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(短編集)
ぼっけえ、きょうてえ
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ぼっけえ、きょうてえの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全174件 121~140 7/9ページ
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凄みのある語り口と この物語の時代背景の濃厚な暗さ、 じめじめと陰惨な空気感がたまりません。 表題作も良いですが 「あまぞわい」が民間伝承の要素もあって面白かった。 また、表紙の女性の絵は、書下ろしではないようですが この陰のある微笑みぐあい、 主人公のイメージにあまりにもぴったりです。 | ||||
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岡山弁は知る人は多いのだろうか? 岩井志麻子によって少しはその知名度を高めたのではないだろうか? 表題作の「ぼっけえきょうてえ」は、秀逸である。ただ怖いだけでなく、畳みかけてくるラストが凄 い。土俗的な背景からじわりじわりと恐怖が滲み出してくる。その恐怖の源に焦点の合う瞬間はとても怖い。 しかし、本当に怖いのは何か?人間のエゴイズム、怨み、妬み・・・作者はそれを承知しているのだろう。 他の短編「密告函」「依って件の如し」についても、人間関係の暗い部分がとても生々しく描かれて いて怖い。作者は夫婦の間にも、親子の間にもそれを見つける。 | ||||
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初めて読んだときにびっくりするホラー小説があります。 怖くて新しい。 たとえば「リング」。 映画化される前に、あのストーリーのダイナミックさとが、 ホラーファンの間で「怖い!」と評判になっていました。 本作も怖くて新しかった作品です。 出版されたときに評判になったことを覚えています。 「土着の怖さ」を前面に出す作風。 ストーリーのラストを落とすプロットの見事さ。 口語で岡山の方言による文体。 そして死とエロスをうまく組み合わせる、 ホラーの王道を押さえています。 下品でありつつ、荒唐無稽ならず、 読者の想像力にグサッと突き刺さる視覚的な表現って、 なかなかできません。 本作以降の岩井氏の名作は数多くありますが、 その原点(死とエロスの融合)は、 この「ぼっけえ、きょうてえ」に見ることができます。 | ||||
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僕が初めて読んだ怖い、気持ちの悪い小説です。 エロスとホラーが混ざり合っている部分もあったりして、 なんともいえない恐ろしい空気を感じました。 風景が鮮明に脳内に見えてきますので、 そこは、「ああっすごいな」と思いました。 人間というのは環境によって ここまで醜くなってしまうのか、 という描写もありまして、それはそれは痛烈に 感じました。 意外にも僕自身が、 こういったカテゴリーの作品が好きなんだな、 と思わせてくれた作品でした。 | ||||
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表紙にひかれて買いましたが 一番恐かったのは表紙だったんじゃないかと。。 表題作の遊女の話は日本昔話に出てきた妖怪と変わりないし ポイントは方言で書いてあるところでしょうか 内容自体はホラーと言えるものでもないけれど方言で怖さを出している感じ | ||||
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四篇の短編集であるが、表題作の「ぼっけえ、きょうてぇ」だけが、 岡山弁を交えた語り口調で描かれる。この表題作の凄味は尋常ではない。 「ぼっけえ、きょうてぇ」とは、岡山弁で、とても怖いという意味らしい。 ここで語られる内容は、怖いというより、壮絶だ。 一方、語り口調の文体にも酔ってしまう。 語り手は、必要以上に自分を卑下している印象だが、 明治時代の事だから、現代の物差しでは量れない。 しかし、この壮絶さが怖い。 そして、切ない。 文章に酔える作品だ。 絶賛したい。 | ||||
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代表作の「ぼっけえきょうてえ」読んだ直後は、こういう怖さも好きだな、と思い。驚いたのは数日たってもこの作品に漂う独特の「怖さ」が全然色あせないって事でした。読んでいるときや、読後すぐは色彩豊かとは言いがたい作品だけど、日が経つに連れ、作品の色彩が鮮やかに蘇ってくる不思議な作品でした。 | ||||
