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ネジ式ザゼツキー
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ネジ式ザゼツキーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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島田荘司にしか書けないグロテスク&シュールなメルヘン世界。タイトルがまた素敵。何だかワケの分からないうちに本の終わりの方まで辿り着いてしまうんだからこの人のパワーは凄い。感じとしては同じ著者の「眩暈」路線か。それを最近の御手洗潔の環境で書くとこういう風になるんでしょうか。簡単には説明できない展開だけど、島田幻想ワールドにどっぷり浸ってください。 | ||||
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いやあ、さすが島田荘司、ケレンみたっぷりの大仕掛け&どんでん返しは健在です! 島田ファンならば……いや、本格ミステリーファンならば要チェックの一冊でしょう。ただ、あえて言わせてもらうならば、ビートルズ・ファンには初めのころからネタばれの部分もあったりするので、その分星ひとつ原点。残念! | ||||
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島田作品は初期の有名どころ(「占星術」「斜め屋敷」「奇想、天を動かす」他)しか読んでいない私にとって、本作品はまずますの面白さでした。「占星術」「奇想」ほどの衝撃はありませんでしたが、これらの傑作と比べるのは酷というものでしょう。(それにしても最近の島田作品てそんなに面白くなかったのでしょうか?)けれども、絶対にあり得ないと思える謎を提出しておいて、最後には合理的な(時には強引な?)説明をつけてしまう島田節は変わらずで、見事なものです。本作品のポイントは「奇妙な死体」なのですが、その奇妙さはまさに超絶的で、しかも完全に合理的な(つまり狂気や猟奇性のせいにしない)説明がつきます。真相を読むとなぜこれを思いつかなかったかと思ってしまいますが、そういう意味では良いミステリだと思います。読者をミスダイレクトして、より不可能さを際立たせる仕掛けが巧妙に張り巡らされているのです。よくできたマジックと同じですね。個人的に残念だったのは、真相解明においてミタライの推理を聞けるのが途中までで、あとは関係者の証言によって真相が分かること。推理がどんどん飛躍していくあたりは非常にスリリングだったのに、いきなり淡々と回想で種明かしされるので盛り上がりに欠けました。あのままミタライの飛躍する推理で怒涛の如く真相まで突き進んで欲しかったです。「タンジール蜜柑共和国」のファイタジー部分もあまり面白くなかったです。ところで横書きと縦書きが錯綜する本書ですが、最後の謎解き部分が縦書きになっていたので、これは叙述トリックか?と身構えたのですが、そうではなかったようなので拍子抜けしました。あれは意味があるのでしょうか。それから「ゴーレム」の章も何か仕掛けがあるかと思っていたらあんまりありませんでした。そんなこんなで星三つです。 | ||||
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御手洗シリーズ最新作。横・縦・横・縦のシュールな島田ワールドが展開する。まさに21世紀の『眩暈』とも言える作品になっている。考えてみると横書きを使ったのは途中で英語表記を多用するのに違和感が無いようにする意図もあったのだなと後で気がついた。圧倒的な彼のイマジネーションは、今やノーベル賞作家になった大江健三郎の『万延元年のフットボール』・『空の怪物アグイー』あたりのそれすら思い起こさせるほどである。最近『占星術殺人事件』も英語版が出たようだが、本作など英訳されれば、かなり高い評価を海外でえてそのままノーベル文学賞に結びつくのではないか、と感じさせるほどの出来栄えだ。既にミステリーの分野を突き抜け、文学として最高レベルに到達していると思う。海外へ向け英語版の出版を切望する。 | ||||
