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消える「水晶特急」
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消える「水晶特急」の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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この作品は、まさしく島田荘司の基本である、 ・まず、ありえないくらいの奇想がある ・その奇想をいくつかの別の奇想が加わり、より深い奇想になる ・それを最後には論理的に帰結させてしまう が、ほぼ完全なカタチで完成している。 しかも、かなり凝った伏線が随所に張られていて、それが最後に一挙に収束するのはかなり気持ちが良い。作品としては、同じ登場人物が登場する『消える上海レディ』を先に読んでしまっていたので、夜片子が助かるであろうことは予想できた。何しろ凄い筆力だ。 この作品は、光文社からリリースされているので、吉敷が登場していて、スゴくいい味を出しているのだが、『消える上海レディ』は角川から出しているので、吉敷もミタライも使えず、島田荘司は苦労していた。当時、講談社→ミタライ、光文社→吉敷、というふうに張り付いていて、出版社を超えて主人公を持ち出せなかった。 そういった出版社がらみの制約が初期の島田荘司には溢れている。 この作品は、まだ映像化されていない。これはホントに映像化したら、素晴らしいものが出来上がると思うのでぜひ実現してほしい。ただ、日本で無い場所での映像化では、この作品の本質に迫れないと思うし、リアルではかなり大掛かりなセットになってしまいそうなので、CGを駆使した映像ができれば、良いなぁ、と思った。 これは読み逃さなくて良かった、と思える傑作だった。 | ||||
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吉敷刑事の登場シーンが良かったんだよなぁ、これは。 さらっと読み進めていたら、ふっと電話の声が。 「あれ?これ吉敷さんだったの?」って、分かってからまた戻って読み返しました。 犯人とコンタクトをとるんだけど、その前に喋ってたやつだと埒があかなくて、替わったんじゃなかったかな、たしか。 吉敷さんのキャラクターってのが私は好きでね。 この作品ではないけれど、最愛の女性、通子さんのことで取り乱したことがあったんだ。 「こんなとき、男は紳士ではいられなくなるんだ」みたいなことを、言ってたんだよね。 印象に残っている。時として、なりふり構わず女を守れるカッコいい男なのさ、吉敷刑事は。 | ||||
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この作品の主人公は二人の女性記者です(親友同士)。 片方が水晶特急で猟銃男の人質にされ、もう片方が親友を乗せたまま消えた水晶特急の謎に迫るという形式です。 吉敷がほとんど登場しないと聞いていたので不安でしたが、思いのほか出番が多かったので安心しました。 前半は退屈でしたが、水晶特急が線路上から消え失せてからは怒濤の勢いです。島田荘司作品を読んでいる方は何度も経験していると思いますが、あのページをめくる手が止まらない感覚を味わえます。 また女主人公と吉敷との間にロマンス?な雰囲気があり(灰の迷宮でもあったが)、それがこの作品のいい味付けになっていました。事件の真相やトリックも申し分なしです。 この女主人公を他の作品でも見てみたいですね。 | ||||
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一応吉敷刑事が登場しますが、今回は女性記者が主人公となっており、番外編と言った方がいいでしょう。80年代中期の空気感を醸し出す軽いタッチのミステリーですが、列車消失トリックをメインとした息もつかせぬ展開はこの時期の島田氏ならではで、最後まで一気に読ませる。大がかりな前半の謎も真相が分かると何だ・・って感じですが、これが島田ミステリーの魅力とも言える。 | ||||
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『水晶特急』という列車が消える話です。 今まで、ミステリの中の一分野、「列車消失もの」は『スティームタイガーの死走』や『ミステリ・オペラ』などを読みましたが、今作の列車消失トリックは、ずば抜けて素晴らしい出来でした。でっかい列車が、本当に跡形もなく消えます。読んでいて、本気でトリック(真相)が、見当つかなかった。色んな可能性を考慮しては、論理的に否定していく展開。不可能性極まる状況で、解決するのか!?とまで思いましたが…。謎が明かされたら、ガツンと来ました。素晴らしい! あと、列車が最後に確認された瞬間のある『謎』が、読んでいる間、どんな意味を持つのか分からなくて、どきどきしましたが、ラストを読んで喝采を叫びたくなりました。大納得! なんて面白い本格ミステリなんだろう! | ||||
