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冬雷



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【この小説が収録されている参考書籍】
冬雷
冬雷 (創元推理文庫)

冬雷の評価: 4.21/5点 レビュー 19件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(5pt)

主人公の過酷な生き様を追体験

本作の魅力は濃厚な人間ドラマ。清濁合わせた溢れんばかりの人間の感情の発露を、主人公の視点でまざまざと見せつけられます。主人公に感情移入せずにはいられないんです。

因習が残る地方の名家と後継問題。この舞台設定がよく描かれていて街の雰囲気が伝わってきます。主人公がとにかく理不尽な扱いを受けるのですが後味は良く、私の中でベスト10に入る傑作です。

オススメ度5
読みやすさ4
意外性  4
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.18:
(5pt)

日本の慣習とミステリーが混ざり合う

久しぶりに素晴らしい本に出会いました。
個よりも全体を第一とする風習に翻弄される若い二人。
その二人の想い、辛さに胸を打たれページをめくるごとに心臓が高鳴りました。
最後にはお盆をひっくり返したようなどんでん返し。
図書館で思わずえっと言ってしまいました。

ぜひご一読を。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.17:
(3pt)

平成版横溝正史

おどろおどろしい因習と住民だけの隠し事、閉鎖空間、警察や科学捜査の不介入、異次元からの侵入者、都合よく協力してくれる地元の反逆者、なんとなく示唆される犯人捜しのヒント、などなど少年時代に文庫本、映画、TVドラマで味わった「横溝ワールド」を「リスペクトして、インスパイヤされたオマージュ」という感じです。

もちろんひじょうに巧みな作家さんですので伏線、小道具には無駄がなく、最後の最後には救いと希望があるところが秀逸でした。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.16:
(5pt)

カスタマー

推理小説であり、一人の男性の過酷で波乱万丈の物語でもあります。
最後に、ヒロインの言った一言でこの物語は救われます。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.15:
(3pt)

鷹匠と幼なじみと殺人事件

ヒロインが何を考えているかわかりづらい。代助は主人公ですが、不遇な身の上。二人が相愛しつつ、結ばれない過程が丹念に描かれていて、かなりしんどい。さらに、鷹匠と巫女が故郷で殺人事件に絡むという、わけのわからない設定。設定を理解するだけで、半分以上物語が進む。そんなに長いわけでもないのに、じっとりと湿気を含んでいて、良くも悪くも日本的なミステリ。でも、暗いムードの中にも、清浄な流れがあり、悪くはなかった。悲恋ものかと思ったんですが。。ただ、結末が妙にスッキリしませんでした。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
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No.14:
(5pt)

楽しめた

ロマンスあり
謎解きあり
独特の雰囲気もあり
楽しめた。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
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No.13:
(3pt)

著者の筆力をまじまじと感じる傑作

伝統のある大祭を舞台に、実らない恋や不倫等、男と女たちの不幸なストーリーです。誰が犯人なのか?と追求して行くよりも、登場人物たちの心理描写そのものを味わいながら読んでもらいたい。
この作品の特徴は、ひとりひとりの登場人物の心理描写・感情描写を丁寧かつ鮮烈に、分かりやすく読者に伝えていることです。よって、微妙な心情や感情の起伏が手に取るように伝わってきます。
著者の筆力をまじまじと感じる傑作です。他作品も是非読んでみたいです。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.12:
(5pt)

疲れた時、何も考えたくない時、遠田潤子はおススメである。

最近の女性ミステリ作家はいわゆる「イヤミス系」が多数を占めるようになってきたように感じる。
私はイヤミス系の変態作品が大好きなのだが、駄作や模倣作も多く読んで後悔する時がたまにある。そんな時、心に残るようなお話が読みたくなる。
そこで手にしたのがこの「冬雷」である。遠田潤子は正統派で感動的で綺麗なお話を描く、今や絶滅危惧種作家だ。

ミステリとして読むよりも、「物語」として読むことをお勧めする。
因習や迷信に囚われた地方共同体の物語だが、登場人物全員が知り合いなだけに、人間のどす黒い「業」がこれでもかというくらいよく描かれている。途中で犯人も真相も分かってしまったが、遠田潤子の織り成す綺麗な物語にノンストップで引き込まれた。疲れた時、何も考えたくない時、遠田潤子はおススメである。

最後に。街の本屋さんを数件回ったが、「冬雷」は置かれていなかった。十数年前に出た有名作家の文庫本を大量に平積みにするくらいなら、1冊でいいから置いてほしい、いや置くべきである。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.11:
(2pt)