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御手洗氏の過去にも私生活にも全く興味がない私には、最近の「御手洗もの」にはがっくりで、もう島田作品は買うまいと心誓っていました。しかし、やってくれました!すっごく面白くて、休みを1日かけて読みきってしまいました。久々に大ヒットです。とにかく面白かったです。この作品は、私が思うに、「眩暈」の外国版と言えるのではないでしょうか。決して悪い意味ではなく、趣向が似ていると思います。「眩暈」と同じく、時間と空間を越えた壮大なトリックはまさに島田荘司ならではのスケールです。緊縛した状況で、人間が見せるギリギリの判断・心理が生む奇想天外な「現実」、これが島田小説の醍醐味だと思います。この「ネジ式ザゼツキー」も、まさにこの島田ワールド全開で、島田荘司の本格ミステリが健在なことを示してくれました。次回作も楽しみにしています。 | ||||
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御手洗シリーズの醍醐味は、冒頭で提示される奇想で独創的で不可解な謎が、エキセントリックな天才探偵の明確な推理で完全に解決される爽快さにあると思う。もちろんそうではない作品も多数あるが、『占星術殺人事件』から始まる御手洗シリーズの主要な作品は、全てこの気持ちよさこそがその持ち味だ。作者の持つ文明観や日本人論も必要な味付けだし、石岡君とのやりとりも大切な要素なのは言うまでもないけれど。この作品は、今までの御手洗シリーズの中での一、二を争うほどの奇抜な謎「タンジール蜜柑共和国への帰還」と言うファンタジーが実際にあった事実だと言う話から始まる。快刀乱麻を断つごとく次々と解明されていく過程は、気持ちよいくらいの爽快さだ。全ての謎が過不足なく読み解かれ、同時に登場人物逹の思いが心に届く。鼻につく時も多い文明観や日本史観が謎解きの後ろにほどよく納めら、不可解な謎とその推理と言う本質が正面におかれているので、御手洗シリーズの中でのベストに入る気持ちよさだ。騙されたと思って、ぜひ騙されて欲しい。そしてずばっと謎が解明されていく瞬間を楽しんで欲しい。追記:巻末のエッセイは、入れたい気持ちは分かるし、本格に対する作者の想いも伝わるが、ここに掲載される必要はなかったのではと思う。ボーナストラックだと思えばちょっと得した気分にはなるけど。 | ||||
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ここのところの島田作品には、御手洗潔の幼少時代の事件や、石岡君しか出てこないものが多かったので、久しぶりに御手洗本人が登場し、謎を解決する、というこの作品の登場が大変嬉しかった。話の内容は、謎が謎を呼ぶ、というような複雑さがなく、それでいてドキドキさせられる展開。あっという間に読み終えてしまえるほど流れのよい作品に仕上がっています。そして一番の推薦点は、読み終わってすぐに、全ての謎が解決できるという後味のよさ。本格推理にありがちな、「え?これはどうなったの?」「あの人はなんだったの?」というような分かりにくい複線がなくて、読み返すことなく、気分よく読了できます。おすすめの作品です。 | ||||
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●御手洗ファンの私に待望の新作です。ストーリーは今までの専門的な知識を用いて謎を解く、という感じではなかったのですが、一度読み始めたらすらすらと読めてしまいました。結末はまあ、予想通りの展開といえばそうなのですが、おもしろかったですし、独特の世界観に引き込まれてしまいました。個人的には石岡君が出てきてくれたほうがいいなあとは思うのですが。もうでてこなさそうにないですね。今後御手洗がどう活躍するのかが見物です。 | ||||
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この話は、御手洗のリアルタイムの活躍記録である。御手洗は、スウェーデンのウプサラ大学で、脳の研究を行っているドクターという設定となっている。記憶喪失の男が書いた「タンジール蜜柑共和国への帰還」という童話から男の過去を探り、事件解決まで導くという話である。正直に言って、読んでいて非常に楽しかった。まず、タンジール蜜柑共和国への帰還という童話そのものが、非常に奇妙で、魅力的な話である。その奇妙な話の中に、真実を見つけていく過程はわくわくするし、最後の解決もきわめてすっきりしているし、心温まる解決となっている。最近の御手洗ものの中で出色の出来であろうと私は思う。 | ||||
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