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<(^▽^ 何話が 収められているのですが、 ホラーらしく ほら 後ろにいるよ的な所で 止めてあります。 一番の問題は、方言(?)で 書いてあるので、 一体 何を 言っているんだろう?と 途中で 読んでる側の 想像力が 途切れて しまうことですかね。 口に出して 読んでもらったのを 聴いた方がきっと 怖いと思います。 | ||||
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怖い話の中に、女にしかわからない女の本当の心が描かれています怖いけれど泣けます女というものは、そういうものなんじゃ。と・・・ | ||||
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赤貧と死と近親相姦のお話(集)です。 スーパーナチュラルな要素を用いなくとも 特に派手な何かが起こらなくとも じわじわと真綿で締められるような怖さ。 語りが怖いッス。 囚われ人の、回避不能の恐怖と気だるさ。 うーん、死とエロは近い。 | ||||
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並み居る長編を蹴落として短編で大賞を受賞した力作。個人的に怪談話が大好きで、女郎の寝物語を軸に据え、聞かせる身の上話はアクが強くて素敵。作者ご本人も下品で気色悪く素敵な方。是非とも購読を。 | ||||
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岩井志麻子さんの作品としては一番好きです 表題作のぼっけえ、きょうていは岡山のある女郎の一人語りですが彼女の壮絶な半生を淡々と語るところがとても印象的です 他にもあまぞわい や、依って件の如など良い意味で岩井志麻子さんらしい作品でとても楽しめました | ||||
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なんだかどろどろした感じで、暗い、かつ、猥雑でどこかユーモアを孕んだ雰囲気でした。 面白かったです。人によってはとても不快に思う表現もあると思いますが…。 不快でも大丈夫だ、という人が読んだ方が良いと思います。 映画版は拷問シーンが印象的で、より鮮やかな仕上がりです。 | ||||
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“ぼっけぇ、きょうてぇ”とは岡山地方の方言で、“すっごく、怖い”という意味だそうです。 圧倒的な筆力で、短編でありながら第六回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞するという快挙を成し遂げたホラー史に残る傑作。 言葉の隅々にまで神経が行き渡り、琴線の上を歩くような異常な緊張感を最後の一文まで貫いて下さいます。 舞台は、明治後期の岡山。遊女が客への寝物語りに、自分の生い立ちを聞かせています。 女の一人称、柔らかな岡山弁で語られるその内容は、その時代に生きていたのではと思うほど細やかで、背景が目に浮かぶほど。 どんどん明るみになる女の凄惨な生い立ち、容貌に隠された驚愕の秘密。 これほど短くて、これほど怖くて、これほど面白い話は、他に類を見ません。ホラーというよりは怪談に近いかもしれませんね。 かなり救いのない話ですので、鬱に入りやすい方やモラリストの方にはお薦めできません。 しかし主人公の特殊性を除けば、それがかつての日本の姿そのものだと思います。 土俗的な因習、悪習はほんの少し前の田舎にも残っていて(私の生まれもそうでした)、その姿を知っている者には、かつてないほどの恐怖と共に、ある種の郷愁を感じさせます。 この退廃的な話から面白さを読み取れる、ホラー上級者にのみ読んでいただきたいです。 | ||||
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どの物語にも共通して漂う独特の陰鬱さは、やはり文体と岡山弁にあるんでしょうね。読み始めると本能的な嫌悪感、違和感が生じてきて、読んでいく内に怖い!という感情に変化していくように感じました。 | ||||
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表題作他3編の短編集であるが、いずれも「岡山県」を舞台にした因習の厳しい田舎を描いている。その4編は、どちらかと言うと、「怪談」のイメージを強く感じる。言葉も方言を上手く使って、怖さを助成している。特に、一作目の「ぼっけえ、きょうてえ」は、タイトル自身をひらがなで方言そのものを持ってきており、それだけで、不可思議な何かを感じさせてくれる。実際、読み始めても、その雰囲気をそのままに感じさせてくれる作品になっている。 小品ながら、4編ともなかなか面白い作品になっている。 | ||||
