調停者の鉤爪: 新しい太陽の書2
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
調停者の鉤爪: 新しい太陽の書2の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警士として赴任するためにスラックスへと向かう途中で道連れとなったタロス博士の一座とは離れ離れとなった。 今彼に同行するのは植物園の池で溺れかけた彼を救った女性ドルカスと中年男のジョナス。 生活の手段として、道中の村々に滞在しながら拷問の技とテルミヌス・エストを振るうセヴェリアンの元に一通の手紙が届く。 差出人は、彼をスラックスへと向かわせる原因となったセクラからであり、協力者の助けを得て自害したものと思い込いこませ、その実はネッソスから逃げ出していたと言うのだ。 滞在しているサルトゥス村の近くにあるという独裁者の宝物庫たる鉱山に、今や自由の身となったセクラが居ると知ったセヴィリアンは単騎乗り込むのだが、そこには意外な罠が待ち受けていた。 ネッソスにおいて兄のアギルスと共謀し、テルミヌス・エストの奪取を目論んだものの失敗したアギアは、アギルスの死に懲りることなく、未だにセヴェリアンを付けねらっていたのだ。 独裁者の宝物を守る奇怪な猿人の群に囲まれて絶対絶命の窮地に陥ったセヴェリアンは、<調停者の鉤爪>の驚くべき効能を知ることになるのだが・・・ 前巻からの伏線が効いていているため、立ち上がりから惹き込まれたが、巻が変わっていよいよSF的な色合いも濃くなってきた。 初巻の巻末に付けられた「翻訳ノート」も示唆していたことだが、本巻では旧約聖書の「エデンの園」を想起させる劇が演じられたり、アンドロイドが「鏡の国のアリス」を引用したりすることから、セヴェリアン達の住む惑星ウールスが未来の地球であることがいよいよ鮮明となってくる。 巧妙に仕掛けられたヒントを辿って推測を立て、謎解きを愉しめる点は本書の魅力の大きなところだろう。 100億年あると言われる太陽の寿命は現時点で約半分を過ぎているというから、「新しい太陽の書」は今から更に50億年ほどの未来の物語だということになるが、宇宙船やアンドロイドといった科学的な道具立てに加えて、不可思議な力を持った<調停者の鉤爪>や蘇生薬<アルザボ>のようなSFとしてはややけれん味の強い要素もあることが、ファンタジーともSFとも区別の付かない由縁となっているようだ。 更にここに来て判らなくなってきたのは、主人公セヴェリアンのモラル。 「義を見てせざるは勇無きなり」とばかりにも、自らの危険を顧みずに無罪を主張したセクラを助けた彼だが、旅の途中で日銭を稼ぐためにテルミヌス・エストを振るうことは躊躇しない。 マルルビウス師の言う「統治の七つの原理」のうち「君主の人格への忠誠心」に最も重きを置くという彼の忠誠心は、その実ヴォルダスや独裁者のような大物に出会う度に揺らぐように見える。 スラックスに向かっているのは、本来<剣舞の塔>と独裁者に対する反逆の報いを受けるためなのだが、その真意は他にあるのだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品の主人公は、《完全記憶》の持ち主です。これは、作者から読者に向けた、いわゆる《読者への挑戦》でしょう。この挑戦に受けて立つ《根性》のある人には、本書をオススメします。最後まで読めば、きっと後悔しないと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の数行から引き込まれ、迷路の中をくぐるようなジーン・ウルフ。 その「新しい太陽の書」シリーズの復刊希望の声は以前から高かった。 やっと復刊された。中古本市場でも高額の文庫だった。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|