大阪の港町で居酒屋を経営する藤太の元へ、中学の同級生・秋雄が少女ほづみを連れてきた。

祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。

『雪の鉄樹』で話題の著者による、衝撃のミステリー。

森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた―。

想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。

山深い秘境の村を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。客は滅多に来ないが、比奈子は今日も店を開けた。

私は、この醬油蔵の当主になる! 大阪万博前夜。父の実家である奈良の由緒ある醬油蔵で暮らすことになった少女、銀花。

和久井ミモザは、死の床にある父親に届いた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、大阪に赴く。

35歳の千穂は不妊治療を始めて10年。一方的に原因を押し付けられ、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。

ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。

『銀花の蔵』『雪の鉄樹』『オブリヴィオン』の著者が放つ、 人間の業の極限に挑んだ、衝撃の問題作 しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。

僕の尊敬する常に完璧な父親が、百合の花を買いに出かけて事故死した。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

轢き逃げや通り魔事件の動画をSNSにアップしたことから死の女神と崇められ、過激な動画の投稿がやめられなくなり、事故現場を追い求める女。

アクランド英国軍中尉はイラクで爆弾によって頭に重傷を負い、片目を喪失する。

バラが咲き乱れる家で、新進気鋭の建築家・青川英樹は育った。「バラ夫人」と呼ばれる美しい母。

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。

第52回メフィスト賞受賞作 ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。

母は死に、父は人を殺した――。

深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。

幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。

業を背負う男たち、奇蹟のロードノベル 兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。

妹のため殺人者となった兄!? 無実を訴える男のアリバイが崩れたとき、弁護人は……。

一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。

「逆転無罪」。有罪率99.7%の日本での無罪判決は、検察官にとっては死も同然。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

圧倒的なオーラを放つスター、堀尾葉介。彼の「光」に触れると運命が動いていく。

常に傍観者として、過剰なほどの興味をもって他者の人生を眺めて過ごしてきた小柄な老人、サタスウェイト。

中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。

平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。

初瀬桃子は結婚八年目の子供のいない主婦。

ピアノ調律師の一藤麻衣子には、秘密があった。

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。

最愛の双子の姉が自殺した。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。

17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。

消息不明の大物映画人を捜し出し、不可能と思われたインタビューを成功させる――〈人捜しの神部〉の異名を取る女性編集者・神部実花は、上司からの無理難題、読者からの要望に振り回されつつ、持てるノウハウを駆使して今日も奔走する。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

孤独に暮らす老婆と出会った、大学生の総司。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。

紀州の山間の小さな町に紅滝という美しい滝がある。その滝には運命の恋と信じた相手に裏切られた姫の、哀しい伝説があった。

伝統ある女子校・凰西学園に入学した真矢は、人一倍怖がりの花音と友達になる。

小学生になったばかりの沙恵は、学校帰りに母京子の勤務先に寄り一緒に帰宅する。

第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作は江戸の口入屋を舞台にした時代ミステリーです! 江戸・天明年間の京都。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

昨日と同じ光景が繰り返される学校で、俺は時間がループしていることに気づく。

透明人間が事件を起こしたら？ アイドルオタクが裁判員裁判に直面したら？ 犯行現場の音を細かく聞いてみたら？ ミステリイベント中のクルーズ船で参加者の拉致監禁事件が起こったら？ 阿津川辰海の傑作短編集がついに文庫化。

シェナンドアの谷に住む一族に生まれたデイヴィッドは、地球上のあらゆる生命が滅亡に向かっていることを知った。

小説『昏い天使』で新人賞を受賞した、フランス帰りの美青年作家・宗像冬樹は、予告した第二作『黄昏の館』を書きあぐね、酒浸りの日々を送っていた。