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評判に期待して読んだけど、ハズレだった。 貧困、間引き、近親相姦・・・因習に閉ざされたムラでの過酷な生い立ちを、女郎の寝物語として岡山弁でつづる、というスタイルは確かに悪くない。 でも、読んでても怖くない。この女郎はしゃべりすぎる。怖い話にしたいなら、巡査への想いや小桃の極楽行きは不要だし、社会の底辺を鬼となって生きる女の業を描きたいなら、姉のことなど省いたほうが良い。 テーマもジャンルも違うけど、前近代的な貧しい農村の常識の怖さ、という点では「楢山節考」の方が怖かった。登場人物の誰一人として、「ムラの常識」に疑問を持っていなかった。食料を盗んだ隣人一家を皆殺しにしたり、高齢になった母を姥捨て山へ連れて行く、というルールを当然のこととしていた。だからこそリアルだし、人物描写も引き立っていた。 だが、この女郎は、自らの人生を「ひどい、陰惨だ、怖い、非常識だ」と感じている。自分は地獄に行くだろう、と思っている。私たち現代人と同じ感覚で語っているから、全然怖くない。 他の3編も、題材もさほどではないし、そもそも文章がくどい。そのくせ状況描写がわかりづらい。これで山本周五郎の名を冠した賞を受けているというのは、ちょっと納得いかない。 | ||||
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血と汚辱にまみれた地獄道…。 今宵、女郎が語り明かす驚愕の寝物語。 レビューにそうあるこの本は、6年前から私の本棚に並んでいる。 お隣の県、岡山ではとても恐いことを「ぼっけえ、きょうてえ」と言うそうだ。 そして、そのタイトル通り「きょうてえ」物語が書かれてあった。 99年に第六回日本ホラー小説大賞をとったときのことを覚えている。とにかく、誰もが絶賛していた。 「本当に恐い話というのは、こういう作品のことを言うのだ」 と審査員の誰かが書いていた。 私は、自分と年齢も住所も近い作者に羨望を含んだ興味を抱き本を手にした。 恐い、というよりもあまりに哀しいその話を読んだ晩は一睡も出来なかった。 痩せた土地しかない貧しい寒村、売られて女郎になるしか道のない娘、 生まれたときから抱えてきた孤独と絶望、当たり前のように持っている残酷な心… 読み終えたときに「もう、二度とこの本は読まない。」そう心に決めた。 「ぼっけえ、きょうてえ。」から得られるものは何もないと感じたからだ。 たとえ、娯楽小説でも官能小説でも、読み終えたときに私は何かを求める。 知識かもしれないし、感動かもしれない。 希望かもしれないし、小さな諦めかもしれない。 自分自身に「何か」を残したいと思ってしまうのだ。 何度読んでもそのたびに異なった「何か」を授けてくれる本もある。 同じ「何か」を感じたくて再び手に取る本もある。 私にとって読書とはそういうもので、 「ぼっけえ、きょうてえ。」には、それが何もなかったということだ。 一縷の望みも救いも何もない、そういう話だった。 | ||||
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ぼっけえ、きょうてえ 岡山弁で「とても怖い」。そう銘打って語られるからには、本当に怖くなければ読者は納得しないだろう。 岡山の寒村で育った女郎が語る身の上話という手法が巧みで、暗くて湿った世界が禍々しく展開される。 その世界にどっぷり浸かったところで最後に鎌首をもたげる恐怖といい、申し分ない。このタイトルは、著者の自信の表れだとも思う。 密告函 流行り病に騒ぐ寒村と村はずれに住む怪しい女の存在。それに翻弄される主人公が行き着く先は・・・。 あまぞわい 海の伝説「あまぞわい」を巡る女の物語。恐怖を演出する手法が秀逸。 異形のものは明確な姿を現す前の予兆が一番怖い。 依って件の如し このタイトルも秀逸。 これを読んだ後は、「件」という字に、今までとは違った印象を抱く。 四作品全てが岡山の寒村に根付いた、いわば土着の怪談。 貧しく閉鎖的な世界、現代社会とは異なった空間で起こる事件とそこであらわになる人の醜さ。一番怖いのは、やはり人間だ。 | ||||
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遊郭の女郎の語りで物語は進んでいく。 心理描写がとにかく逸脱しています。目の前に景観がそのまんま浮かび上がって来ます。 ぐいぐいと引き込まれる様に読破してしまいました。 オムニバスで他にも3編ありますが、一番はこれ、タイトルにもなっている「ぼっけえ、きょうてえ」! 「ぎゃぁ!!怖い!!」と言う感じではなく、じわり、じわりと恐怖が押し寄せて来る。 心理的な怖さですね。 著者である岩井先生の地元、岡山弁での語り口であるのがまたインパクトもあっていいのだろうと思います。 自分自身も女ですが、それでも「女って怖い」と思ってしまいました。 斬新です。 ただ怖いだけではなく、人間の儚さ、脆さなども伝わって来ます。単なるホラーではありません。 岩井先生、恐れ入りました・・・。 | ||||
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