赤かぶ検事こと柊茂は、駆けだし時代の思い出の地・高山を訪れ、事件に巻き込まれる。

犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。

道に迷ったジェネットはトラックが突進してくるのを呆然と見つめた。絶体絶命。

中2の克彦は台風の日、姿を消した。イジメ地獄から逃れるための家出か自殺か。

二学期の始業式に市立二中を乗っ取ると宣言した謎のいたずらグループ「いろは組」。

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。

「それで―誰が夏子姉さんを殺すの」―中華料理店の一室で張り込み中の片山刑事の耳に飛び込んできた、聞き捨てならない言葉。

旅行雑誌の記者、小池南海子が取材先の諏訪湖で消息を絶った。

『日本探偵小説全集2江戸川乱歩集』『D坂の殺人事件』につづく乱歩の短編集成。

『算盤が恋を語る話』につづいて、大正十四年七月から十五年十月にかけて発表された十編「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」を収録、短編作家時代の掉尾を飾る作品集である。

本書は、謎の犯罪者・恐怖王と探偵作家の大江蘭堂が対決する表題作の外、好物の探偵小説と落語が混じり合った「盗難」、ミニ「パノラマ島奇談」といった趣の「地獄風景」を併収。

東に人の弱みを探してゆすり、西でネタを拾って小説を書き、南に薄倖の少女を救い、北では美女を侍らせての豪遊……やることなすこと図に当たり意気揚々の影男。

錯綜する謎、息を呑む展開、思いがけない結末…。

私立探偵・野崎は、ある日、吉野真理子という女から、失踪した老父の捜索を依頼される。

Mデパートに勤める野上美樹子は友人の島晴代から、願ってもない転職を持ち掛けられた。それは、ある新興商社の専務秘書。

東京郊外の老人ホーム、ダイヤライフ多摩の入居者七名は、アニメーション業界の草分けとなった夢多き人々だ。

サラ金から3千万円が強奪され、逃走中に犯人が交通事故死した。だが、現金は車中から発見されなかった。

藪原法律事務所の居候弁護士、朝吹里矢子。駆け出しの彼女にとっては毎日が新鮮な“事件”だ。

四十代から五十代を迎えた女性たちが、鮮やかに変身、自分の人生を見事に充実させている。

『先週の日曜日から月曜日にかけて殺人が二つ起こった。

巻頭に並べられた五十人近い登場人物のイラスト一覧―誰を見ても怪しげで、犠牲者ですら真犯人に見えてしまう混乱状況。

女の仮面に翻弄される男。いま、愛憎ドラマの幕があく。

愛するベルの死の衝撃から立ち直れないアウトロー探偵バークの許へ、幼なじみのキャンディから突然連絡が入った。

観音浄土での往生を願い、死を覚悟で熊野那智から旅立つ補陀落渡海。

“宗教法人炎矢教団総本部”この教団から娘・葉子を連れ戻してほしい―というのが今回の僕への依頼であった。

もと消防署だった建物を購入した男は、施設の一部として残った「見張り塔」から、毎日写真を撮りつづけた。

どこまでも救いのない物語。それはある瞬間、ふとどこかに突き抜ける。

人は生得あさましいものであるが、南無阿弥陀仏と称えれば、必ず救われる―平易な言葉で教えを説き、近畿一帯に大勢力を振った英邁なる高僧は、私的にはどのような男であったか。

人は生得あさましいものであるが、南無阿弥陀仏と称えれば、必ず救われる―平易な言葉で教えを説き、近畿一帯に大勢力を振った英邁なる高僧は、私的にはどのような男であったか。

