僕が殺した人と僕を殺した人



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初公開日(参考)2017年05月
分類

長編小説

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僕が殺した人と僕を殺した人

2017年05月11日 僕が殺した人と僕を殺した人

一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。超弩級の青春ミステリ。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

僕が殺した人と僕を殺した人の総合評価:8.25/10点レビュー 20件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

僕が殺した人と僕を殺した人の感想

この作者さんは、直木賞受賞作の「流」に次いで2作目でしたが、二番煎じという感じは否めませんでした。
この作品は3人の中学生の苦悩を描いた物語。
「流」は少年たちの「成長」物語でしたから、その辺り異なっていて、どっちが面白いか、というのも人それぞれだと思います。
「流」にも犯人探しなミステリ要素が含まれていましたが、この作品は、30年後その主な登場人物3人のうちの誰が殺人鬼となったのか、というミステリっぽい手法を含めています。
前半は、「流」と同じパターンじゃねーか、って読んでましたから、後半少し盛り返したんですけどね。

この作品を「流」より先に読んでいたら、評価は逆転していたでしょう。
要は、先に読んだ方が、1点多いって感じになると思います。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:
(8pt)

14歳のままでいられたら・・・

2017年に発表された書き下ろし長編小説。連続殺人から物語は始まるのだが、ストーリーの中心は、13歳から14歳へ、子どもから大人に変わりゆく3人の中学生たちの喜びと悩みの物語である。だからといって、分かりやすい成長物語という訳ではない。
1980年代の台北市、義兄弟の契りを立てた3人組は、それぞれの家庭に問題を抱えながらも自由奔放に、けなげに、猥雑な町の悪ガキとして育っていた。ある日、いつも仲間の一人を痛め付ける継父を殺す計画を立て、密かに準備を進めていたのだが、その計画は想いもよらない結果を招き、14歳の少年たちは厳しい現実に向き合わざるを得なくなる。その30年後、アメリカで少年6人を殺害して逮捕されたサックマンと呼ばれる男は、三人のうちの一人だった。もう一人の仲間から頼まれてサックマンの弁護士となった「わたし」は、サックマンとともに自分たちの過去も振り返り、サックマンの犯行の動機を探ろうとする。30年後の悲惨な結果が、なぜ生まれたのか? その芽は14歳のときにすでに芽生えていたのだろうか? 永遠に解明できそうにない謎に挑んだミステリーである。
作者が得意な80年代の台湾が舞台になるだけに、登場人物たちがみな生き生きと行動し、ダイナミックなストリー展開が楽しい。連続殺人事件ものというより青春アクション小説である。ただ、サックマンがサックマンになる背景には非常に重いものがあり、軽く読み流せる作品ではない。
硬派というか、社会性が強い青春小説が好きな方にオススメだ。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.18:
(5pt)

少年たちの夏

ずっと気になっていた小説。四人の少年たちの経験した夏ということで、「スタンバイミー」と設定は似ていますが、それぞれの歩む道には大きな違いが。作者の文章に引き込まれる力が強く、一気に読めました。
僕が殺した人と僕を殺した人Amazon書評・レビュー:僕が殺した人と僕を殺した人より
4163906436
No.17:
(4pt)

台湾版スタンド・バイ・ミー

タイトルからミステリーを期待しましたが、ミステリー要素はそれほど深くなく、
むしろ台湾版スタンド・バイ・ミーとして読ませる小説になっています。
台湾に生きる3人の少年たちが、湿度と温度をもった空気の中で、生き生きと描かれています。
まぁ、登場人物の名前とか、読みにくさは最初ありますが、それが気にならなくなっていきます。
時代背景もありますが、少年たちがとにかく逞しい。
日本人の感性とは異なる部分(やたら乱暴)も多々ありますが、生命として弾けるようなまぶしさを放っています。
文章の疾走感が、個人的には好きです。
僕が殺した人と僕を殺した人Amazon書評・レビュー:僕が殺した人と僕を殺した人より
4163906436
No.16:
(4pt)

過去と現在の対比が鮮やか!

