“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった―。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。

人はいったい体のどこで考えているのか。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。

大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。

真夜中、解体されゆく家へ入りこんだわたしに、女たちの失われた時がやってくる。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。

等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

あなたと生きる、その痛みごと。

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。

婚約者に結婚の延期を告げられた女、新しい恋を失ったシングルマザー、彼氏の代役をさせられた大学生、永遠を信じない実業家。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

結婚という言葉を使わずに、言いたいことを言うのは難しい。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった―― 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。

恋人の降一を事故で亡くした志保。その車を運転していた降一の親友・五十嵐。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

私のからっぽに栓をしてほしかった。 幼なじみの兄弟に愛される一人の女、もどかしい三角関係の行方は。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。

恋も仕事も順調だった三一歳の怜子は、五年付き合い、結婚も考えていた耕一郎から突然別れを告げられる。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

この一冊で世界が変わる、かもしれない。 実業之日本社創業120周年記念! 小社文庫限定の書き下ろしあとがき収録。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

新米弁護士のライネンは、ある殺人犯の国選弁護人になった。だが、その男に殺されたのはライネンの親友の祖父だったと判明する。

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

「そもそものはじまりは間違い電話だった」。

東京の郊外で暮らす、しがないサラリーマン久保田輝之は、ある晩、人を殺めてしまう。

赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。 夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。

『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。

直木賞受賞第一作! すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

ふるさと祭りで突発した、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下で、一人の男が殺された。

結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか 共感と絶賛の声続々! あたたかなエールが届く共感度100%小説! 東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。