生と死にまつわるいくつかの現実
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
生と死にまつわるいくつかの現実の総合評価:
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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全1件 1~1 1/1ページ
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「ブラックランズ」ほどの衝撃はありませんでしたが、ベリンダ氏の描く少年少女は(この本では少女ですが)ずば抜けて現実味があります。 | ||||
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イギリスの辺鄙な片田舎に今頃ガンスリンガークラブなる西部劇愛好会があるのというのが、最初の興ざめ、(面白くなさそう)殺人事件が起きて男たちが捜索隊を組むといのもムリ、一家の主が働かないのを気にしてないのもストレス。レビューを読むと後半怒涛の展開になるようだが持ちそうもないのでギブアップです。それにしてもこの長ったらしい邦題もっとシンプルでもいいのでは。ラバーネッカーがとても面白かったので期待してました。 | ||||
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10歳という年齢の割にはちょっと子供っぽい印象のルビーがとにかく可愛い。そんな可愛い田舎の女の子がちょっと危険な目に合うかもしれない冒険ストーリーぐらいかと思っていたら、予想に反してかなりダークでした。あちこちにイギリス人らしい皮肉なユーモアが散りばめられていて思わず笑ってしまうのに、それでいて普通の人の闇が描かれていて若干悪趣味とさえ思える部分もあるんですが、家族愛といった人間の美しい部分もきっちり美しく(そして切なく)描かれていて、とにかく上手いなあと思いました。「ラバーネッカー」もそういう面がありましたが、もはや中毒性すら感じられます。 犯人は多分すぐにわかってしまいます。これはこの人が犯人と思わせといて違うパターンか、と思ったら意外にも直球でした。動機は甚だ馬鹿馬鹿しいし、派手などんでん返しがあるわけでもないですが、私は元々設定が派手なだけや散々引っ張る系のミステリーはあまり好きでないので、全く物足りなさはありませんでした。むしろ妙にリアルティがあって、このぐらいの精神状態でギリギリ犯罪者にはならずに「普通の人」として暮らしてる人はいくらでもいそうだな思います。ルビーのパパの「大人にならなくてもいいんだよ」というセリフが読み終えた後では全く印象の違うものになりました。 | ||||
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先頃惜しくも亡くなられたルース・レンデルの系譜を継ぐイヤミス系サイコ・サスペンスの女王と呼ぶにふさわしい英国女流ミステリー作家バウアー女史待望の第5作です。著者は最初の3冊がシリーズ3部作でしたが、その後は当分単発作品を執筆される方針だと思われますね。第2作「ダークサイド」では悪人が最後まで罰せられない異色の展開に驚かされましたが、それはどうやら著者の本意ではなかった様で直後の第3作ではそのモヤモヤ感にもきちんとケリをつけられていますし、イヤミスとは言っても著者が勧善懲悪の健全な良識を持ち合わせた方だという事を本書でも実感できて嬉しかったですね。カタカナ一辺倒だったこれまでと比べて今回の訳題は平仮名と漢字だけで少し堅苦しく哲学的な印象になりましたが、でも内容的には大丈夫で全く難解ではなくストレートにスリルとサスペンスが味わえる決して期待を裏切らない極上の傑作スリラーになっていますのでご安心してお読み下さいね。 英国ノース・デヴォンで起きた夜道の一人歩きの女性を狙った暴行事件は遂にエスカレートして連続殺人事件へと発展する。殺す前に被害者に母親への電話を強要する犯人の意図は一体何なのか?一方、近くの小さな村ライムバーンの壊れかけの〈癒しの家〉に住む10歳の少女ルビーは学校での虐めに耐え不仲な両親の間で止むを得ず失業中の父親に肩入れしながら逞しく生きていた。 本書は著者のほとんどの作品がそうである様に謎解きミステリーではなく真相は中盤で呆気なく明かされますが、それでも犯人(その時点では不明)の独白による心理描写の中にヒントが隠されていますので貴方も早い段階で謎解きに挑戦されてみると良いでしょう。序盤は10歳の少女ルビーが始終口論する両親の間で美人だが厳しく冷たい母アリスンよりも釣り三昧でカウボーイに憧れる気の良い父ジョンを慕って仲良く過ごす無邪気な日々が描かれますが、中盤に殺人事件が起きて警察の捜査が開始される頃から段々と雲行きが怪しくなって来ます。そして終盤になるといよいよ殺人犯がねじくれた狂気の度合いを深め全く歯止めが効かなくなって少女ルビーがまさに生と死を賭けたぎりぎりの逃走劇へと追い詰められる怒涛のクライマックスへと雪崩れ込んで行きます。また脇役の有能なのかどうか微妙な女性警部キングと注意力散漫な若い新米刑事カルヴィンのコンビは名推理を発揮とはさっぱり行きませんが偶然に助けられて漸く真相に迫るのですね。今時の若者カルヴィンのプライベートでの恋人との破局の物語は悲劇的ではなく寧ろ爽やかな読後感でしたね。それから著者の技巧の冴えを感じたのは、女教師宅でルビーがウサギを持ち帰る時に日記帳を置き忘れたのがカルヴィンの目に留まる仕掛けと、殺人犯から逃亡するルビーのカバンの中でウサギがLEDライトのスイッチを押して点滅させ居所を教えてしまう恐ろしい展開の仕掛けですね。この辺は著者の得意技である処女作「ブラックランズ」で見せた小道具の巧みな使い方がさらに進化していると感じさせますね。