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冬雷
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冬雷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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おどろおどろしい因習と住民だけの隠し事、閉鎖空間、警察や科学捜査の不介入、異次元からの侵入者、都合よく協力してくれる地元の反逆者、なんとなく示唆される犯人捜しのヒント、などなど少年時代に文庫本、映画、TVドラマで味わった「横溝ワールド」を「リスペクトして、インスパイヤされたオマージュ」という感じです。 もちろんひじょうに巧みな作家さんですので伏線、小道具には無駄がなく、最後の最後には救いと希望があるところが秀逸でした。 | ||||
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ヒロインが何を考えているかわかりづらい。代助は主人公ですが、不遇な身の上。二人が相愛しつつ、結ばれない過程が丹念に描かれていて、かなりしんどい。さらに、鷹匠と巫女が故郷で殺人事件に絡むという、わけのわからない設定。設定を理解するだけで、半分以上物語が進む。そんなに長いわけでもないのに、じっとりと湿気を含んでいて、良くも悪くも日本的なミステリ。でも、暗いムードの中にも、清浄な流れがあり、悪くはなかった。悲恋ものかと思ったんですが。。ただ、結末が妙にスッキリしませんでした。 | ||||
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伝統のある大祭を舞台に、実らない恋や不倫等、男と女たちの不幸なストーリーです。誰が犯人なのか?と追求して行くよりも、登場人物たちの心理描写そのものを味わいながら読んでもらいたい。 この作品の特徴は、ひとりひとりの登場人物の心理描写・感情描写を丁寧かつ鮮烈に、分かりやすく読者に伝えていることです。よって、微妙な心情や感情の起伏が手に取るように伝わってきます。 著者の筆力をまじまじと感じる傑作です。他作品も是非読んでみたいです。 | ||||
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本来伝統とは、人々の幸福を願ったり不幸を祓うための手段であるはずだ。 ところが次第に伝統を遂行すること自体が目的となり、伝統が人々を縛り付けてしまう。 本作ではその様な伝統が呪縛と化した町が舞台となっており、独自の慣習や閉塞感などが見事に描写されていた。 また、義弟の死の真相を追うにつれて、町の伝統の秘密も次第に明らかになっていく展開や 便箋のイラストのズレ、日記の記載内容といった些細な違和感が新たな謎を呼ぶ展開も見事だった。 本作は、独自の慣習や迷信が蔓延る町や村を舞台にしたミステリーと一線を画す。 それは、主人公を中心とした町の伝統に翻弄された人々のヒューマンドラマ的要素がメインとなっているためである。 伝統を盲信し事なかれ主義を貫く町の人々の描写や、伝統の犠牲になっていく主人公の心理描写や感情描写が素晴らしい。 そして、伝統やしきたりに翻弄される主人公を描くことで、血縁関係や親子関係といったテーマも内包していた。 主人公の出自や、町の伝統に関わる権威の血統がそれらのテーマに奥行を与えていた。 著者の筆力により、本作の主人公にとても感情移入してしまった。 主人公の今後をここまで案じてしまうのは非常にまれな経験だ。 著者の作品は二作しか読めていないので、他の作品も是非読んでみたい。 | ||||
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