ハンティング
- クライムノベル (72)
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普通なら、8点を付けるところですが | ||||
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英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞作家の女流バウアー女史が持ち味のサスペンスをフルに生かしたストーリーで本領発揮したリベンジの3部作完結編です。サイコ・サスペンスというジャンルにはどうしても暗さがつき物ではありますが、意外にも処女作「ブラックランズ」は結末に善が悪に勝利する救いがあって読後感が心地良い感動作だったのに対して、第2作「ダークサイド」は打って変わってまるで正反対の悪夢その物の様な悲劇が前面に押し出された暗いドラマに多くの方が戸惑いを覚えられた様に思います。そして今回の第3作で著者がどんな風にシリーズに決着をつけるのか不安と期待が半々でしたが、結果は上々で前作の悲劇の暗い影を吹き飛ばして見事に著者が残酷な話を好きなだけの「嫌ミス」作家ではなかったと証明し立派にリベンジを果たしてくれたと思いますね。 六人もの大量殺人事件が一年半を過ぎても未だ解決に至らない英国の小村シップコットで、またもや今度は児童誘拐事件が多発する。親の用事の間車の中に残された子供が狙われ後には「おまえは彼を愛していない」と書かれた紙が置かれるパターンが続き、やがて過去二つの事件の中心で活躍した17歳のスティーヴン少年と妻の死による休職から復帰したジョーナス巡査の二人が犯人に囚われの身となってしまうのだった。 本書を読んで著者の本領が難解なフーダニット・ミステリーではなく息詰まるスリルとサスペンスにあるのだなと改めてわかりましたね。精神が不安定な半ば狂った男に囚われた子供たちとやや年長のスティーヴンと大人のジョーナスが劣悪な環境の中で警察の捜索が実る当てのないまま焦燥をつのらせ更に過酷な運命へと転げ落ちて行く描写には強烈な不安感が込み上げて来て、やがて来るだろう最悪の悲劇の予感に気が気でなく居ても立ってもいられなくなりますね。そして遂に迎えたクライマックス・シーンでは思わず目を背けたくなる様な残酷描写を書いてから意外にも唐突に未遂に終わらせた著者はここからも本当は残酷シーンなんか大嫌いなのだろうなと想像出来ますね。そして過酷な運命に見舞われた物のまだ若いスティーヴン少年はすぐに立ち直る事でしょうし、また初恋の女性にも巡り逢えて希望に満ちた明るい未来が待っているでしょうね。一方で複雑な問題を抱えるジョーナスについては深く考えれば法の裁きを適用するのも難しく、心を病んでいて為した行為がそもそも善なのか悪なのかについても迷いますし、人それぞれに賛否の意見はあるでしょうけれど、結局は著者が用意したラストの解決法が一番ふさわしかったのだろうなと思いますね。 私事ですが本書は昨年には読了していた物のレビューを書くのが大幅に遅れまして、今年既に著者の注目の新シリーズ第一作「ラバーネッカー」が刊行されていますが未だ読んでいませんので早めに取りかかって遅れを取り戻し何とか追いつきたいなと思っています。 | ||||
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『ブラックランズ』『ダークサイド』に続く三部作の完結編。イギリスの寒村で発生した子供の連続誘拐事件。『ブラックランズ』で殺されかけたスティーヴン、『ダークサイド』で妻を亡くし、自らも傷付いたジョーナスまでもが、連れ去られる…そして、待ち受けていたのは… 警察小説というよりも寒村を舞台にした事件小説という色合いが濃く、警察小説を期待する読者には物足りなさを感じる。しかし、横溝正史の作品が好きな読者には受け入れられる作品ではないだろうか。 最初の『ブラックランズ』も、なかなかの作品だったが、まさか三部作であるとは思わなかった。続く『ダークサイド』も面白く、結末には本当に驚愕させられた。本作は『ダークサイド』の完結編とも言うべき作品であり、『ダークサイド』で明かされなかった事件の謎も明らかになる。 | ||||
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