「闇神波は本気で我らを根絶やしにする気だ」。刺客、暗殺、陰謀。

横浜市消防局湊消防署の新米女性消防士、高柳蘭は多忙な日々を過ごす。

男運、金運、仕事運、三拍子揃って最悪の女、鼎（かなえ）鮎美は、その美しい名前とは裏腹に、凡そこの世の中の不幸という不幸を、一身に背負った生を歩んできた。

村中から忌み嫌われる転校生、舞原陽凪乃。

「貴様の里を焼き払ろうてくれる」そう言い残し消えた巌道。

ヨハネスブルグに住む戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製のホビーロボット・DX9の一体を捕獲しようとするが―泥沼の内戦が続くアフリカの果てで、生き延びる道を模索する少年少女の行く末を描いた表題作、9・11テロの

ネットで出会い、メール交換だけで親しくなった千晶と秀紀。

未曾有の洪水に襲われ水没した神町。二つの死体と共に、終戦直後にこの町で起きた忌まわしい惨劇が浮かび上がる。

神町。どこにでもあるようなこの片田舎の町は戦後日本の縮図でもあった。

浅草・本所深川の顔役連中から“夜叉萬”と畏怖されている北町奉行配下の隠密廻り同心・萬七蔵。

植物の「声」を聞く機械を発明した男が耳にしたものは? 小説自動作製機は何を成し遂げるのか? 教養ある男が企んだ甘美な復讐のお味は? 短篇の名手が、人生という道路に、時にぽっかりと口を開ける非日常という落とし穴を描いて見せる非情でブラックな短篇の数々。

隠岐島へと向かう船に宗徳、蓮根左仲、与惣次、豪の姿があった。父親殺しで流刑となった十二歳の罪人・民吉の護送のためだ。

両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。

1920年代、イギリスの港町ブリストルに住む貧しい少年ハリーは、サッカー選手か世界を旅する船乗りを夢見ていた。

波乱の学校生活のなか、それでも学業に励むハリーは次々に厳しい真実と向き合うことになる。

堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。

明暦三年(一六五七)、江戸は大火で焼き尽くされた。

江戸の暑い夏の日、金座裏では、十代目の政次の妻・しほの産月が近づいていた。

病に伏せっていた将軍家重の側近、大岡出雲守忠光が、闇夜に化け物に襲われた。

死ぬ覚悟も、誰かを傷つける恐怖も呑み込んで、走る。ひたすらに自分と向き合うために。

網を打つ者。とどめを刺す者―。

友を陥れてまで、己は出世を望んだのか――。若き執政がゆく道は、栄達か、修羅か。

母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。

五十路を目前にした岡っ引きの銀次。長女が嫁に行くその日、不穏な事件の知らせが届く。

石屈日和は文具メーカーで働く三十歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。

美少女幽霊・小風を助け出すため、夜の江戸城に乗り込もうとした伸吉は、閻魔大王の力で生きながらにしてあの世へ送られた。

家族の気持ちがバラバラな若菜家。その中を取り持ってきた母の玲子の脳にガンが見つかった。

自衛隊機F2が超低空飛行を続ける。海面から六メールの高度だ。

平凡な結婚の、その先に待っていたのは思いもよらぬ夫の暴力だった。

次期将軍の座をめぐり火花を散らす、紀州徳川、甲府徳川、館林徳川の三家。

信州真田家跡取りの俊介は忠臣の仇討ちのため、ひとまずの目的地である久留米に到着。

王は人々の希望。だから会いに行く。

人は、自分の悲しみのために涙する。

小間物問屋橘屋の手代だった益治郎は、濡れ衣を着せられ店を追い出された。

江戸で相次ぐ怪事件。広島藩の京嵐寺平太郎は、幕府の命を受け解決に乗り出す羽目に。

別名『氷の聖女』。子爵令嬢にして英国公爵令嬢・修野まり。

一刀流vs.直心影流! 浜町堀沿いで三人組に襲われている若侍・松尾を助けたことから、円十郎は三千石の旗本・松尾家の家督相続にからんだ、正体不明の刺客の始末を依頼される。

縁談相手の百合との破談騒ぎを免れた北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は、盗人『ほたる火』の探索に心血を注いでいた。

大奥に将軍家斉の子を殺めた輩がいる…。

大人よ意地を張れ！ 負け犬では終わらない、終われない。 ネオン街の片隅で起こった、タフでハートウォームな大反撃。

時代小説の名手が描く、江戸の女の恋愛模様 江戸の占い本が女たちの吉凶をズバリ! 月ごとの風物を織り込みながら江戸の女を生き生きと描く、切なくも愛らしい傑作時代小説。