漱石「それから」をモチーフとしているが、ミステリ的な出来の悪さが目立つ安手のメロドラマという印象しか受けない駄作

孤児のため、因習に縛られた古い港町の名家「冬雷閣」に引き取られ、現在は害鳥撃退用の鷹匠の代助が、12年前に失踪した義弟の遺体が発見された事をキッカケに、町に戻って失踪事件の真相に迫るというミステリ・タッチの作品。なお、この失踪事件のために代助は恋人の真琴と別れ、被疑者として忌避されて町を追われたという過去を背負っている。また、「冬雷閣」は代々鷹を崇めており、真琴は「冬雷閣」とは縁続きの<鷹櫛神社>(大祭のために鷹匠が必要)の巫女で神楽の名手という"鷹尽くし"の物語である。即ち、"鷹と怪魚"伝説に依って、「冬雷閣」と<鷹櫛神社>とが一心同体でこの港町を支配しているのである。そして、遺体の第一発見者は真琴である。

代助の小~高校生時代の回想譚で上述の港町の事情及び代助と真琴の事由が分かるが、大きな出来事は義弟が産まれた事である。義弟というよりは「冬雷閣」の跡継ぎであり、代助の立場が揺らぐ。そこで、義弟の失踪の際、代助が被疑者となって話が冒頭に繋がる。ここまで読んで、この程度の因習なら全国各地の漁村に存在するであろうし、誘拐殺人犯が存在するならば(誰でも)「***」だろうと思う。ある意味では、「***」は本作の中心人物なのである。

代助という名前が示す通り、本作は漱石「それから」をモチーフとしている。即ち、誠実だが優柔不断で女性問題を起してしまう"諦観した"高等遊民の物語。代助は高等遊民ではないが"諦観した"根無し草という点で同一。それにしては心理小説として練れていない。ミステリ的な出来の悪さが目立つ安手のメロドラマという印象しか受けない駄作だと思った。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.10:
(4pt)

緑丸かしこい。

遠田潤子さんの作品をこの春から読みはじめ、これで五冊目になります。
簡潔な文章でありながら巧みに情景や細かな心情を表現する技術は本作でも健在です。
代助が施設の出身で両親を知らない境遇であったことを考えると、最後の○○の処遇はやや疑問符を打たざるをえない感もあります。それでも一気に読める傑作にはちがいありません。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.9:
(3pt)

伝統という名の呪縛。

本来伝統とは、人々の幸福を願ったり不幸を祓うための手段であるはずだ。
ところが次第に伝統を遂行すること自体が目的となり、伝統が人々を縛り付けてしまう。
本作ではその様な伝統が呪縛と化した町が舞台となっており、独自の慣習や閉塞感などが見事に描写されていた。

また、義弟の死の真相を追うにつれて、町の伝統の秘密も次第に明らかになっていく展開や
便箋のイラストのズレ、日記の記載内容といった些細な違和感が新たな謎を呼ぶ展開も見事だった。

本作は、独自の慣習や迷信が蔓延る町や村を舞台にしたミステリーと一線を画す。
それは、主人公を中心とした町の伝統に翻弄された人々のヒューマンドラマ的要素がメインとなっているためである。
伝統を盲信し事なかれ主義を貫く町の人々の描写や、伝統の犠牲になっていく主人公の心理描写や感情描写が素晴らしい。
そして、伝統やしきたりに翻弄される主人公を描くことで、血縁関係や親子関係といったテーマも内包していた。
主人公の出自や、町の伝統に関わる権威の血統がそれらのテーマに奥行を与えていた。

著者の筆力により、本作の主人公にとても感情移入してしまった。
主人公の今後をここまで案じてしまうのは非常にまれな経験だ。
著者の作品は二作しか読めていないので、他の作品も是非読んでみたい。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.8:
(5pt)

<もしも>…、濃密な関係性の怖ろしさよりも、見放された孤独の深さに凍える『冬雷』

日本ファンタジーノベル大賞という、未発表の創作ファンタジー小説を対象とした公募型の文学賞があったことをすっかり忘れていて、第一回の受賞作(酒見賢一『後宮小説』1989)以来、あまり日本のファンタジーノベルに関心が向いていませんでした。
 ふとM書店の店頭でこの本を見かけ、読み始めたのが午後1時。読み終わったのが午後5時。読書は速いほうですが、このような陰鬱なテーマのストーリーを速読みさせる文章のなだらかさに少し驚きました。確かに日本海の冥くて(スイマセン(^-^;)狭い、旧弊にとらわれた小空間での人間のエゴを描いた小説で、たとえ代助が「姫と怪魚を見た」のが事実だとしても、<ねむり菩薩>にはどこがファンタジーなのか正直、分かりません(「それから」があるのなら、話は別ですが(^_-)-☆)
 それよりも、読み進んで、登場人物の誰一人として、関係性にがんじがらめにされている弱い存在として憎むということができませんでした。だからこそ、そんなメンドクサイ<関係性>にさえ見放された主人公代助の孤独の深さに、こころもからだも凍えるような気持になりました。疑い深い<ねむり菩薩>は代助のラストワード:「それだけで満足だ」(P332)も、強がりにしか聞こえません。
 <もしも>、そこを作者が書きたかったのでしたら、強く共感できます(=^・^=)
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.7:
(4pt)

