歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。

長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。

名も無き男の人生だろうが、この手で拓いた人生だ。もはや死に場所などない新しい時代。

今度お逢いした時は、きっと誠さんを刺します…吉原の惣名主となった松永誠一郎の前に、凛とつややかな女が現れる。

2035年から届いたメールがすべての始まりだった。

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。

加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。

涙なくしては読めない宮部ワールドの感動巨編！ 讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。

モスクワの英国大使館内で男の遺体が発見された。顔面は後頭部からの銃弾で消失、右手の指紋も消されていた。

遺体の身元はつかめない。盗聴器を仕掛けた犯人も二重スパイも見つけられずにいる。

「私ったら、死んじゃったのかしらねえ」長崎屋が大火事に巻き込まれ、虚弱な若だんなはついに冥土行き!?三途の川に着いたはいいが、なぜか鳴家もついてきて―。

なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。

脳天唐竹割り、四方斬り、眉間割り、潜り袈裟…。一流の舞に似た、厳しく美しい剣のかたち。

「家族」のかたちが見えればいいのに。壊れはじめたら、すぐに分かるから。

誰も知らない場所行きの列車が、いま、目の前で動き出す―なつかしくなる、旅に出たくなる、じんわり切ない大人の青春小説。

想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。

誇大妄想にとりつかれたホームレス、どうしようもなく狂気に惹かれる14歳。

「誰かが辞めなければならないなら、私、辞めます」企業のリストラを代行する会社で働く真介の今回の面接相手は―真面目で仕事もできるのになぜか辞めたがるデパガ、女性恐怖症の生保社員に、秘められた純愛に生きるサラ金勤めのイケメンなどなど、一筋縄ではいかない相手ばか

日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行"に驀進した“人間"の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」

ニューヨークが、静かに、語り始める―オースターが一躍脚光を浴びることになった小説第一作。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

俺たちの呪われた運命に、ケリをつけてやる―。

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。

多国籍企業の参加により、中国では原子炉を搭載した新型通信衛星ロケットの打ち上げ準備が進められていた。

アメリカ到着目前の中国船が爆発した。積荷は中国人不法労働者―。

3年の刑期を終えて、ミッチェルは出所した。

営々と築き上げてきた「大坂和平の道」はついに崩れ去ろうとしていた…。執念深い秀忠、愚かな淀君、抗いがたい時代の奔流。

男の名は世良田二郎三郎元信。

豊臣秀頼が滅ぶ時、天下は徳川秀忠の世となり、家康=二郎三郎の存在理由は消えうせる…。大坂和平こそ、生き延びる道なり―。

組織を頼らぬ超絶の忍び“甲斐の六郎”と独立集団風魔一族の頭領、小太郎を懐刀にした二郎三郎は豊臣・徳川両家を拮抗させ、自由と平和の第三極を築こうとしていたのだが…。

愛人と無理心中を遂げた双子の姉。残された姪を預けるために弘前にやってきた幸代は、死者の声を聞く「イタコ」の千歳と出会う。

『4TEEN』続編ついに刊行!ぎこちない恋。初めての裏切り。

本当に客を掴んでいるのは誰か―。

小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。

神山佐平は、やむなき事情から家中の者を斬り、無断で江戸へ帰ってきた。わずか二年前に仕官したばかりだった。

誰もが人工臓器を求め、ローンの支払いが滞れば強制的に回収されてしまう近未来。

最愛の息子が誘拐された―。

パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。

倒幕に揺れ動く幕末、若者たちは国の為に何をすべきかを模索していた。

倒幕の動きはさらに加速し、もはや止められないものになっていた。

育ての親、宮本武蔵の遺言に従い吉原を訪れた青年剣士・松永誠一郎。しかし、そこはただの色里ではなかった。

天が村の傍らに与えた恵みとなるはずの筑後川。

反乱と無情な抵抗。全てを飲み込む大河との合戦に終止符を打つためには、神への供物が必要なのか―一大事業がはじまった。

刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。

運命の対決から3年―。

レオに突きつけられた要求は苛酷をきわめた。

北村志織は、引っ越したばかりのマンションの自室で、怪奇現象に遭遇した。ありえない場所から人が語りかけてくるのだ。

流通機構の拡充に迫られた幕末、飛脚問屋は変り種をあみ出した。その名も「通し飛脚」。

俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の辺境、雑司ヶ谷。

東京、大阪、ソウル、そして記憶の中にしか存在しない街―戸惑い、憂い、懼れ、怒り、それでもどこかにある希望と安らぎ。

写真家をめざす大学生の圭司は、

摩訶不思議な妖怪たちに守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる江戸有数の大店の若だんな・一太郎。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。

