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ヒルダよ眠れ
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ヒルダよ眠れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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このレビューのタイトルどおりです。この作者の「ギャラウェイ事件」や「レアンダの英雄」はプロットは優れているのですが、理が勝ち過ぎているためインパクトが弱い。本作は作りが雑ですが(他のレビュアーの方のご指摘のとおり、ヒルダの分析が弱い。)プロットに迫力があります。悪女ものでも後味が良く、小説として優れていると思います。 | ||||
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1950年発表のガーヴ名義の第一長編にしてサイコパス的な異常心理を扱ったミステリの先駆的傑作。 犯人当てミステリとしての興味もさることながら、いわば必然的被害者であるヒルダの奇怪で邪悪なパーソナリティが暴かれて行く過程が強烈なサスペンスをもって描かれる。『メグストン計画』(1956年)や『ギャラウェイ事件』(1958年)といった後年の傑作群に比べれば完成度は劣るが、その現代的なテーマの衝撃は全く薄れていない。 | ||||
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本作品は、1950年に発表されたものですが、 本書は1979年刊行のハヤカワ・ミステリ文庫を新訳化し、 2008年に発行されたものです。 物語は、ロンドンに住むジョージ・ランバートが 仕事を終え帰宅後、 居間で警察の到着を待つところから始まります。 妻のヒルダがガスの充満した台所で ガスオーヴンに頭を突っ込んで死亡していたからです。 検死の結果、暴力の跡があること等により 殺人と断定した警察は、 アリバイの不明確な夫のジョージを逮捕します。 ドイツ帰りの友人、マックス・イースターブルックは、 彼の窮状を知り、犯人捜しを始めることとなりますが…。 この作品を有名にしたのは、ここからの展開で、 調べを進めていくと、ヒルダは、 ジョージの語る、静かで、のんびりして、身持ちの堅い妻、 という姿とは全然違う、 異常とも言える別の顔が見えてくるところ。 NO TEARS FOR HILDA(原題) −−ヒルダに涙はいらない、涙に値しない女性だったのです。 こうしたヒルダの人物造型が当時は衝撃的だったようで、 本書解説にもあるとおり、 本作品以後、異常とも言える性格を持った人物を 主題にした作品が多く書かれていることからも、 本作品の影響の程が知れます。 現代のサイコ・ホラー系作品の原点として 読む価値は高いと言えましょう。 ただ、精神障害についての知見が広まった現代では、 本作品には別の見方ができるかもしれません。 (著者の意図とはもちろん違いますが) ヒルダは、ある種の精神疾患にかかっていたようにも思えます。 だとすると、彼女は病から来る、 自分ではどうしようもない衝動に突き動かされて 行動していたわけで、 涙に値しないではなく、 大変に気の毒な女性にも思えてくるのです。 これから本書を読まれる方が どんな印象を持たれるのか、興味深いところです。 本作品は、「悪女もの」というのを どこかで耳にしたことがありますが、 それとは異なる印象を持った作品でした。 | ||||
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本作品は、1950年に発表されたものですが、 本書は1979年刊行のハヤカワ・ミステリ文庫を新訳化し、 2008年に発行されたものです。 物語は、ロンドンに住むジョージ・ランバートが 仕事を終え帰宅後、 居間で警察の到着を待つところから始まります。 妻のヒルダがガスの充満した台所で ガスオーヴンに頭を突っ込んで死亡していたからです。 検死の結果、暴力の跡があること等により 殺人と断定した警察は、 アリバイの不明確な夫のジョージを逮捕します。 ドイツ帰りの友人、マックス・イースターブルックは、 彼の窮状を知り、犯人捜しを始めることとなりますが…。 この作品を有名にしたのは、ここからの展開で、 調べを進めていくと、ヒルダは、 ジョージの語る、静かで、のんびりして、身持ちの堅い妻、 という姿とは全然違う、 異常とも言える別の顔が見えてくるところ。 NO TEARS FOR HILDA(原題) −−ヒルダに涙はいらない、涙に値しない女性だったのです。 こうしたヒルダの人物造型が当時は衝撃的だったようで、 本書解説にもあるとおり、 本作品以後、異常とも言える性格を持った人物を 主題にした作品が多く書かれていることからも、 本作品の影響の程が知れます。 現代のサイコ・ホラー系作品の原点として 読む価値は高いと言えましょう。 ただ、精神障害についての知見が広まった現代では、 本作品には別の見方ができるかもしれません。 (著者の意図とはもちろん違いますが) ヒルダは、ある種の精神疾患にかかっていたようにも思えます。 だとすると、彼女は病から来る、 自分ではどうしようもない衝動に突き動かされて 行動していたわけで、 涙に値しないではなく、 大変に気の毒な女性にも思えてくるのです。 これから本書を読まれる方が どんな印象を持たれるのか、興味深いところです。 本作品は、「悪女もの」というのを どこかで耳にしたことがありますが、 それとは異なる印象を持った作品でした。 | ||||
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私が本書を読んだ際(30年以上前)は、ガーヴの作品はこれしか邦訳されていなかった(と思う)。後から考えると本作はガーヴにしては異色作である。絶版になったが「メグストン計画」(個人的にガーヴの最高作)のような、雄大な自然を背景に精緻な構想を織り込む作風が本領だったのだ。 本作は妻殺しの容疑を掛けられた夫が、妻ヒルダの周辺を探るうちに、ヒルダが思いがけず稀代の悪女だったという事を知るという話。一般に悪女ものと呼ばれているが、それとはチョット違う気がする。人間を見つめる際、視点によって様々に写るという点を強調したかったのであろう。サスペンスなので、夫には普通の女性に見えたヒルダが、他の人から見ると悪女に見えたという展開にせざるを得なかったと思う。 最初にガーヴに接した作品であり、ガーヴにとって異色作である事から印象深い作品。 | ||||
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