一流ホテルのハウス・ディテクティブとして第二の人生を送ることになった畑中教司の眼前で社長の犬飼が誘拐された。

「これはひどい」凄惨な光景に、熟練の鑑識が目を背けた。

近年レベルの低下が進む名門女子高校、小町学園。女校長のゲンバクは、学園の活性化を図るべく男子生徒の受け入れを決定。

凄惨な殺人現場に残されていたのは、そこにいるはずのない自分の指紋と血で書かれたメッセージ。

売れない純文学作家サド・ボーモントには、世間に知られていないもう一つの顔があった。

無免許の私立探偵スカダーは、旧知の高級娼婦エレインから突然連絡を受けた。

「僕は少し疲れているのかも知れない。頭の中にワラが詰まっている感じがする。

「空海が密かに唐より持ち込んだ、“四殺”を封印せよ」闇世界の始末人、孔雀明王美空に、高野山から秘命が下った。

レスタトのロックスターとしての活動が、すべてのヴァンパイアの「母」である女王アカシャを長の眠りから目覚めさせた。

「辞職して、フリーになります」仕事を干されて退屈なボンドは、とうとうMに宣言した。

相模屋の店先で雪駄(せった)が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。

警視庁捜査一課の美人刑事・今野真弓は殺人事件発生の報せを受けて、原人の骨を展示中のM博物館に急行した。

一流商社のエリート課長・松代小弥太は、週末になるとサングラスによれたコートという出で立ちで“名探偵”に変身。

日下百合子は、友人の結婚式に出席するために長崎にやってきた。稲佐山から街を一望しようと、ゴンドラに乗った百合子。

岡っ引きの勘兵、人呼んで悪勘兵は色事にかけては浪花一の事情通。ある日、同心鮫島様のお呼びで奉行所の門をくぐった。

雪の降りしきる唐沢家の別荘につどう、仲の良い三人の嫁と、足の不自由な娘。

北海道の過疎の町涙別で、源義経にまつわる古文書が発見された。

二流講演屋と蔑まれながら、屈辱的地方回りを続ける河合清重は奇妙な物を拾得した。それは一挺の拳銃だった。

怪しげな新興宗教「闇の光」の狂信的信者立花冽子は、兄弟と共謀し内縁の夫を“悪魔祓い”の生贅として殺害してしまう。

「ダムの底から死体が」赤かぶ検事に奇怪な報が飛び込んだ。

三月も終わりに近いある日、出張先のシカゴから帰宅したスターン弁護士は、妻の自殺を発見する。どうして。

もっとも大きな謎は、もっとも近い人間の中にある―真実に近づくにつれ、自分が何も知らなかったことに気づかされるスターン弁護士。

辻沢哲郎―美沙子にとって、この男ほど、邪悪で忌まわしく、そして愛しい存在はない。

心中事件でなくなった花魁の名を継いだ幻太夫は三菱の総帥を別の遊廓の遊女に奪われて、自分の小指を切り落として岩崎家に届けた

杉原爽香、二十二歳の夏。

女子大生の恋人永井夕子に強引に誘われて、テレビドラマのエキストラに出演することになったオニ警部宇野喬一。

天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。

熱海市・網代の作家・内田康夫の仕事場に、浅見光彦が訪ねてきた。

シンガーソングライターの堀河優美は、交通事故死した恋人の吉川国夫の遺品から、「SHADOW GAME」と名付けられた一枚の楽譜を見つけた。

1995年1月17日、払暁。降って湧いたような天変地異の衝撃が神戸を直撃した。

宇治・三室戸寺で、月夜の紫陽花園を撮影していたアマチュア写真家・宮川茂一郎が殺された。スカーフの遺留品…現場には女性が。

全財産を持ち馬にかけて失敗したチャールズ・ラスリンは、優勝馬の持ち主で未亡人のケイトに雇われ、やがて年上の彼女と結婚して快適なカントリーライフを楽しんでいた。

11人もの女性をレイプして殺した挙げ句、死に顔に化粧を施すことから“ドールメイカー(人形造り師)”事件と呼ばれた殺人事件から4年―。

コンクリート・ブロンド事件は、公式には未発表のドールメイカー事件の手口に似ているため、捜査班は警察内部に近い人間による模倣犯罪であると睨む。

MKAテレビ局のベテラン事件記者が、自宅のデスクに突っ伏して死んでいた―死因は心臓発作。

