逆転世界
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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<地球市>と呼ばれる都市は軌道上に乗る動く7層からなる都市でその行先の測量をし、軌道を敷設し、断崖があれば橋を架ける。それがギルド員の仕事だった。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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クライマックスの説明と描写の中途半端さから、読者を選ぶ小説であることは間違いないと思いますが、そこに描かれた世界の特異さによって、ある意味SFの一つの極点に立った作品だと思います。 一言で言ってしまうと、緻密に、重層的に語られる変な小説。でも、リアルなので読み易い。 これに匹敵するような変な小説は、バラードの「燃える世界」とディレーニーの「ダールグレン」ぐらいしか思い出せません。 ストーリーの大半は、移動する都市という閉鎖社会で育てられた青年がギルドの見習い員となって社会に出て、自分を取り巻いている世界の謎や不条理と対峙しながら成長していく話です。読者は主人公の目線で、細かく描写される社会人や家庭人としての日常生活を理解していきます。この移動する都市の描写が第一のポイントです。 見習い期間の最後に上司の命令で旅に出た主人公は、その世界のとんでもない実態を知ることになります。この世界の驚異の描写が第二のポイント。 旅から戻った主人公は、故郷の都市が危機に瀕していることを発見します。主人公達はこの先どうなるのか?なぜ、この世界はこうなっているのか?頁をめくる手が止まらなくなっていきます。 世界についての大きな物語が語られる一方、主人公と新婚の妻の関係も描かれています。前半では立場の異なる主人公とその妻が、お互いの立場を理解しながら関係を構築していきますが、主人公が世界の驚異を実感する旅から戻った時、妻との関係も新しい段階に入ります。不条理な世界に振り回される主人公達。 この後、一人前になった主人公は、自分が育った閉鎖社会を維持する立場で行動するようになりますが、社会を変革しようとする圧力が内外で高まって行きます。 物語の終盤、世界の秘密が明かされますが、確かに多くの方が批判するように中途半端な説明です。解説に書かれているように、作者が描きたかったのは二つの共存する現実であって、二つの世界を成り立たせるための理由は、一応の便宜的なものに過ぎないのでしょう。 では、作者が書きたいという共存する二つの現実とは?主人公達の閉鎖社会と外部の世界?主人公が認識する現実とそれ以外の現実?それに加えて、主人公の世界と主人公の妻の世界。というのもあるように思うのです。 作品に登場する二人の女性、ヴィクトリアとエリザベス。この二人の名が、共に、英国女王の名であることが意味を持っているような気がするのですが。 なお、本書については、読後、さまざまな評価や感想を読んだことが大変参考になりました。何の手引きもなく、自力で十分な理解をすることは困難な作品ではないでしょうか? | ||||
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作者の最高傑作かというと疑問です。 私はプリーストの作品はこれから入りました(タイトルとアートワークだけで)。 なんだこのアイデア!と熱読しましたが最後のネタばらしでハァ?となったクチです。 その時点での評価なら2点3点でしょう。 しかしその後、魔法、奇術師、双生児と読み進め、またこれに帰ってくるとしっくり来るし評価も上がる、そんな作品です。 SFにしっかりした科学考証を求める方、プリースト未読の方が最初の一冊にこれを選ぶことはオススメできないかな。 | ||||
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「地球市」はどことも知れぬ荒廃した世界を北に向かって進む。人々はその中で生き死んでいく。 軌道の上を進む「市」は世代宇宙船ならぬ世代機関車というべきか。 年に36・5マイル(50キロくらい)というスローペースなので、機関車と呼べるほどの疾走感は無いが。 半分あたりまで主人公の地味で陰鬱な生活描写が続く。異様な社会への興味で読まされるが、いささか退屈だ。中盤で物語は色合いを一気に変える。 なぜ北に進み続けるのか。止まるとどうなるのか。根源的な疑問の一部が明かされる。 主人公が任務で出かけた南(過去)には信じられない歪な世界が待ち受けていた。道中の描写には、目を見張るものがある。 どういう理由でこんな世界が?と期待が高まる。 ところが、最終章で明かされる真相が思い切り拍子抜けなのだ。何の説明にもなっていない。イメージの衝撃は凄いが、論理がお粗末すぎる。 | ||||
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本書の文章自体は訳もこなれており、なんとか読み通せたが、内容は酷すぎ。 この本をSFとして読むとなると、期待はずれなること請け合いです。 主人公の住む世界の異様さや、都市構造の奇想天外さは面白い。 しかし、その背後にあるべき物理法則も全く説明されておらず、SF小説としては失格。 時間や空間の異常さも、思わせぶりに記述しているが、最後まで説明もない。 「異世界の構造」も不明のまま。 南へ北へ旅立つ主人公。その都度新しい知見を持つが、それらを総合する 物理的な説明がないのは致命的。「アインシュタイン」だの適当に高名な 物理学者の名前を出しながら、これで一つの「異世界」を構築したつもりで いるならお笑いぐさ。 しかも、「世界が二分された法則に従っている」らしいが、その原因も 最後まで説明していない。 物理法則と人間、物理法則と意識。この3つが融合してるらしいが… 最後のページで、「うっっそー」と投げ出しました。 おそらくは著者がもうこれ以上書けなくなったのでは? 短編ならこれでよかったのに、水増しして長編にしたのでしょう。 この小説が「英国SF協会賞」を受賞するとは、仰天です。 図書館で借りて読んで下さい。購入は全くお薦めしません。 | ||||
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もう二十年以上前に、すごい傑作だという某氏の紹介文につられて読んで呆れ返ったバカバカしい小説である。まあ、こういうのを面白いと思わない人は、SFには向いてないってことですね。 | ||||
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