新しい太陽のウールス: 新しい太陽の書5
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ジーン・ウルフの傑作SF/ファンタジー《新しい太陽の書》4部作の続編が、本書『新しい太陽のウールス』である。正直言って、《新しい太陽の書》4部作があまりにも傑作だったので、ガッカリするのが嫌で、本書は読んでいなかった。でも、購入したのに読まないのは勿体ないと思って読み始めたら、これがビックリした。あの《新しい太陽の書》4部作を、軽く超える傑作なのだ。この作品は、私の好きなアメリカの天才SF作家《サミュエル・R・ディレイニー》の最高傑作である、『ノヴァ』とよく似ている。まず基本的に《一人の英雄が、新しい太陽を手に入れることによって、新しい世界を創造する》という、物語全体のコンセプトが似ている。次に、作品全体に散りばめられた多彩かつ美麗な《神話的イメージ》にも、類似したものを感じる。最後に、一見読みやすい物語の背後に隠された、極めがたいほど奥の深い《哲学性》も似ている。ただし、物語の内容や設定に関しては、もちろん全然違う。両者に共通しているのは、《SF小説》という型式を用いて、極めてレベルの高い《現代の神話》を創造した点にある。ある意味、スタンリー・キューブリック監督の傑作SF映画『2001年宇宙の旅』と同じように、読むたびに新しいイメージと、新しい哲学を喚起してくれる、《永遠の謎》という称号が相応しい、大傑作である。《新しい太陽の書》4部作を読んだ方には必読書であるし、まだ読んでいない方には第1巻から順番に読むことをオススメする。SF/ファンタジー・ファンには、ぜひ読んでほしい、真の傑作である。良いです。 | ||||
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『独裁者の城塞』で<時>の秘密の歴史をセヴェリアンに教えたあとマルルビウス師は語りました。 「われわれはふたたび星々にいくことはない。ある種の神格としていくようになるまではね。しかしその時は今から遠くないかもしれない。おまえの中で、われわれの種族のすべての発散的傾向が統合を果たしたのかもしれない」 どうやらセヴェリアンは宇宙帆船に乗ったようです。船内でのセヴェリアンは暗殺未遂や船員の反乱などのため逃げたり闘ったりと大忙し。宇宙航行に関してお得意の思索を披露するする余裕もあまりないようです。当然、その活劇描写の細部には見えてるのに見えないような場所に思わぬ転換点があったり、『新しい太陽の書』の秘密の種がまかれてたりしています。懐かしいものとの再会や新たな登場人物たちとのロマンス、友情、裏切りなどもあり、オリエンテーションをつけるのが一杯一杯のところで舞台は移ります。そこで謎の宝庫のような出合いと会話を経て例の審判へ。 その後、読者は『新しい太陽の書』を俯瞰する視点を得ることができ、セヴェリアンがウールスに足跡を残すのを時の回廊から覗くように見ることもできるのです。ただその場面は、セヴェリアンのヴァージョン変更やなんらかの修飾がかかってるため、かえって謎を広げるかもしれません。 <時>の秘密の歴史は、それを観察する人間と切り離しては理解できません。ここが分割線だという名剣ももはやありません。分離困難な複雑に絡み合った世界を歩んできたセヴェリアンとは何ものなのか、そしてセヴェリアンとともに疑問符多発のこの行程を何度も歩きたがる読者の悦びとはなんなのかということを考えさせるのがこのシリーズの魅力です。ただし本書には訳者G.Wの署名はありますがセヴェリアンのあのお決まりの最後のフレーズはありません。それは当然の帰結かもしれませんがやはり少し寂しくもなります。人類とポストヒューマンの織りなす時空のサイクルをこのように悠然と語れる人はほかにいないでしょうから。 | ||||
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