すぐ よめました

読みやすかったです
映画可 を 望ます
映像が目にうかびます
この町は何処か気になるけおそらく架空の土地か
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.6:
(5pt)

良い本です。

最初から最後まで引き込まれました。
又遠田さんの本を読みたいと思います。
冬雷 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:冬雷 (創元推理文庫)より
4488427219
No.5:
(5pt)

この作品で遠田潤子ファンになりました。

久しぶりに仕事も手につかない位の傑作に出会いました。
続きが読みたくて、読みたくて仕方がなかったです。
物語にぐーっと引き寄せられ、終盤謎がスルスル解けていく展開と驚きの真相に興奮がしばらく収まりませんでした。もう一度、読み返すとまた違う感情が湧いてくる物語だと思います。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.4:
(5pt)

清らかな思い。

心を持っていかれました。
読む手が止まらず、夢中で寝る間を惜しんで読んだ。
文字という2次元の世界が3次元から4次元へと映像が膨らんでいく。
厳しい冬の寒さに遠くで聞こえる雪起こしの雷。
凛とした空間。
美しい情景。
鷹匠と巫女。
閉鎖され息詰まる海辺の田舎町でのミステリー。
どろどろとした人間模様。
切ない清純な愛の形に心がうたれる。
代助と真琴。
自由に生きられない苦しみと悲しみがあふれ出てくる。
諦めるのか。
二人の愛を、しあわせを信じていたい。
しきたりを脱皮し、天高く翼を広げ、人生を歩んでほしい。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.3:
(5pt)

初めての作家の初めての作品

初めての作家の初めての作品を、読了。これは今年の最高傑作。何かの賞を受賞するのでは。現代の話でありながら、神社の巫女と、鷹匠(たかじょう)の伝統を受け継ぐ家庭の物語のため、大正時代のような雰囲気を醸し出しています。殺人か?事件か?というミステリーの要素もあり、最後の最後まで、引き込まれます。これは、三浦綾子の氷点をおもわせる良い作品です。他の作品も読んでみます。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.2:
(4pt)

レトロな雰囲気のミステリ

雑誌の書評で本書を知り、購入しました。評者の千街晶之さんが「横溝正史の『八つ墓村』の現代的変奏」と書いておられましたが、まさにその通りだと思いました。

 主人公の代助は、赤ん坊の時に病院の前に捨てられた孤児です。養護施設で育ち、小5のお正月明けに、養子縁組の話がまとまり、日本海沿岸の町の旧家の跡取りとして迎えられることになります。
 都会の施設から来た代助にはびっくりするような、寂れた田舎町。古くからの因習にがんじがらめになり、そこでの暮らしに倦んでしまったような若者達、厳しい養父、陰に日向に庇ってくれる同学年の義理の従妹、どこの馬の骨ともわからぬ孤児を町を代表する旧家の跡取りに?と余所者の代助に冷淡な町の人々‥‥。
 なんとか家に、町に馴染もうと努力する代助ですが、4年後、養父母に実子が産まれたことで立場が徐々に微妙になり、そんな中ある事件が起こり‥‥と話が展開していきます。

 絡み合う謎、閉鎖的な田舎町の息の詰まるような空気に呑まれる感じで、一気に読了しました。死人も出るのに、警察の捜査の場面などはほとんど登場しません。良い意味で、レトロな雰囲気のミステリです。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544
No.1:
(4pt)

東京創元社刊というバイアス?

「AとBは実は男女関係にあった」「Cは実はAとBの実子だった」という「驚愕の真相」が頻出すると、やや辟易するし、リアリティがなくなってしまう。「これもそうか」と、少しも「驚愕」ではなくなる。関係者がばたばたと死んでいくのも、いかにもという感じで。謎解きのプロセスは充分におもしろく、神楽や鷹匠のガジェットも効いていたんだけどね。とはいえ、2017年の年間ミステリーランキングの上位に入ってよい作品だと思う。
冬雷Amazon書評・レビュー:冬雷より
4488025544

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