でえれえ、やっちもねえ
- 怪異 (278)
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デビュー作「ぼっけえ、きょうてえ」の続編的な売られ方で表紙も似た感じですが、ホラー大賞を受賞した前作の続編でもないし話も別ものです。ジャンル分けがむずかしいですがいかにも岩井さんらしい4編というか。 いつもの通り岡山を舞台に岡山弁を駆使して、時代は明治から大正、昭和初期の設定です。 「穴堀酒」、最後どうなるのだろうと知りたくて引っ張られて読んでしまうのですが、同じ繰り返しの文章が多く、じっとり重くて途中でじりじりしてしまいました。オチは納得ですが、最初の話がこんな感じだったのでちょっと盛り下がってしまいました。 「でえれえ、やっちもねえ」、それがこのタイトル作で盛りかえし、4編ではこれが一番よかったです。 コレラが大流行していた猖獗を極める岡山で、家族全員亡くして孤児になってしまった幼女が必死で生きていく様子に、ふた昔前くらいの日本はこんなだったんだと思いました。狼伝説を絡ませて、ホラーのようでホラーでない、おとぎ話というには時代が新しいけれど、明治の民俗説話とでもいうような物語です。 「大彗星愈々接近」、幕末に神隠しにあった13歳の娘ヨシが57年後にふらりと老女になって戻ってきた話。代々の当主がみんな変わり者の旧家の年代記も興味深いです。結局ヨシはずっとどこにいたのでしょうか。 「カユ・アピアピ」、岡山の寒村で、父親が小学校校長という地元では名士ですが、美貌を誇って何もしない高慢な母と姉という屈折した家庭に生まれた次女のヒロイン。成績優秀な彼女は作家になりたいという野望を秘めて、父親に頭を下げ東京の女学校入学を許してもらいます。その後の関東大震災、文壇の寵児と言われた作家との結婚。が、ある事件のためまるで逃亡するかのように上海、香港、シンガポールと放浪するはめに。なんとなく林芙美子を思い出しました。 どれも岩井さんらしい妖艶な話でよかったです。岩井さんが岡山弁、それも地元岡山県の内陸、北の山側の言葉を使っていつも表現しているのが味があっていいです。 地方の言葉を隠して”標準”語でしゃべろうとする人が多いようですが、岩井さんの著書「東京のオカヤマ人」でも書かれていましたが「どうしても標準語にはできないニュアンスがある」と。誇りを持って言葉を変えないのは関西人くらいでしょうか。どうして言わば母語を恥じて”標準”語で話そうとする人が多いのかと思います。お国言葉の方がよほど愛嬌や味があっていいと思うのですが。 | ||||
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この作者の作品として、満足出来るものでした。 期待通りです | ||||
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ぼっけぇきょうてぇはぞくりと面白かったので期待していました。どのお話も面白く、それで?それで?と読み進めるのですが、オチがつまらない。最後までよんでがっかりしました。 | ||||
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怖さ、不気味さの中に人間の性(さが)や業の哀しさが見えます。一気に読みました。「ぼっけえ、きょうてえ」でもそうでしたが、著者の中では聖なるものと禍々しいものが、どこかで繋がっている感じがします。 | ||||
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小説としての出来は手紙だけで成立させている最初の一編が一番よかった。最後の1通のあと、どうなったかは読者の推測に委ねられる。 表題作は、最後の1行で唖然とさせられた。これは怪奇なのかお笑いなのか。 いずれも岡山舞台だけれど、明治・大正・昭和初期という設定が作品によくマッチしている。 読んでいる最中にヒョウ柄全身タイツの著者が頭をよぎるのが癪。 | ||||
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