同心の息子で臆病者の夏之助と、与力の娘でしっかり者の早苗。

弥生も半ばに差しかかり、品川宿は、連日花見客や汐干刈客で大賑わい。

北朝鮮が、日本に向けた中距離弾道ミサイルに燃料注入を開始した。中身は核なのか。

産む、育てる、食べる、生き抜く。その意味は、3月11日に変わってしまった。

真野モナミ、武蔵虹北高校2年生。『ミス武蔵虹北』。

父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。

盗賊の小頭、雲津の弥平次は、山奥の湯治場で思いもつかない〔ひろいもの〕をする。

笹尾平三郎、それが弥太郎の本名なのか。執拗に弥太郎を狙う土岐家にいったい何があったのか。

秀吉の死去により、世はふたたび戦乱の暗雲に覆われる。

激戦から厭戦へと向かう応仁・文明の大乱。東軍と西軍に分かれて戦う父子を待ちうける悲劇の邂逅。

京を焦土と化した応仁・文明の大乱、前夜。人買い商人に十五歳で湯屋へ売り飛ばされた少年「牛」の数奇な運命。

表御番医師として江戸城下で診療を務める矢切良衛。

昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた―。

その日、本能寺で何が起きたのか。

歴史上のミステリーの新説で、豪華商品をゲットするのだ!扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、そして留学生アナスタシア・ベズグラヤは歴史好きの女子高生三人組。

西郷隆盛の密命で江戸へ向っていた和泉雄介は、薩〓（た）峠で幕軍の脱走兵たちに手篭めにされそうになっている娘、露を助けた。

江戸の切り絵図制作を始めて一年半。

出世の階段を駆け上り、ついに首席家老へと登りつめた桑山又左衛門の許に、「言語道断の所業有り」と、ある日果たし状が届く。

同時期に道場に入門した五人の仲間は各々の道を歩み、時代は移ろう。

物のはずみで起きた決闘で相手を斬殺した片桐宗春は、逆うらみによる敵討ちに狙われていた。

本所深川で幽霊と暮らす新吉の前に、道士服を着た行き倒れ寸前の男の幽霊が現れる。

人生の折り返し、三五歳を迎えたぼくに、いるはずのない未来の娘からメールが届いた。

江戸・深川の宇右衛門店で独り暮らしをするお絹。

函館―わずか二十年で三度も悲劇に見舞われた町。

武士とは命懸けで人を信じるもの――。

晴れて第一志望の教育学部に入学した榛名なずなだったが、大学生活は苦労の連続だった。それでも弱音を吐くことは出来ない。

北風が冷たい夜。リストラを家族に言い出せずにいる柴田秀直は、ラブホテルから出てきた常務と上司の永井絢子を見かける。

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。

認知症の老婆に潜む秘密とは、その哀しみとは何か?!現在と過去が複雑に絡み合う殺人事件は、やがて「愛」や「家族」や「幸せ」の姿を、二人の刑事たちに突きつけてゆく。

将軍・吉宗による登用で御広敷用人となった水城聡四郎。しかし、具体的な担当はなく無任所のままだった。

メジャーを代表する東洋系スラッガー、“ジャスティン・キング”。

「遅くなっちまったな」乱蔵が言った。露木圭子の全身が震えた。

売れっ子絵師・清麿の美人画に描かれ大人気となった町娘のおみねとおその。

シカゴ郊外―高校生のカップルが車内で射殺され、犯人が撮ったものとおぼしき凄惨な現場写真が警察に送りつけられてきた。

三代将軍家光の正室となった姉の孝子を頼って十五歳で京から江戸に出た鷹司信平は、公家から旗本になった。

早くに両親を亡くし十六歳で奉公に出た菜々だったが、主人の風早市之進が無実の罪を着せられてしまう。

将軍家斉が襲撃されたばかりの大奥に不審な二人のお末が入った。立花併右衛門は衛悟と瑞紀に素性を探らせる。

単純な殺人事件に思えた。包丁で刺された男性は死亡し、容疑者の女は自供をしている。

心に疵を抱えた人々を、「おりき」が温かく迎える。

長野県の旧家を襲った怪異。主の久我沼羊太郎が犬のように月に向かって吠え、息子の嫁にまでのしかかるようになった。

旅の目当ての地である筑後久留米に到着した真田俊介一行、まずは名物のうどんに舌鼓を打つ。

金貸しの老婆を絞殺し、百五十両を奪った廉で六角牢屋敷に送られた多吉。

学生時代以来のエレキギターを再開した中年サラリーマンの巧也。

他人の背中にその人の「幸福度」が見えてしまう。本の背を指でなぞっただけで中身を記憶してしまう。

八田泳、高校一年生。そこそこ裕福でいわゆる幸せな家庭の息子。

もじゃもじゃ頭にぼんやりした姿。

戦力外通告を受け、球団スカウトになった久米純哉。

西国某藩の藩士だった黒潮太郎は藩船で江戸へ向う途中、出世のために許婚を横取りしようとする同輩に海に突き落とされた。

鳴りを潜めていた盗人『ほたる火』がまたもや出没し、北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は再度探索を始めた。

さあ、行こう。これは僕らの最後の旅だ。