ラバーネッカー



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初公開日(参考)2014年06月
分類

長編小説

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ラバーネッカー (小学館文庫)

2014年06月06日 ラバーネッカー (小学館文庫)

“ラバーネック”/「名詞」(ゴムのように首を伸ばして)むやみに見る人、物見高い人。アスペルガー症候群のパトリックは人とのコミュニケーションは苦手だが、一端興味を抱いたことに対する追求心は凄まじい。十年前の父親の事故死をきっかけに「死」への探求にとらわれ、医大の生物学部で解剖学を学んでいる。解剖実習の途中、「遺体十九番」から不審物を見つけた彼はある疑念を抱く。脳神経科病棟で行われていた驚くべき所業、そして真犯人とは?デビュー作でゴールド・ダガー賞に輝き、本作でも再度ノミネートされた英国随一の実力派作家による最新作登場! (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

ラバーネッカーの総合評価:8.75/10点レビュー 8件。Bランク


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(8pt)

主人公の視点が秀逸

アスペルガー症候群の18歳の青年が主人公の悲しくもユーモラスなミステリー。スリリングではないが、登場人物に共感する部分が多く、心地よい読後感が得られる。
人とのコミュニケーションは苦手だが、興味を持つことへの追及心は並外れているパトリックは、8歳のときの父親の事故死をきっかけに「死」への探求心を刺激され、小動物の死骸を集めたり、少女の死体の写真を集めたりしていたが、18歳になり優秀な成績で医大に合格し解剖学を学ぶことになる。解剖実習の授業では、遺体を解剖し、死因を突き止めるという課題が学生に与えられた。パトリックの班に割り当てられた遺体「19番」の死因は容易には判明しなかったが、パトリックは遺体からある不審物を発見したことから、授業のレベルを越えて、個人的に死因の究明に取りつかれて行く。コミュニケーション障害の為、周りとさまざまなトラブルを起こしながらパトリックが明らかにした真相は、隠されていた殺人事件を暴露することになる。
パトリックの言動、母親を始めとする周囲との軋轢の歴史、19番の死因の究明を本筋に、昏睡状態の入院患者の記憶、それを世話する看護師のラブコメがサブストーリーとして展開される物語は、生と死の分かれ目を追及する重いテーマでありながら、どこかユーモラスで、心温まる物語にもなっている。周到に張り巡らされた伏線が最後に見事に結実し、ミステリーとしても上出来だ。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.7:
(4pt)

面白かった

期待を裏切らなかった。物語の伏線もしっかり回収できてよかった。但しミスターディールが何者かが謎のまま、正体を知りたかった。パトリックの父を母が車で跳ねて(しかも飲酒運転)死亡させた事故が世間に知られないはずがない、後になってわかる真相には無理がある(問題児に悩む母親だけでもよかったような)
ラバーネッカー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ラバーネッカー (小学館文庫)より
4094088539
No.6:
(5pt)

ベリンダ・バウアーのベスト

この作家の物は翻訳されたものを全て読んでいて、ファンなので翻訳が待てずに原著でも読み始めたところです。
そこで以前読んだこちらも原著に挑戦して、医学用語にやはり苦労しましたので翻訳で読めるって楽だな~と。
感想など他の方のレビューの通りで、付け加えたかったのは、彼女の作品では結構鈍い警官や嫌味な刑事が出てくる事が多く、警官嫌いなのかしら~と思うこと度々なのですが、今作に出てくる万年警官は違います。
彼の頑張りがなければ、パトリックもどうなっていたことか。
バウアーの小説は多数のどうでもいいと思えるようなキャラが出てくるのですが、ちゃんと役割があり、それぞれの人生までもさらっと描写され、すべてのピースがかちっと合わさる快感が今作が一番強いです。
パトリックなんて類を見ないキャラで、私はすっかり魅了されました。続きがないのが残念です。
英国で映画化かミニシリーズ化されてないのかしら。
映像でも見たいキャラの一人です。
とても面白いのにレビューが少なく、勿体ないので、もっと読まれるといいな・・・
ラバーネッカー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ラバーネッカー (小学館文庫)より
4094088539
No.5:
(4pt)

さわやかな読後

最初、読み始めたときは、読みきれるのかと思った。
状況が飲み込みづらい、誰が誰なのかわかりづらい。
パトリック、パトリックのママ、脳神経科病棟の看護師、脳神経科病棟の患者など、
さまざまな視点でいくつかの物語(謎)がバラバラに展開していく。

普段、翻訳ものばかり読んでるけど「こんがらがるなー。」と思いつつ、
読んでいくと、だんだんパトリックの世界がわかるようになってきたじゃない。
そして知らず知らずのうちに応援している自分が。

これと思ったら猪突猛進。それ以外のことはお構いなし。
そのことで困ったことにもなるけれど、諦めない。
ついには自分が解剖している19番の遺体の謎を突き止める。

その後、パトリックは故郷に帰って生活をするのですが、
そこでは仕事を得て友達もでき、人と付き合うことを学んでいる姿を読むことができる。
最後の最後でパトリックはある決断を迫られるのだが、その決断が彼らしく爽やか。

あ、でもちょっとだけ気になったのは医学の世界にいて、
あんまり教授たちに理解がないかなと思った。
障害によって起こる行動とか対処とか。
話の舞台が現代なら、パトリックが生まれた頃には
世界的な基準もある障害だったはずなんだよね。
ラバーネッカー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ラバーネッカー (小学館文庫)より
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No.4:
(5pt)

不器用な自閉症青年が命懸けで死と人生の謎に挑んで人として成長して行く感動の力作!

