人でなしの櫻
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遠田潤子さんは今までも人間の業の描写に長けている人だと思う。 それ故に一層少女監禁という異常な設定が生々しくて読み進めるのが辛かった。 それでも光源氏が幼女だった紫の上を囲った日本最古の物語然り、幾度となく実際の犯罪としても報道されているのはそういう嗜好をもつひとでなしがいるからだ。 それをおぞましく感じながらも蓮子の心は子ども、身体は大人というアンバランスさに惹かれ破滅する男の最期が哀れ。それでも男は絵を完成させて本望だったのか。 読後、長谷川久蔵の描いた国宝”櫻図”を観に京都を訪れたくなった。 | ||||
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まず古本だけど、とっても状態が良かった。発送も速く商品に関しては大満足です。 次に本の感想。 この作家さんは初読みでしたが、描写力が凄くて日本画を知らなくても『こんな感じかな?』と想像出来た。 しかしながら凄絶なストーリーで、元を質せば竹井康則の特異な性癖が元凶となり、自身も含め妻と息子の清秀、直接的な関連はないが、清秀の妻と身ごもっていた子供までもが亡くなってしまう。 竹井家は特殊な一族だから、それも呪われた運命と思えるが、8歳で誘拐・監禁・洗脳された蓮子の人生は何と過酷な数年だった事だろう。 誘拐された事も成長している事さえも認識できなくなってしまうのだから、竹井康則の罪は重い。 ただでさえ清秀の母親を壊し、洗脳し、死に至らしめた過去があるのに、自身の欲望を満たすために蓮子を買うなど、人として許される事ではない。 また人身売買を生業とする卑劣な輩には腸が煮えくり返る。 なのに呪われた血のなせる業なのか、1人の少女を親子二代で蹂躙する。 おぞましい話だったが、先が気になってしょうがなかった。 また、あんな出生でなければ清秀も『人でなしの櫻』ではなく、万人の心を魅了する日本画家になれたかもしれない・・・と思うと切ないラストだった。 異常で耽美的な内容だったが、2人の男の狂気がビンビン伝わった。 清秀亡き後の蓮子は、やはり後を追ったのかな? 余韻がすごい。 | ||||
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期待したほど…という感じです。中盤まではめちゃくちゃおもしろく惹きつけられます。 ですがその先の展開が読めてしまうし、ありがちなのが残念ですね。 しかし相変わらず筆力と熱量は凄まじく、不幸な男を描かせたら右に出る女性作家はいないでしょう。 この作品の主人公はイケメン設定でしたが、遠田さんの描く男主人公はイケメン設定でなくとも読むにつれてどんどんカッコよくなります。とても魅力的です。 ストーリーが期待していたより上をいかなかったという点で星ひとつマイナスですが、遠田ファンなら読んで損はないと思います。 | ||||
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遠田潤子作品を愛し、なんとか直木賞受賞して、もっと多くの人に彼女の作品を味わって欲しいと思っています。 これは傑作です。これまでは、直視できないようなリアルにエンターテイメント性を加えていましたが、本作は主人公の日本画家、竹井清秀に作者が憑依したかのような、ケレン味を削ぎ落とした格調があります。 これで直木賞確実、と思ったら候補作から漏れていました。 確かに、嫌悪する人もいるだろう題材ですが、それだけに小説でしか表せない世界です! | ||||
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気に入らない人もいるようだが、私にはものすごく良かった。作者の本は全部読んでいるが、最高傑作だと思う。 賛否分かれるのは結末かな?と思うのだけれど、もともと作者はヒロインの蓮子が社会復帰する前向きなラストにするつもりだったらしいが、編集者の意見により今のはっきりしないラストに変わったらしい。編集者GJ。 私はこのラストがたまらなく好き。 そもそも、私は小説には必ずしも救いが必要ではないと思う。 安直な救いなら、いっそ何もなく突き放すくらいのラストの方が私は好みだ。 それだけに、現在の必ずラストに救いを求めるエンターテイメント界にとても不満を持っている。 確かに、読んで前向きな気持ちになる結末ではない。だからといって、それが作品の評価に直結するものでもないだろう。私はこの作品には、このラストが一番ふさわしいと思う。 読んで前向きになりたい人には不向きだとは思うが、小説の完成度は高いので、小説には必ず救いが必要だと思わない人は是非読んで欲しい。 ラストの美しさに圧巻されると思うから。 | ||||
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