八月の母
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これは食い合わせが悪いタイミングが悪い多分私が悪い、直前に読んだのが川上未映子の「黄色い家」だもん、あらゆる面で比べちゃうよ。 親子三世代に亘る貧困母子家庭の負の連鎖を描いた話。 ジャンルに分類するならイヤミスかもしれないが、二点のどんでん返しを除いてほぼその要素もない。分類するなら犯罪小説の方が正確。 団地で起きた凄惨な事件と聞いて思い浮かべたのは、幼児が育児放棄された別の事件だったがそれとは違った。 ともあれこの手の事件は私が知っているだけでも国内で5・6件起きている。報道されない程身近で小規模なケースなら数え切れず、世界各地で起きている。「陽向が幸せになるのが許せない」って意見もちらほら見かけたが、個人的にそこは気にならず。 大前提として彼女が幸せになるかはわからない、まだ。息子の子育てが上手くいってても娘と良好な関係築けるかはわからないし、破綻しそうだと思った。 ひたすら(都合)いい人に描かれてた旦那が不快感催す本作のクズ男たちと同じく浮気・蒸発しないとも限らないし、そもそも本人が憧れてる海外に馴染めるか不明なので、「母親と決別する=幸せな未来確定」の方程式は疑問視。 あのラストをバッドエンドととる人がいるのは面白い。自分はハッピーエンドと解釈したので妙に清々しかった。 前者は小さい子2人抱えた陽向が、あの毒親を大金出して入院させるか、自宅介護で看取れば満足なのだろうか?それこそグロテスクな、ハッピーエンドに見せかけたバッドエンドの押し付けだと思うのだが。最近は少なくなったものの、親子の確執をテーマにした小説は、親がどんなにクズでも子の赦しや和解をもってして締めくくる事が多い。そんな安直な結末にしなかった所は評価したい。 しかし手放しで面白かった、と言うにはモヤモヤが多い。本作で一番哀れなのは陽向でもエリカでもなく、同じお腹を痛めた子供なのに、母親に愛情を注がれずその他大勢にひっくるめられた愛華と麗央。 結果的に周囲に流され加害者になってしまった2人だが、エリカ・陽向ともに気にしてる素振りすらないし、自分が彼等と同じ「貰えない側」だったら歪んじゃうよと同情した。娘の誕生日覚えてない時点でダウト。エリカの思考もちょっとわかり辛く、あんな形で自分を騙し逃げた男の娘なら虐待しそうなものなのに、3人きょうだいの中で贔屓してたのが謎。 陽向の父親は本作一番の外道。元カノは嘘吐いてこっそり産んでたの?「イノセントデイズ」と同じ構成で、主人公の一人称語りに三人称の関係者の回想パートが差し挟まれるのが、いずれも終わり方がブツ切りで中途半端に投げ出されるのが気になる。 結局泰ちゃんはどうなったんだってばよ!?愛華の父親は博司で麗央は武智の子? 作者がわざと似せたのか定かじゃないが、「イノセントデイズ」を意図的にまねたにせよ、その欠点がまるで改善されてないのがマイナス。美智子に至っては後半フェードアウト、気付いたら死んでいた。 文体だけで引っ張る力が漲っていた「黄色い家」と違い、「八月の母」が特段優れているように感じられなかった。紘子に対しては自業自得と同情が半々。恵まれた環境を足蹴にし、さんざん心配してくれる親を雑に扱い、クラスで浮くのが嫌だとかなんとかぬかして高校をサボり続けたのは本人の責任。 かといってあんな目に遭っていいはずないし、エリカの家で起きた出来事は正当化できない。陽向に対しても同情と嫌悪が半々。彼女が正直に話してれば紘子は逃げていた、というのは一理あるものの、当時の博子に自力で逃亡する余力が残っていたか断定できかねるし、どのみち常に人がいたら無理っぽい。反面本当に狡くて愚かな人間なら、旦那にその事を黙り続けたろうし、最後の最後に告白したぶん良心は残っている。 エリカが陽向に連絡をとったのは、「彼女なら世話してくれる」と当て込んだにせよ、「連絡もとってない」と切り捨てられた2人の行く末をただただやるせない。 どーせ陽向に切り捨てられたら2人に縋るんでしょ?それも駄目なら上原頼るのかな。 個人的に乗り切れなかったのは上原の変化。 幼少期のエリカの章では名声欲に駆り立てられた意識高い系記者だったのに、再登場時は完全にいい人で味方。 その間の空白に一切触れられられてないので、突飛な印象は否めない。ていうか小学生エリカと教師の間の出来事も具体的に描かれないので、「あの後多分こうだったんだろうな」と想像で補完するしかないのが疲れる。 してみると上原の善行は友人の贖罪?自分は美智子が脅迫のネタにするため、計算ずくでエリカを行かせたと推理したが、書かれてない以上答えはでないわな。 登場人物の中で一番その後が気になったのはサイコパス香織。大方父親の性的虐待から母親が庇ってくれなくて歪んでしまった、とかなのだろうが、彼女の現在は全スルー。 いやいやそんな大事件起こして無事じゃすまないよねどうなった? 余白で想像を捗らせる技術を上手く用いた小説もあるが、本作はただただブツ切りで放り出されるせいで、作者の技術不足や怠慢では?と疑いたくなる。 | ||||
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これを読んで役所にクレーム入れるのはやめましょう。実際に起きたことを基にしてますが、すべてが事実ではありません。フィクションですよ。 | ||||
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途中読むのがしんどくて何度もやめようかと思った。 田舎で過ごした人ならなんとなく分かると思うのですが田舎特有の閉塞感、一生この街から出られないようななんとも言えない絶望、それらが絶妙に描写されています。 貧困は連鎖するとはよく言われますが、人生までも連鎖し、そしてその鎖を断つことは非常に困難です。また、貧困というのは女性や子どもといった社会的弱者にすべて背負わされてしまいます。 読むのにとてつもないエネルギーを使うけれど、これは実際に日本で起きていることです。そして読んでよかったと心から思います。 あなたがこの小説を読み、絶望の淵に辿り着いた時、かすかな光に気づくはずです。その光とは一体何なのだろうか、読後よく分からなかったけれど、今なら分かります。 私はその光になりたい。 | ||||
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偏見と思われてしまうことを承知で あえて使わせていただきますが、“男性”が書かれた話ということに驚きました。まるで身近で見てきたかの様な 本人の経験であるかの様な 世代を超えても繰り返される母娘の関係、因縁がよく描かれていると思いました。父と息子ではないんです、母と娘の間に生まれ得る歪んだ関係性に共感しながら読んでしまいました。 生まれ持った母性と 母を慕いながらも足かせと変わってしまった関係性との間で悩み苦しむ娘の心情を痛感しました。 とても重く 辛い話だと思います。残念ながら、読むことが出来ない方もおられるのではと感じました。 また 私はいち読者ですが、男性が読むと どんな感想を持たれるのか 知りたいと思いました。 | ||||
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ストーリーにまとまりがなく登場人物のキャラクターもブレブレなため、後半からグダグダ。打ち切りマンガのラストシーンのように、出だし半分の布石を回収できずに終わった印象でした。ラストに至っては、作者の男と女に対する幼稚な思い込みが冗長に繰り返されるだけ。壁投げ本の類いでした。 | ||||
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