奇術師



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初公開日(参考)2004年02月
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長編小説

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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

2004年02月10日 〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが…!?二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

奇術師の総合評価:8.00/10点レビュー 20件。Cランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

あまり面白くありませんでした

途中であきました。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:
(7pt)

映画を先に観る方がよい

19世紀末から20世紀初頭にかけて一世を風靡した二大奇術師の対決の物語。
しかしそこはプリースト、単純な話にはならず、得体のしれない双子の存在が物語の物陰から見え隠れする。それはまたプリースト特有の、自身の存在、そして住まう世界が揺らぐ感覚でもある。

今回は死んだと思われていた子供が成人して生きていた。さらには世界のどこかにまだ見ぬ双子の兄弟がいるという感覚に付き纏われるという、どこが地に足がつかない感覚が物語を包み込む。

更には稀代の奇術師たちが挑んだ瞬間移動奇術の謎とその因縁が主人公たち2人の男女の現在に纏わるという重層的な構造を持っている。

しかし物語の大半を占めるのはこの2人の奇術師アルフレッド・ボーデンが生前遺した自伝とルパート・エンジャの日記という手記だ。その中心にあるのはそれぞれが発案した瞬間移動奇術の正体だ。

アルフレッドの「新・瞬間移動」は完璧な奇術であり、まずはルパートがその謎を探るべく、彼の許に自分の愛する女性を助手として送り込む。しかしアルフレッド側に寝返った助手の女性から偽の情報を渡されたルパートはそこに書かれたアメリカの発明家ニコラ・テスラの許を訪れ、アルフレッドから全く違う方法で瞬間移動奇術「閃光の中で」を編み出す。

ここからがファンタジーの領域になっていく。

そしてそこから物語は双子、いや二通りのもう一人の自分の存在について語られる。

瞬間移動奇術の謎を解く話がいつの間にか一人の人物の存在というものへの疑問へと変わっていく。

瞬間移動奇術を通じてアルフレッド・ボーデン、ルパート・エンジャという名前を持つ存在は一人の男だけの物なのかを問う物語、というのは大袈裟な表現だろうか。

さらに物語は混迷を極めていく。それはプリースト独特の語り口故に。
語り手は「わたし」という一人称叙述に変わり、これがどの「わたし」を指しているのか解らなくなってくる。さらにはこの「わたし」は自分の死を語り、生者なのか死者なのかも不透明になっていく。

ここで思うのは名前という物の重要性だ。しかし名前という確定要素さえもプリーストにかかれば存在意義を揺るがすものとして扱う。

貴方の名前は誰の物?本当に貴方だけの物だろうか?
貴方の名前を名乗って貴方の人生を生きる存在がいる、などという人は皆無に等しいだろうが、同姓同名の人と出逢って、妙な違和感を抱いた経験がある人はいるだろう。その時に感じる自分の名前を横取りされたような感覚。本書のテーマはその違和感が肥大した物なのかもしれない。

なぜこのように感じるのか?
それは2人の奇術師の手記で構成された内容でさえ、作中の登場人物によって改竄させられたものだからだ。

そして驚愕の真相が明かされるのは最終章。

正直この真相は分かりにくい。なぜなら上に書いたようにこの顛末を語るのは誰なのか解らない「わたし」だからだ。
この私はルパートなのか、それともアンドルーなのか最後まで解らないからだ。
プリーストの、存在という基盤が揺らぐ書き方はさらに曖昧になってきている。読者もその理解力を試される作家だと云えよう。
二度目に読むとき、違和感を覚えた記述の意味が解る、二度愉しめる作品の書き手でもある。
しかしこれほど頭を揺さぶられる読書も久しぶりだ。次は読みやすい本でも手にしよう。

後日、本書を原作にした映画『プレステージ』を観たが、複雑なストーリーが換骨奪胎されており、実に解りやすく、かつ傑作だった。本書の場合は最初に映画を観てから読むことをお勧めする。

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Tetchy
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.18:
(4pt)

幻想文学の枠に収まらない佳作

物心ついた頃から、アンドルーの中には、ほかの誰かと人生をわかちあっているという感覚があった。
それは精神的な共感で、”誰か”が彼のことを心配しており、またその”誰か”が不安な状態にあったりするとアンドルーにもそれと判るのだ。
生き別れた双子が居るのではないかとも思ったが、記憶にも、記録にも、彼の片割れの存在を示すものは無い。
ジャーナリストとなったアンドルーは、取材のために趣いた北イングランドの館で、彼をその取材に招いた女性ケイトから思いがけない話を聞かされることになる。
養子として育てられたために自身でさえ知らないアンドルーの家系をケイトが知っていたのだ。
ケイトは、お互いの曽祖父は共に奇術師であり、ライバル関係にあったと言い、更に父親に伴われたアンドルーが幼い頃に一度この館を訪れてもいると語る。
そしてその時、事故によってアンドルーが死ぬのを確かに見たと言うのだ。
アンドルーは自身に関する謎の答えを求めて、何故かケイトが所持している彼の曽祖父、大奇術師アルフレッド・ボーデンの回顧録を読み始めるのだが・・・

