「恋しくて恋しくて、その分憎くて憎くて、誰かを殺さなければとてもこの気持ち、収まらないと思った」―切なすぎる結末が、最高の感動をよぶ物語。

古い井戸から溢れだす水は“雁木亭”前の小路を水路に変え、月光に照らされ小舟が漕ぎ来る。

十五年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が幼くして死亡した。

夫以外に、恋い焦がれる人がいる。梨園の御曹司、岩井芙蓉に嫁ぎ、充実した日々を送っていたはずの美咲。

いっぺんしか願いを叶えない神様を探す少年とその友人の奇跡を描く感動の表題作「いっぺんさん」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」とその後日譚「磯幽霊・それから」、山奥の村で、ほのかに思いを寄せた女の子に起きた出来事「八十八姫」など、じんわり

しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べ始める。

表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。

生まれ育った町・尾道で綴ったミステリ、ファンタジー、童話が一冊に。

ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。

ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」全編に、新たに五つの新作を加えた珠玉の作品集。

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

吉原に幽霊が出るという噂がたった。幽霊が出た後には必ず縮緬細工のほおずきが落ちているという。

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。

遠い昔の思い出や、幼い頃に聞いたお伽噺、切ない恋の記憶…。

池袋の繁華街。雑居ビルの空き室で、全身二十カ所近くを骨折した暴力団組長の死体が見つかった。

遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。

江戸時代のこと――。

同級生の謎めいた言葉に翻弄され、担任教師の不可解な態度に胸を痛める翠は、憂いを抱いて清海の森を訪れる。

北から南へ、そして南から北へ。

キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。

「いいよんさんわん」―近所に住む老人から託されたという謎の探求書リスト。

全てはラストで覆る! 強烈な余韻があなたを襲う5つのミステリ 死後の世界と禁忌の谷に心を囚われた少女の物語「見返り谷から呼ぶ声」 村で凶兆があるたび若者が捧げられる図書館の秘密「千年図書館」 地球侵略中の異星人に遭遇した大学生の奇妙な日々

自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら、何故か冷たくあしらわれ…、文学賞の贈呈式では、当日、会場に受賞者が現れない…!?新人出版社営業部員の井辻くんは、個性的な面々に囲まれながら、波爛万丈の日々を奮闘中。

激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化

フリーライターの真以が書斎がわりに使う、東京郊外の寂れたファミリーレストラン。

「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」―若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが…。

「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。

駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

書店員がその年一番売りたい本を選ぶ書店大賞。今夜はその授賞式。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。

小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。

元プロゴルファーの殺害を震源に、複数の死者や行方不明者が周辺にいると判明して事件は多層化、松谷警部らを翻弄する。

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。

川崎で起きた殺人事件の現場に遺されたDNAが指し示すのは、十八年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件の“冤罪”の可能性……。

正月特番用のバラエティ番組収録中、巨大迷路内でタレントが殺された。

地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館“アフロディーテ”。

人気デザイナー・橘修伍の元に、怪しげな男が訪ねて来た。芝居の舞台美術を依頼したいと言うのだ。

極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

文化大革命で父を惨殺され、人類に絶望した科学者・葉文潔（イエ・ウェンジエ）。

2020年、研究者の工藤賢は死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。モデルは美貌のゲームクリエイター、水科晴。

教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。

中学一年生の海月は幼なじみの樹絵里に誘われて、「飛行クラブ」に入部する。

日本推理作家協会賞受賞!心に刺さる連作短篇集 島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。

母と娘。二種類の女性。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。