
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本作品は、1950年に発表されたものですが、 本書は1979年刊行のハヤカワ・ミステリ文庫を新訳化し、 2008年に発行されたものです。 物語は、ロンドンに住むジョージ・ランバートが 仕事を終え帰宅後、 居間で警察の到着を待つところから始まります。 妻のヒルダがガスの充満した台所で ガスオーヴンに頭を突っ込んで死亡していたからです。 検死の結果、暴力の跡があること等により 殺人と断定した警察は、 アリバイの不明確な夫のジョージを逮捕します。 ドイツ帰りの友人、マックス・イースターブルックは、 彼の窮状を知り、犯人捜しを始めることとなりますが…。 この作品を有名にしたのは、ここからの展開で、 調べを進めていくと、ヒルダは、 ジョージの語る、静かで、のんびりして、身持ちの堅い妻、 という姿とは全然違う、 異常とも言える別の顔が見えてくるところ。 NO TEARS FOR HILDA(原題) −−ヒルダに涙はいらない、涙に値しない女性だったのです。 こうしたヒルダの人物造型が当時は衝撃的だったようで、 本書解説にもあるとおり、 本作品以後、異常とも言える性格を持った人物を 主題にした作品が多く書かれていることからも、 本作品の影響の程が知れます。 現代のサイコ・ホラー系作品の原点として 読む価値は高いと言えましょう。 ただ、精神障害についての知見が広まった現代では、 本作品には別の見方ができるかもしれません。 (著者の意図とはもちろん違いますが) ヒルダは、ある種の精神疾患にかかっていたようにも思えます。 だとすると、彼女は病から来る、 自分ではどうしようもない衝動に突き動かされて 行動していたわけで、 涙に値しないではなく、 大変に気の毒な女性にも思えてくるのです。 これから本書を読まれる方が どんな印象を持たれるのか、興味深いところです。 本作品は、「悪女もの」というのを どこかで耳にしたことがありますが、 それとは異なる印象を持った作品でした。 | ||||
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1950年に発表された、アンドリュウ・ガーヴの、今や古典的名作といってもいい作品。 舞台は11月のロンドン。ヒルダがガスオーヴンの中に頭を突っ込んで中毒死しているのが発見され、警察がやってくるところから物語は始まる。最初は自殺と思われたが、遺体の状況から殺人であると断定される。そして、発見者である夫のジョージが、遺留指紋、若い女との浮気、あいまいなアリバイから容疑者として逮捕される。 彼の無実を信じる親友マックスは、冤罪を晴らそうと真相究明に乗り出す。ストーリーは夫妻、とりわけ妻のヒルダの、現在・過去の関係者に聞き込みに回るマックスの素人探偵調査が主軸となり進行していく。 関係者の話から浮かび上がってくるのは、ジョージのいう明るくて身持ちの堅い賢夫人イメージとは異なるヒルダの実像だった。曰く「煮ても焼いても食えない女」、「鼻持ちならない人」、「殺されても仕方がない」と、怪物的・ホラー的とさえ言えるほどのヒルダ像がこれでもかとばかり明らかになってくるのだ。 なぜヒルダは殺されたのか・・。果たして真犯人は・・。謎は深まるばかりである。 本書は、最後の最後まで息を抜けないタイムリミットのある心理サスペンスであり、かつ悪女ミステリーの妙が堪能できる快作である。 | ||||
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1950年に発表された、アンドリュウ・ガーヴの、今や古典的名作といってもいい作品。 舞台は11月のロンドン。ヒルダがガスオーヴンの中に頭を突っ込んで中毒死しているのが発見され、警察がやってくるところから物語は始まる。最初は自殺と思われたが、遺体の状況から殺人であると断定される。そして、発見者である夫のジョージが、遺留指紋、若い女との浮気、あいまいなアリバイから容疑者として逮捕される。 彼の無実を信じる親友マックスは、冤罪を晴らそうと真相究明に乗り出す。ストーリーは夫妻、とりわけ妻のヒルダの、現在・過去の関係者に聞き込みに回るマックスの素人探偵調査が主軸となり進行していく。 関係者の話から浮かび上がってくるのは、ジョージのいう明るくて身持ちの堅い賢夫人イメージとは異なるヒルダの実像だった。曰く「煮ても焼いても食えない女」、「鼻持ちならない人」、「殺されても仕方がない」と、怪物的・ホラー的とさえ言えるほどのヒルダ像がこれでもかとばかり明らかになってくるのだ。 なぜヒルダは殺されたのか・・。果たして真犯人は・・。謎は深まるばかりである。 本書は、最後の最後まで息を抜けないタイムリミットのある心理サスペンスであり、かつ悪女ミステリーの妙が堪能できる快作である。 | ||||
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私が本書を読んだ際(30年以上前)は、ガーヴの作品はこれしか邦訳されていなかった(と思う)。後から考えると本作はガーヴにしては異色作である。絶版になったが「メグストン計画」(個人的にガーヴの最高作)のような、雄大な自然を背景に精緻な構想を織り込む作風が本領だったのだ。 本作は妻殺しの容疑を掛けられた夫が、妻ヒルダの周辺を探るうちに、ヒルダが思いがけず稀代の悪女だったという事を知るという話。一般に悪女ものと呼ばれているが、それとはチョット違う気がする。人間を見つめる際、視点によって様々に写るという点を強調したかったのであろう。サスペンスなので、夫には普通の女性に見えたヒルダが、他の人から見ると悪女に見えたという展開にせざるを得なかったと思う。 最初にガーヴに接した作品であり、ガーヴにとって異色作である事から印象深い作品。 | ||||
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アンドリュウ・ガーヴの1950年の処女作。厳密に言えば、複数のペンネームを持つこの作者が、アンドリュウ・ガーヴ名義で書いた最初の作品。 ジョージは妻ヒルダを殺害した容疑で逮捕・起訴される。無実を訴える彼だが、状況証拠は圧倒的に不利。ジョージを信じる友人のマックスは、独自の視点から調査を始めるが、おとなしく平凡な主婦だと思われていたヒルダの、意外な素顔が浮かび上がって来る。 本書の目玉は、”殺されても泣くに値しない”とまで言われる、ヒルダの特異な人物像。裏表紙の解説や本文には”悪女”と評されているが、むしろ性格異常者だと思う。発表された当時はかなり衝撃的だったらしいが、今流行のサイコ・サスペンスの異常者に比べたら、毛ほどのインパクトもない。お近づきになり!たくない人物なのは確かだが、どこにでもいる”イヤな奴”の域を超えていないように感じられる。 ただのイヤな奴でも、そのいやらしさが充分描かれているなら悪くはない。だが、ヒルダのいやらしさは、じかに接しないとわからない種類のもので、周囲の人間の話を聞くだけの間接的な描き方では、いまいち実感として伝わって来ない。 さらに悪い事に、真犯人の糸口をつかんだ時はさすがに盛り上がるが、それからの展開がものすごく冗長で、正直ウンザリした。ガーヴは綿密周到な筆致を持ち味とするので、話がくだくだしくなりがちだが、本書ではそれが最も悪い形で出てしまった。この本を最初に読んだなら、これ以上ガーヴを読もうとは決して思わなかったろう。 | ||||
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