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本作は吉敷ものだ。 しかし、彼はほとんど登場しない。 主人公は別にいる。 たぶん、出版社が光文社ではない、ということが大きいのだろう。 しかし、吉敷が登場せず、若い女性がメインとなることで、著者には珍しい、フレンチ・ミステリ風味のようなものが漂っている。 消失ものであり、そのインパクトは消えるものが大きいほど、不可能興味を掻き立てる。 本作はタイトルの通り、特急列車が消失する。 それ以上は、読んで確かめて欲しい。 主役が女性である分、普段の吉敷ものよりも、サスペンス度合いが大きい。 感情移入もしやすいから、ストーリーにものめり込める。 すると、ラストの意外性のインパクトが大きくなる。 本作執筆の頃、著者は吉敷ものを続けて刊行していた。 一方、御手洗ものはほとんどなかった。 だから、御手洗ものに使いそうな大技を、この当時は吉敷もので結構使っていた。 「北の夕鶴〜」なんかもそうだ。 本作も、作風に少し変化・工夫があるが、意外性など、なかなかいい味のミステリである。 | ||||
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あっという間に消えてしまった水晶特急。他の人も書いてるけど、たしかに西村京太郎のミステリーっぽい感じ。このトリックは、島田のオリジナルかな??知らないけど、見事に騙された。ただ消すだけではなく、そこに電車ジャック事件を絡ませているところが、島田らしく味の利いたプロットだと思いました。これも吉敷シリーズになるのだけど、けっこう吉敷の出番は少ないですね・・。ほとんどが、友人が行方不明になって嘆いているヒロインの島丘嬢の目で進むので、いつもの吉敷の目で進む物語とは、ちょっと違います。島丘が吉敷に抱きついたりしてるんだが、そのあたりの乙女心がよく理解できないな。 | ||||
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列車強奪事件の陣頭指揮を執ったのが吉敷竹史刑事でなく、島田荘司のもう一つのシリーズに登場する名探偵御手洗潔であったなら、全面ガラス張りの「水晶特急」は消失し得なかったであろう。吉敷竹史シリーズとして位置づけられる作品だが、彼の登場する場面は少ない。「水晶特急」が消失するまでは乗車していた女性誌記者夜片子の、消失してからは同僚の弓芙子の視点で語られる。「事件が複雑にみえるのは、複数の事件が重なってみえているから。」というのは御手洗潔の持論だが、吉敷竹史の登場を少なくすることでこの作品は成立している。家屋消失というミステリ定番のテーマを越えた列車消失の奇想天外な大トリックと結末。因みに、女性誌記者夜片子と弓芙子は「消える上海レディ」で再登場を果たしてる。 | ||||
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列車強奪事件の陣頭指揮を執ったのが吉敷竹史刑事でなく、島田荘司のもう一つのシリーズに登場する名探偵御手洗潔であったなら、全面ガラス張りの「水晶特急」は消失し得なかったであろう。吉敷竹史シリーズとして位置づけられる作品だが、彼の登場する場面は少ない。「水晶特急」が消失するまでは乗車していた女性誌記者夜片子の、消失してからは同僚の弓芙子の視点で語られる。「事件が複雑にみえるのは、複数の事件が重なってみえているから。」というのは御手洗潔の持論だが、吉敷竹史の登場を少なくすることでこの作品は成立している。家屋消失というミステリ定番のテーマを越えた列車消失の奇想天外な大トリックと結末。因みに、女性誌記者夜片子と弓芙子は「消える上海レディ」で再登場を果たしてる。 | ||||
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消えるシリーズです。吉敷刑事が脇役ながら渋い刑事で出ています。主人公は別にいますが、トリックもすごいけど、見破る吉敷刑事もすごいです。何故か列車が恵比寿駅を通過!!夢でも見ているようにバラバラと事件が解決していく姿は感動的です。お勧めです。短いですし、上海レディーにも続くので、こっちを先によんでください。 | ||||
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