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ネジ式ザゼツキー
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ネジ式ザゼツキーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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島田氏の作風は「暗闇坂」以降、冒頭で大風呂敷を広げ、以後、牽強付会を重ねて辻褄を合わせると言う"コジツケ小説"にパターン化してしまった。本作もその例に漏れない。「眩暈」と同様、一時的記憶障害を持つ男が語る謎の世界を解明すると言う内容で、「眩暈」では「アルジャーノンに花束を」形式の手記が対象だったが、本作では男が書いた童話「タンジール蜜柑共和国への帰還」が対象。以下、問題点を挙げてみよう。 (1) 御手洗のみ原語で童話を読んでおり、読者には「タンジール蜜柑...」と言う変な日本語訳で紹介される。読者にも初めから「Tangerine」と示してくれれば、ビートルズ・ファンなら御手洗と同程度の推論が可能である。即ち、御手洗の優越性を強調するための作者の狡猾な細工なのである。この意味で、童話は全て英語で記すべきだったろう。また、「Sun King」は歌詞だけでなく曲名なのだから、正確に記述して欲しい。それにしても、Johnの曲なのに男の名がマーカットとは...。 (2) 男の記憶が3層に別れると断定しているが、これに対する科学的論拠が示されないし、また示せる筈がない。人間の記憶のメカニズムには未知の部分が多いのに、御手洗一人が何故記憶の構造を確定出来るのか ? 御手洗は何時世界一の脳医学者になったのか ? (3) ルーシーの発見は史実。ザゼツキーは架空の人物。即ち、史実と虚構を混在させており、童話(虚)→ルーシー(実)→ザゼツキー(虚)と言う本作の本流が受容し難い。読者のためのミステリと言うよりは作者の趣味で書いている感が強い。 (4) ゴーレムとネジとの関連が希薄で、主題が霧散しているし、事件の推理が相変わらず偶然性に頼ったもので説得力が皆無。 ミステリと考えず、誇大妄想小説として読めば、それなりに楽しめる作品であろうか。 | ||||
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コンセプトは「眩暈」と同じようなもの。脳科学と一見幻想的な殺人事件の絡みを行い解決をはかるというもの。しかし、肝心の「蜜柑共和国」の現実的な解明が乱暴にかつ短絡的に終始している感が否めなかった。「眩暈」ではファンタジーすべてが現実的に説明できている鮮やかさがあるのに対し、こうした幻想創出手法が許されるのならばなんでもありだろう。もう少し現実と幻想との融合を読者に納得させるほどの事実論理性を出してほしかったように思う。 | ||||
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