発見された団地でないとしたら、赤ん坊はどこに住んでいたのか。

深夜。丘陵地帯を車で流していたデッカーは、不審な動きに目をとめた。

正体不明のいたずらグループ「いろは組」にキリキリ舞いさせられて、元気のない市立二中の悪徳校長・志賀功一。

近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。

夏のバカンスで愛知県の伊良湖岬に出かけていたキャサリンと恋人の浜口。恋路が浜を散歩中、女性の他殺死体を発見してしまう。

クレア・マロイは「ディポー書店」の店主。

札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。

北国の街、久寿里。一年の半分は霧に、冬は雪と氷に閉ざされた所だ。

一見無関係に思われた三件の殺人事件。だが現場に残された口紅のケースが同じことから、同一犯の可能性が。

二階堂日美子は友人・坊之下七美に誘われ、七美の母・和恵の還暦祝いに小田原の豪邸を訪れる。

円形の敷地の中央ではお堂がゆっくり回転していた。その四方に同じ形の四つの館という奇観の高槻邸。

整形美容で、新しい顔を手に入れた麗子。だが彼女を待っていたのは、以前にもまして哀しみと虚しさに満たされた日々だった。

長崎を、一瞬のうちに火の海に沈めた原爆は一発だけのはずだった。ところが予備の「第三の原爆」が不発のまま投下されていた。

元刑事で私立探偵の橋本は、ある女性から河西弘という男を探して欲しいとの依頼を受け城崎へ向った。

「この子をお願い…」特急「あさま」で幼児を連れた小田ゆみ子は、隣席の北条早苗刑事にそう言い遺して毒死した。

今やリゾート・マンションが林立する名作「雪国」の街、越後湯沢。その一室で美貌の芸妓・由美の絞殺死体が発見された。

大阪のテレビ局の美人レポーター杉山かおるが何者かに誘拐された後、浜名湖畔で死体で発見された。

坂巻内科医院の院長、倫三が急死した。死因はウイルス性の脳炎によるものだった。

大富豪美宗門康則の双子の娘に惨劇。

美しい杉苔で有名な尼寺月心庵で、異様な死体が発見された。

京都嵐山の「もみじ祭り」で大堰川に浮かんだ“車折芸能船”から撤かれた舞い扇の中に血塗られた松竹梅の絵柄の扇があった。

’60年代の反戦運動の元闘士ペリー・ヒルダリーが通り魔に撃たれ死亡した。

好奇心が強すぎて神学校の落ちこぼれになっていたわたしは、教授からある課題を与えられた。

本格ミステリーをトリック別に分類したアンソロジーの密室編。大乱歩から新本格派までを網羅。

夫が行方不明に…。―輸入家具の販売店を経営する唐津善治と結婚して、まだ三カ月。

鬼に我が子を食い殺された女。腹を裂かれ、血まみれの我が子は、まるで赤い着物を着ているようだ。

ある秋の日曜日、高校生の朝枝正吉は遠乗りに出かけた。それが彼の最期だった。

推理作家でニュースキャスターでもある麻沙子は、道成寺を取材中に殺人事件に遭遇。

『カリブの海賊』と呼ばれ海外で大活躍中のボクサー、カルロス山東と創刊誌上で対談するため、カリブの島バハマへ飛んだ推理作家の朝比奈耕作。

日本の会社でOLをやっていては、女に未来はない。そう決断した沢村麻季は、人生の成功を賭けて香港へ旅立つ。

雪のように白い肌と鋭い目、びっしり生やした髭面―それが総美学園中等部三年A組の担任として赴任してきた北薗雪夫先生だった。

親の借金のかたに、豪商近江屋駒吉のもとへ妾奉公に出されたお咲は、肌に極彩色の刺青を入れられ、駒吉の欲望の餌食にされる。

いかがわしいグリーティング・カードを作って暮らしているアート・ドッジは、離婚歴のあるプレイボーイ。

一九三八年、チェイスの処女作である本書の登場で、本格推理王国のイギリスに、はじめてハードボイルド派が誕生した――富豪令嬢を誘したギャング、この獲物をねらう第二のギャング、冷酷無惨な殺し屋にタフな私立探偵、性と倒錯と非情……ハードボイルド派の

東京から青森まで―緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。

オレはガンではないか。―経営者としてわずか2年半、夢と志を賭けた事業なかばにして倒れた男の無念の生涯。