麻生龍太郎は、二十五歳の新米刑事。

「病院勤務は悪夢だ」挨拶がわりに僕らはこう言う。研修医の地獄のシフトじゃ睡眠時間は当然不足、疲労は無限。

写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける―「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。

「疫病神」コンビ、待望の復活。

福澤彰之の息子・秋道は画家になり、赤い色面一つに行き着いて人を殺した。

死刑囚と死者の沈黙が生者たちを駆り立てる。僧侶たちに仏の声は聞こえたか。

幼な児の名はミハル。廃棄された冷蔵庫から生れた物言わぬ美貌の子。

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。

次の長者番付は何位だろう?ニューヨークに豪華マンション、自家用ジェットに美術品オークション。

大企業に科された4100万ドルもの巨額損害賠償金。危機感から政財界が蠢き始める。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。

「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。

五十人の老婆が、奇妙なコミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」。

「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。

心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこの別の世界を作り上げていく。

自分を陥れ、親友の命を奪い、最愛のベスを苦境の淵に突き落した男たちを絶対に許すことはできない。

自動車修理工ダニーのプロポーズは成功した。相手は幼馴染みで雇い主の娘ベス。

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。

悪徳刑事には美点があった。権力に群がる蟻どもを冷静沈着に操るスキル。

楽園なのか、それともここは煉獄か―。美酒は発酵を重ねついに爆発した。

十代の頃から、大切な時間を共有してきた女友達、千波、牧子、美々。人生の苛酷な試練のなかで、千波は思う。

安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。

マフィアが巣食い、宗教指導者が影響力を揮うシトカの街を、深い傷を負った刑事の魂が彷徨う。

ここはどこ? たよりないひとり歩きで道に迷ったときの恐怖。日常の裂け目に落ちこんでこぼれ出た無意識の悪意。

勢州桑名藩の岩井五郎治は、新政府の命で、旧藩士の整理という辛い役目についていた。だが、それも廃藩置県によって御役御免。

ときは近未来、ところは日本領土内、鎖国状態の「江戸国」。上質の阿片が海外に出回り、江戸国は麻薬製造の嫌疑をかけられる。

シリコンバレーからの帰還―。世

リストラと新人事政策の失敗が招

死の悪夢が連続狙撃事件に繋がっていく。大切な人の命が危ない。

新天地・中国での挑戦―。工場の閉鎖業務を進める中、解雇に絶望した従業員が自殺した。

シリコンバレーからの帰還―。

キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。

お子さん、まだ?焦りと戸惑い、嫉妬、胸の中からあふれだす願望。結婚しても、競争は終わらない。

最大瞬間風速32メートル。

結婚生活15年を超え、夜の営みを重荷に感じていた編集者・京介。

その部隊の任務は、独の英雄ロンメル元帥の殺害だった―。1942年、英国陸軍に志願した若き青年が北アフリカの地に降りたつ。

札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。

一匹狼の闇金王・蔵王のシノギは、サラ金業者から債権を買い、完済した借金をさらに払わす「二重取り」。

元刑事・水木和俊は、大都会東京で挫折し、老母の待つ故郷の知床に帰ろうとしていた。

貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。

白骨死体、今川老人殺害事件、父娘惨殺事件。これらの事件に関連はあるのか。

あの4人を消せばいい―。殺し屋コンラッドはある日、自分の変わり果てた姿に初めて気づいた。

北海道のリゾート開発に絡む明和銀行不正融資事件で、大蔵省の不正を克明に記した「白鳥メモ」を巡り、事件は大きく旋回する。

大蔵官僚が墜落死した。自殺なのか他殺なのか―。