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さむけ
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さむけの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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ロス・マクは米ハードボイルド界を代表する作家である。本作も新婚早々の妻が失踪するところから始まり、典型的なハードボイルドの展開を見せる。読者もそのつもりで読んで行くと、最後に本格の趣向が待っているという凝りに凝った構成の作品である。題名の「さむけ(chilling)」は舞台の気候条件も表しているが、同時に最後に明かされる人間関係に対する読者の感想でもあろう。本当に震えが来る。また、この人間関係がR.ニーリィの「心ひき裂かれて」に酷似しているのもアメリカの病巣を露呈していて興味深い。ハードボイルドと本格とが見事に融合した傑作である。 | ||||
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本書は素晴らしい。 かつて、こんなに本格に近づいたハードボイルドがあっただろうか。 いや驚きはそれだけではない。本書の扱っているテーマには人間の弱さを見せつけられてしまった。 親と子の悲劇。次々とあらわれる登場人物たちの内面には、悲劇がすみついているのだ。 これほど大胆に展開する人間のエゴをぼくは知らない。本書の真相は戦慄そのものである。 ぼくは、本書のラストを読んでいて、ふと「サイコ」を思い出してしまった。壊れてしまった頭はとりかえることができないのだ。いや、本書の犯人は壊れた頭をもっているのではない。愛のかたまりと化して、もろくも崩れさろうとしている人間自身の弱さを内に秘めているのである。 本書の悲劇は悲惨ながらもなぜかしら暗さがない。 マクドナルドの作風は一般的に荘重で陰鬱だといわれ、チャンドラーやハメットほど人気はないように思うのだが、ぼくはこの作風が大好きである。 チャンドラーかマクドナルドかというと、こちらの方が好きだ。 構成の巧みさと、意外性のあるストーリー展開がほんとうに素晴らしかった。 | ||||
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登場人物たちが抱える抑圧感の重さ、その深刻なことに、ぞおーっとさせられたのが本書、ロス・マクの名作『さむけ』(1964)。ドリー・マギーと、彼女の伯母アリス・ジェンクス。ヘレン・ハガティと、彼女の父親のアール・ホフマン。ロイ・ブラッドショーと、母親のミセス・ブラッドショー。彼らの深刻な対立、一方が他方に与える重圧、他方が一方に感じる抑圧。ただならないきしみと悲鳴を聞いているような、ムンクの「叫び」の絵を彷彿とするような、声にならない彼ら登場人物たちの悲鳴が行間から聞こえるような気がしました。読みながらはっとさせられたのは、ヴェルレーヌの詩が文中に出てきたことです。わが国でもよく知られたこの詩の味わいは、ロス・マクの作品の味わいと響き合うところがあるなあと、しみじみ胸に迫ってくるものを感じました。霧が辺りを包み込む情景というのも、本書の味わいに実にふさわしい。霧とミステリというと、いまちょうど読んでいるクリスチアナ・ブランドの『疑惑の霧』も挙げておきたい作品。事件はやがて、リュウ・アーチャーの丹念な聞き込みによって、錯綜した暗がりから陽の下にさらされます。ラストには、心底ぞおーっとして、戦慄させられました。本書にずしんとくる衝撃を受けた方には、マーガレット・ミラーの『まるで天使のような』(1962)もおすすめします。ラスト一行のただならぬ恐さ、こ、こいつは……すげぇーと震撼とさせられるミステリってことで、本書に優るとも劣らない「最後の一撃」を感じたからです。 | ||||
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今のところ、僕が生涯No.1のミステリー小説を挙げろと言われれば、この作品を真っ先に挙げます。クライマツクスはまさに“さむけ”ですよ。 | ||||
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ハードボイルド小説、ミステリー小説全体においても金字塔的作品。僕が読んだミステリー小説の中でもNO.1と自信を持って言える作品。ラストはまさに“さむけ”です。 | ||||
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