アルフレッドの回顧録とケイトの曽祖父にあたるルパート・エンジャの日記がページの大半を占めるのだが、互いの記述の中に羨望や尊敬と、その裏返しである憎悪などの感情を垣間見せる。
二人の祖先が共に得意にしていたのが「瞬間移動」のイリュージョンで、そのタネ明かしを求めるのが話の軸となっているのだが、二人のタネはそれぞれ異なっていて、ルパートのほうは当時の科学者ニコラ・テスラに製作を依頼した電気仕掛けという設定である。
A.C.クラークの「進みすぎた科学は魔法と区別がつかない」と言う言葉を思い出したが、本書はSFともファンタジーとも、更にはミステリーとも言える不思議な作風。
タネ明かしや謎解きという要素は確かに面白いのだが、それ以上に二人の奇術師としての矜持などが細やかに描かれたり、実在の人物であるテスラを登場させることによってリアルさを醸しだしているのが一気に読み通させる原動力となったように思う。
1996年の世界幻想文学賞受賞作の本書は、特にファンタジー好きでなくとも愉しめる良い小説だと感じた。
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)Amazon書評・レビュー:〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)より
4150203571
No.17:
(5pt)

美しいラストシーンに感動しました

映画のプレステージを見て、この作家を知り、試しに読んでみたのですが…..
原作の方が人物像が丁寧に描かれていて、断然よかったです。
映像が無くても、手品の知識が無くても、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
二人の奇術師の争いの話だけでなく、その後の子孫に残した負の遺産が悲しく、美しい文章で綴られています。
ラストシーンはとても余韻の残る物語でした。
この作家の別の作品も買ってみたいです。
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)Amazon書評・レビュー:〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)より
4150203571
No.16:
(1pt)

読み終えてブン投げたくなるほど下らない作品

二人の奇術師の瞬間移動の「トリック」(!)が
 ボーデン→(やっぱり)双子でした
 エンジャ→テスラの発明した電気による超科学的移動装置でした
って、アホか。

冒頭のアンドルーの語りの部分で「双子/分身」のテーマが出ており、ボーデンの語りでも「わたし」の複数性が何度も「明示的」に言及されているのだから、読者は騙されようが無いだろうに。エンジャの移動装置に関してはバカバカしすぎて何をか言わんやである。ほぼテクストの力だけで「奇術」ならぬ「奇蹟」を起こしてみせたキャロル・オコンネルの名作『クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)』のような筆力と配慮は望むべくもなかった。

本書を読むくらいなら、同じ「分身」をテーマにしながら無駄に分厚い本書よりずっと短いナボコフの『セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫)』を読み返す方が10倍マシである。解説を書いている若島正氏はこんなものを傑作と褒めてていいのかね。
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)Amazon書評・レビュー:〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)より
4150203571
No.15:
(4pt)

「語り」=「騙り」の技巧が光るメタ・ファンタジーの秀作

ある現代の新聞記者が知り合いから先祖の奇術師の驚愕すべき人生を聞かされ・・・というお話。
ある奇術師と別の奇術師がライバル関係になり切磋琢磨や競争心を燃やすうち互いに奇術師として成長していく・・・という話ならよくありがちな感じですが、そこは才人、プリースト、「語り」=「騙り」の技巧を使って、この小説自体が一つの魔術のような作品にしあげております。とくに実在した発明家の二コラ・テスラの事象を史実に忠実に絡める辺りは著者の手腕に唸りました。衝撃の問題作「魔法」を読んだ後、この小説を読むと若干見劣りしないではないですが、どちらの作品も読んで損のない傑出したファンタジーだと思います。
基本設定の奇術師同士のライバル関係を扱った小説は似たような作品にストラウブ「シャドウランド」がありますが、作者が違うとこうも違うかとちと驚ますが、興味のある方は読み比べてみては。

映画化されているそうなのでDVD化されていれば是非、観ようと思います。出来れば「魔法」の方も映画化して頂きたいですが、難しそうで、だれか挑戦する監督がいたら偉いですよね。
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)Amazon書評・レビュー:〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)より
4150203571
No.14:
(5pt)

一流のSFミステリ

この作家はSF的な要素を使った話しを書くのが得意なんですね。

手品が舞台なのでタネを思わず考えたくなっちゃいますが、
一流の手品のタネはそうパッと思い付かないので、
じっくりと二人の確執をハラハラ見守ってました。

この作品自体のタネの一つにSF的な要素が使われているんですが、
ストーリー運びが見事で作品の世界観にうまくマッチしています。
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)Amazon書評・レビュー:〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)より
4150203571



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