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冬雷
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冬雷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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孤児のため、因習に縛られた古い港町の名家「冬雷閣」に引き取られ、現在は害鳥撃退用の鷹匠の代助が、12年前に失踪した義弟の遺体が発見された事をキッカケに、町に戻って失踪事件の真相に迫るというミステリ・タッチの作品。なお、この失踪事件のために代助は恋人の真琴と別れ、被疑者として忌避されて町を追われたという過去を背負っている。また、「冬雷閣」は代々鷹を崇めており、真琴は「冬雷閣」とは縁続きの<鷹櫛神社>(大祭のために鷹匠が必要)の巫女で神楽の名手という"鷹尽くし"の物語である。即ち、"鷹と怪魚"伝説に依って、「冬雷閣」と<鷹櫛神社>とが一心同体でこの港町を支配しているのである。そして、遺体の第一発見者は真琴である。 代助の小~高校生時代の回想譚で上述の港町の事情及び代助と真琴の事由が分かるが、大きな出来事は義弟が産まれた事である。義弟というよりは「冬雷閣」の跡継ぎであり、代助の立場が揺らぐ。そこで、義弟の失踪の際、代助が被疑者となって話が冒頭に繋がる。ここまで読んで、この程度の因習なら全国各地の漁村に存在するであろうし、誘拐殺人犯が存在するならば(誰でも)「***」だろうと思う。ある意味では、「***」は本作の中心人物なのである。 代助という名前が示す通り、本作は漱石「それから」をモチーフとしている。即ち、誠実だが優柔不断で女性問題を起してしまう"諦観した"高等遊民の物語。代助は高等遊民ではないが"諦観した"根無し草という点で同一。それにしては心理小説として練れていない。ミステリ的な出来の悪さが目立つ安手のメロドラマという印象しか受けない駄作だと思った。 | ||||
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