「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

さらりと驚くような都市伝説を語る女。芸能界との繋がりを自慢する主婦。

美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。

奇妙な古着。事件現場の臭い。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

普段から恨みを買っていた不良女の交通事故。共依存する母子がお互いに抱く心の闇。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

奇妙な赤ちゃんの夢を見る女。モデルの女性が怯える、忌まわしい村のしきたり。

ひとり旅で訪れたベトナムで、私は恋に落ちた。この男と寝たい、という狂おしい思いを恋と呼ぶならば。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

1958年の夏。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

この地獄に、魅せられる。

岩井志麻子が明かす、占い師となった“あの女”との衝撃の実話の数々。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。

ダイヤが原因で滅びてしまった一家。夫が妻に語ったある夏の出来事。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

庭にある鳥の巣箱に棲みついた邪悪な目。絶対に語ってはいけない話。

それは百年ほど前の、岡山でのこと。

幻妖、ここに極まれり。

お気に入り(抜粋掲載) Yさんの娘は、近頃ようやく単語をいくつか喋れるようになったところだ。

元寇の時代、すべてを操る美しき巫女がいた。傑作ダークファンタジー。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

弁護士のクリスは、森でハンティングの途中、小川に浸かる上半身裸の女を見つけた。女は大怪我を負い、ひどく汚れていた。

「自殺した彼女の人生を代わりに生きてます」―滔々と壮絶な体験を語る作家志望の女。傷害事件にまで発展した気まぐれな作り話。

神の仕掛けか、悪魔の所業か。地獄のバトルが今、始まる。

刑務所で病に伏せる罪人に高額な医療費を送りつける逆・死神。古書店で入手した一般人の日記帳に綴られた壮絶な書き込み。

江戸時代のこと――。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

このままじゃあ、殺される！　幼い頃からの凄絶ないじめ。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

北米東海岸メイン州、海岸沿いのリゾート地。ある夜、残忍な殺人が起こり、女性二人が殺され、赤ん坊が行方不明になった。