人間の暗い負の側面を描きながらも悲しみに沈み込まず明るいユーモアを忘れない英国女流ミステリー界若手の期待の星バウアーの実力が遺憾なく発揮された感動の第四作です。今回の作品は過去3作の異常性格犯罪者というパターンからは脱却しスケールは若干小さくはなりましたが、でも人間心理の描写がより細やかになって多くの読者から共感が得られそうな非常に人間味溢れる物語に仕上がっておりまして著者の確実な成長を感じましたね。著者は三部作を書き終えた後は単発作品を次々に書いて行かれる様にお見受けしますが、ファンの私としましては何時か本書の主人公パトリックの物語をもう一度書いて欲しいと思いますね。
アスペルガー症候群の青年パトリックは十年前に自分の軽率な行動のせいで父親が事故死してから「死」の謎に取り憑かれ、動物の死骸を家に持ち込んでは解剖する奇行を繰り返しながら今は医大の生物学部で解剖学を日々学んでいたが、解剖実習で医学生達と共に死因の究明に取り組む中で「十九番の遺体」から不審物を発見する。やがて彼の探求を阻もうとする妨害の気配を感じながらパトリックは何が何でも謎を解明しようとなりふり構わず行動するのだった。
本書の構成は事故に遭って入院し身体が動かせず周囲と意思の疎通が叶わないある患者の感情の流れを追う章、自閉症青年パトリックの過去と現在の物語、若い新米看護師トレイシーの不倫の物語、パトリックの母サラの厭世的で謎めいた行動、が交互に語られます。主眼のミステリーについては何が起こったかの手掛かりが気前よくばらまかれていますので大体の見当が容易につきますが、後半で明かされる意外な真実には一瞬愕然となり「ああ、そうだったのか!そう言えばちゃんと歴然とした伏線も書かれていたな」と大いに感心させられましたね。それから看護師トレイシーを巡る物語には罪が比較的軽めの犯罪も隠されているのですがそこは深く追求せず未完にするのも洒落ていますね。でも本書の魅力はそんなミステリーの技巧よりもやはり主人公パトリックの不器用ながらも人間味に溢れたユニークな性格でしょう。彼の行動には世間的には多々問題はあっても(時には恐ろしく残酷になろうとも)真実を探求する為に手段を選ばない態度があったからこそこの卑劣な犯罪を暴露する事に成功した訳で、きっと彼以外にはとても為し得なかった立派なお手柄だと思いますね。そして彼が昔から一番知りたかった死後の世界についてはこの先も理解しようがないでしょうが、どんなに腹の立つ真実を突きつけられても決して人を憎まず許してあげる優しさはこれからの人生にもプラスになって如何なる苦難をも乗り越えられる糧になるだろうと思いますね。彼が段々と普通の人に近くなって行くのはちょっぴり寂しい気持ちにもなりますが、でも正義感や勇気といった持ち前の大切な財産だけは失わずに、何時か叶うならば恋人メグと結ばれゴールインして母親を喜ばせ、とにかくどうか幸せになって欲しいと願いますね。
ラバーネッカー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ラバーネッカー (小学館文庫)より
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No.3:
(4pt)

ブラックジョークも交えた、本格長編ミステリ

舞台はイギリス・ウェールズ地方の首都・カーディフ。生物学と動物学の上級学力試験で史上最高点を取った主人公・パトリックは、アスペルガー症候群だ。大学に入学した彼は、他の数人の学生と共に、一人の男性の解剖を行ってゆく。他人とのコミュニケーションが苦手なパトリックは、何度か周りとの衝突を起こすが、メグという彼に理解を示す女子学生も現れる。

 一方、車の事故で昏睡状態となっていたサム・ゲーレンは、カーディフ大学の脳神経科病棟でなんとか覚醒を果たすが、喋る事さえままならない。辛抱強いリハビリを繰り返すが、彼の妻だと名乗る女は、彼の記憶とは全く違っていた…。
 そして、サムはある衝撃的な事実をなんとか周りに伝えようと努力するが……。

 全く関わりあいがないように思える2人の日常が、1本の線で繋がった時、渦を巻くように、一気に物語が加速してゆく…。

 お話の核は勿論、解剖体の死にまつわる謎です。しかし、父の死を期に、「死」そのものについて興味を示したパトリックが、物語の始めの方では、小動物の死体や子供の死体の写真を集めたり、熱心に解剖を行ったりしていたのが、物語が後半に進むに従って、解剖体の死因に興味が移ったり、コミュニケーションが少し出来る様になっていったりして、そういった主人公の変化も読み応えがありますした。

 
 また、脳神経科病棟、それに解剖にまつわる詳細な描写が、この物語にリアルさを与えています(食事中などに読むのは控えた方が良いかも知れません)。物事への異常なこだわりを示すパトリックの行動や、そんなパトリックを受け入れられず、その奇行に悩む母・サラとの関係も、とてもリアル。

 ここで物語がまとまる…と思いきや、最後の最後に意外な謎が明かされたりして、最後まで眼が離せません。

 ハヤカワ文庫のHMシリーズが好きな方にもオススメしたい一冊。ホームズを生み出した国の作家による、本格ミステリ。
ラバーネッカー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ラバーネッカー (小学館文庫)より
4094088539



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