小川洋子さんの帯の煽りが気になり手に取ったが、読みだすとグイグイ引き込まれて一気に読み終えた。

台湾での少年時代の描写は本当に活き活きしていて頭の中に台湾の雑多な景色が浮かんできて映画を観てるよう。それぞれ影ある家庭環境のもと育まれていく友情はそれだけで十分に一つのストーリーであるが、そこに現代が加わることで更に深みが出ている気がする。

それは、この小説のもう一つの魅力である過去と現在の対比。その対比を際立たせる漢字の使い方と主語の入れ替え。このコントラストを主語の入れ替えを巧みにぼかしながら段階的に切り替えていくことで、どんどん読み進んでしまう流れになっていと思う。こういうパズル的な文章の書き方は推理小説的でもあるかな?と思ったらやっぱりそっち系の作家さんなんですね。

作者は私と同世代かな?出てくるアーティストが全て私のリアルタイムでちょっと楽しかった。一つ難をいうなら引用した小説をネタバレ的に説明するのはちょっとどうかと…

あと皆さんご指摘の通り、私もスタンド・バイ・ミーが思い浮かびました。
僕が殺した人と僕を殺した人Amazon書評・レビュー:僕が殺した人と僕を殺した人より
4163906436
No.15:
(4pt)

「流」を読まずに読んだけど、Good!

恥ずかしながら直木賞受賞作の『流』は読んでいません。そっちを本棚の肥やしにして、こちらを先に読んでしまいました。

 で、結論ですが、面白かったです。内容が深いし、台湾を舞台にこれだけのものが書けるのはこの著者を置いて他にいないでしょう。

 ただ、米国で犯した犯罪については、その直接の理由や動機が最後までよくわかりません。なので、純然たる謎解きのためのミステリー小説として読むのはちょっと違う気がしました。
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4163906436
No.14:
(5pt)

少年7人を手にかけた連続殺人鬼「サックマン」と、わたしの関係

ページを捲る間ももどかしく、『僕が殺した人と僕を殺した人』(東山彰良著、文藝春秋)を一気に読み通してしまいました。

本作品の魅力は、3つにまとめることができます。第1は、ストーリーの運びに緩みがなく、しかも、意外性に満ちた展開がいくつも用意されていること。第2は、途中で語り手が交替したことを読者に気づかせない工夫が凝らされていること。第3は、文体が引き締まっていること。

1984年の台湾・台北での出来事と、2015年のアメリカ・デトロイトでの出来事が時空を超えて絡み合いながら、物語が展開していきます。

「こうして、ぼくたちは共謀して喧嘩の理由をすりかえることに成功したのだった。それは中一の夏休みが終わるほんの二日前のことで、いまふりかえると、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ」。

「考えてみれば、一九八四年の夏休み前後の三カ月がぼくとジェイを結びつけた。アメリカへ渡った両親においてきぼりを食ったぼくは、ジェイのおじいさんのかわりに布袋劇(ポウテヒ)をやり、バスケットシューズを万引きし、ブレイクダンスの練習に夢中になり、ジェイにキスをされ、そのせいで殴りあい、また仲直りをした。ジェイはジェイでたった三カ月のあいだにぼくにキスをし、そのせいで殴りあい、師範大学の学生に権力のなんたるかを教わり、その男とキスをし、そして継父に殴られて入院した。アガンだってそうだ。母親が男をつくって家を出、転校し、大好きだった父親は目も当てられないほど落ちぶれ、弟はアガンが殺したいほど憎んでいる男(=継父)にすっかり懐いている。そして、ぼくは十四歳になった」。

2015年冬、少年ばかりを7人も手にかけた連続殺人鬼「サックマン」がデトロイトで逮捕されます。その「サックマン」を、31年前、わたしはよく知っていたのです。

「その静かな視線に射すくめられて、わたしはしばらく動けなかった。記憶にある面影と、あまり変わっていないように思えた。削げ落ちてしまった頬は、二年前の昏睡から目覚めたころのままだった。落ちくぼんだ目に宿る光は曖昧で、長年にわたる投薬とリハビリテーションの限界を感じさせた。長机の上でゆるく組みあわせた両手も、十四歳のころの華奢な印象を留めている。わたしのために獰猛なコブラと戦い、わたしのために間違いを正そうとしたこの手が、アメリカで血に汚れてしまったなんて、にわかには信じられなかった」。

「軽い眩暈を覚えた。時空が水飴みたいにゆがみ、わたしたちがばらばらに歩んできた三十年の歳月が煙のように消え去る。わたしの手首に巻かれているオメガの秒針が止まり、そのかわり一九八五年に止まったまま放っておかれた時間がふたたび動きだす。カチ、カチ、カチ、と音を立てながら」。

期待を裏切らない一冊です。
僕が殺した人と僕を殺した人Amazon書評・レビュー:僕が殺した人と僕を殺した人より
4163906436



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