黒焦げ美人
- 猟奇殺人 (113)
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ベットベトでギットギト。脂身だらけの肉なのに、みんな美味しそうに頬張ります。 不幸というものは不思議なものです。自分には降りかかってほしくないけど、他人についてはついつい見てしまいます。 「ああ、もっと歯ごたえがあればな」「自分だったら、こういう風にするのにな」 所詮は他人。自分には関係ない。だから旨いのです。 | ||||
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岩井さんの文章は惹きつけられます。 内容もさることながら味わい深い文章で 楽しませてくれます。 全身が黒焦げになっても耳だけは半焼けで 綺麗に見えた。その耳はよほど藤原のヴァイオリンを 聞きたかったのだなという場面がぐっときました。 そこまでの音色とはどれほど人を惹きつける 音色なのでしょう。 珠枝、藤原、大橋、3人の生き方。 心に何かを抱え、それは決して他人には理解されない。 信念を貫き通した負の物語だと思いました。 | ||||
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大正の始まりの岡山で、妾で一家を支えている姉を その妹の視点で、物語は進行します。 綺麗で、可愛い姉。この可愛いは可哀想に通じるのだとか。 薄幸を身にまとったような、美しい姉を 妹は冷静でいながらも、慕う。 姉の周りにたむろする男達。 登場人物が、キッチリと色分けされているので 分かりやすい。 姉が本当に好いてる男は「野中の薔薇」を ヴァイオリンで弾く綺麗な誰も愛さない男。 姉を歯がゆく思う妹の心情が、つとつとと語られて行きます。 自分が好意を寄せている男は、お人好しで姉の眼中には無く。 その姉が、殺された―――。 殺された後に、焼かれて黒焦げになってしまった―――。 誰が姉を殺したのか? 犯人が分かる下りは、そこまで以外性はないものの その後、妹宛に犯人から届く手紙で、登場人物達の色が崩れて行く。 そこが面白かった。 人は皆、色々なものを抱えて生きてきたのだと妹は知る。 岩井さんの作品は、どれも扇情的で好きです。 ”レエスの手袋”…など、言葉の使い方もその時代へと思いを はせることが出来るようで。 耳だけが焼け残った姉は、好きな男の「野中の薔薇」を聞きたかったのだろうか。 このいじらしい女心の表現は、いつもながら実に巧い。 タイトルだけを見れば、何かオドロオドロしい感じがしますが 以外にも毒性は無く、岩井さんの作品の中では 割とシンプルです。 ホラー性を期待すれば、肩透かしを喰らうかもしれませんが この独特の世界は、一読の価値有りと思います。 表紙もとてもイイですね。 | ||||
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最近岩井志麻子ブームなのでチャレンジ。 感想は…著者の作品の中では1、2を争うおもしろさ! 妾を生業としていた姉が惨殺されるというおどろおどろしい事件を扱いながら、著者にしては珍しく世間知らずな妹の視点で物語が展開するせいか、著者が書いた他のホラーのような絶望的な暗さや生々しさは無くさらっと読めます。 いつも思うのですが著者の描く戦前の世界はほんとに妖しくて美しい…。著者が描く大正時代の雰囲気を楽しむだけでもモトがとれますよ。 | ||||
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まずその腰巻きからジリジリとコゲているのが良い。 黒焦げ美人などという哀れで滑稽な呼ばわれ方をして言い返せぬ気の毒な女性の亡骸が纏う装束にふさわしい。 本作は大正時代に起きた実際の事件に材をとっているという。津山三十人殺しを伝奇的に描いた「夜啼きの森」の系列に並ぶ実話系伝奇ということになるのか。 語り部である少女の、美しい姉、彼女は囲われ者となって家族を養っているのだが、その彼女が殺された上に妾宅ごと放火されタイトルの如き姿と成り果てる。事件そのものはシンプルで犯人像も意外なものではない。物語の重点は事件の解決のその後、人々の身の来し方に、その如何ともしがたい時代の空気もろともの悲しさに置かれている。 ところで解説の辛酸なめ子によって著者の「××書き」という荒技が紹介されているが、それはもう本当に漫画の必殺技のようなもので真似しようとしても出来るものではなく本編の余韻も感想も消し飛ぶこと必至であるので、辛酸なめ子女史には申し訳ないのだがここはひとつ読者諸兄はこのおもしろい解説を読まれずに封印されておくことをおすすめしますよ。もったいないけど。おもしろすぎるんですよ、著者のプライベートが。 | ||||
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