私は本書を読みながら少女ルビーが不幸になりませんように心が曲がらずにこのまま真っ直ぐに成長してくれますようにと一心に祈っておりましたが、その願いはどうにか届いた様で嬉しかったです。今回の事件は10歳の少女にとって大人への階段を上るというにはあまりにも悲惨で過酷な体験でしたが、最後は生か死かのギリギリの選択でああするしかない当然の結末だったと思いますし、2つ年上のボーイ・フレンドのアダムと住む場所は離れても順調に愛を育んで行けそうで体と共に心の傷も早く癒えるだろうと思いますね。 最後に著者は謝辞で「本書が書かれた年は私にとって困難の多い年で」と述べられていますが、精神的に苦しまれたのかどうか詳しい事情や理由は不明ながらどんな時にもプロフェッショナルを感じさせる仕事を成し遂げる著者は手放しで信頼できますので今後もずっと紹介作を楽しみに待ちながら追い続けようと思います。 | ||||
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先頃惜しくも亡くなられたルース・レンデルの系譜を継ぐイヤミス系サイコ・サスペンスの女王と呼ぶにふさわしい英国女流ミステリー作家バウアー女史待望の第5作です。著者は最初の3冊がシリーズ3部作でしたが、その後は当分単発作品を執筆される方針だと思われますね。第2作「ダークサイド」では悪人が最後まで罰せられない異色の展開に驚かされましたが、それはどうやら著者の本意ではなかった様で直後の第3作ではそのモヤモヤ感にもきちんとケリをつけられていますし、イヤミスとは言っても著者が勧善懲悪の健全な良識を持ち合わせた方だという事を本書でも実感できて嬉しかったですね。カタカナ一辺倒だったこれまでと比べて今回の訳題は平仮名と漢字だけで少し堅苦しく哲学的な印象になりましたが、でも内容的には大丈夫で全く難解ではなくストレートにスリルとサスペンスが味わえる決して期待を裏切らない極上の傑作スリラーになっていますのでご安心してお読み下さいね。 英国ノース・デヴォンで起きた夜道の一人歩きの女性を狙った暴行事件は遂にエスカレートして連続殺人事件へと発展する。殺す前に被害者に母親への電話を強要する犯人の意図は一体何なのか?一方、近くの小さな村ライムバーンの壊れかけの〈癒しの家〉に住む10歳の少女ルビーは学校での虐めに耐え不仲な両親の間で止むを得ず失業中の父親に肩入れしながら逞しく生きていた。 本書は著者のほとんどの作品がそうである様に謎解きミステリーではなく真相は中盤で呆気なく明かされますが、それでも犯人(その時点では不明)の独白による心理描写の中にヒントが隠されていますので貴方も早い段階で謎解きに挑戦されてみると良いでしょう。序盤は10歳の少女ルビーが始終口論する両親の間で美人だが厳しく冷たい母アリスンよりも釣り三昧でカウボーイに憧れる気の良い父ジョンを慕って仲良く過ごす無邪気な日々が描かれますが、中盤に殺人事件が起きて警察の捜査が開始される頃から段々と雲行きが怪しくなって来ます。そして終盤になるといよいよ殺人犯がねじくれた狂気の度合いを深め全く歯止めが効かなくなって少女ルビーがまさに生と死を賭けたぎりぎりの逃走劇へと追い詰められる怒涛のクライマックスへと雪崩れ込んで行きます。また脇役の有能なのかどうか微妙な女性警部キングと注意力散漫な若い新米刑事カルヴィンのコンビは名推理を発揮とはさっぱり行きませんが偶然に助けられて漸く真相に迫るのですね。今時の若者カルヴィンのプライベートでの恋人との破局の物語は悲劇的ではなく寧ろ爽やかな読後感でしたね。それから著者の技巧の冴えを感じたのは、女教師宅でルビーがウサギを持ち帰る時に日記帳を置き忘れたのがカルヴィンの目に留まる仕掛けと、殺人犯から逃亡するルビーのカバンの中でウサギがLEDライトのスイッチを押して点滅させ居所を教えてしまう恐ろしい展開の仕掛けですね。この辺は著者の得意技である処女作「ブラックランズ」で見せた小道具の巧みな使い方がさらに進化していると感じさせますね。私は本書を読みながら少女ルビーが不幸になりませんように心が曲がらずにこのまま真っ直ぐに成長してくれますようにと一心に祈っておりましたが、その願いはどうにか届いた様で嬉しかったです。今回の事件は10歳の少女にとって大人への階段を上るというにはあまりにも悲惨で過酷な体験でしたが、最後は生か死かのギリギリの選択でああするしかない当然の結末だったと思いますし、2つ年上のボーイ・フレンドのアダムと住む場所は離れても順調に愛を育んで行けそうで体と共に心の傷も早く癒えるだろうと思いますね。 最後に著者は謝辞で「本書が書かれた年は私にとって困難の多い年で」と述べられていますが、精神的に苦しまれたのかどうか詳しい事情や理由は不明ながらどんな時にもプロフェッショナルを感じさせる仕事を成し遂げる著者は手放しで信頼できますので今後もずっと紹介作を楽しみに待ちながら追い続けようと思います。 | ||||
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英国の小さな村ライムバーンを舞台に繰り広げられるサイコ・ミステリー。子どもの世界と大人の世界の狭間で小さな心を痛め続ける10歳の少女ルビーが、この物語の主人公。全編に漂う喪失感と言い知れぬ暗さの中、中盤で何となく事件の展開に予想はつくのだが、最後まで読ませる著者の手腕には脱帽。 ひとり歩きの女性を狙った連続殺人事件。ルビーの父親ジョンは犯人を追跡するために仲間と民警団を立ち上げる。そんな父親に協力しようとするルビーは… あの『ブラックランズ』『ダークサイド』『ハンティング』の三部作を超える面白さ。 | ||||
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