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九尾の猫



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九尾の猫の評価: 4.30/5点 レビュー 50件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 1~20 1/3ページ
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No.50:
(5pt)

かなり現代的な作風で、クイーン中期の異色作にして傑作

時系列的に前作「十日間の不思議」と繋がっていて、前作での挫折からの再起を描く物語。ただし作風はかなり異なるもので、本作は王道の謎解きミステリとは一線を画し、サイコ・スリラーのような展開をみせる。
それでも、物語中盤、無関係にみえていた被害者たちの意外な繋がりや、犯行の規則性が明らかになる場面はとても鮮やかで、ミッシング・リンクものとして秀逸な出来栄え。物語後半は犯行の証拠を掴むための苦闘が描かれるが、エラリィや刑事たちの焦燥感の描き方も見事だ。
かなり現代的な作風で、クイーンとしては異色作であるが、よくできた傑作だと思う。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.49:
(4pt)

だいぶ読みやすい

新訳で読みやすかったです。衒学趣味でやや冗長なのは訳のせいではなく、筆者の性質だろうと思います。ストーリーはなかなか面白く楽しめました。犯人の動機とか結末を思うと、ちょっと悲しい事件でした。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.48:
(5pt)

とても面白い

数十年ぶりに読んだが、ハラハラドキドキ、とても面白い作品です。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.47:
(5pt)

クイーン版ABC殺人事件

面白くて数時間で読みました。
クイーンの小説って正直古臭さを感じることもあり、名作と言われる数タイトルも「いつの時代だよ…」と結構途中しんどさを覚えたものもあるのですが、こちらはあまり古さを感じずテンポも良く読み進めることができました。
それでいてラストにどんでん返しもあり!
私の場合読むと大体メルカリ行きですが、こちらはエンタメミステリーの傑作として手元に置いておこうと思った一冊でした。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.46:
(4pt)

名探偵の苦悩と再起を描く、文学的ミステリーの傑作。

ニューヨークと言う大都会で起きた、連続殺人事件。全く手掛かりのない事件に捜査の中心人物として任命されたエラリイが、挑むストーリー。一見何の関係もなさそうな被害者の共通項を探る推理は、クリスティー「ABC殺人事件」を想起した。

 大都会で起こった連続殺人で、パニックに陥った人々が暴動を起こして、事件より多くの犠牲者が出る描写もあり、犯罪パニック小説のようにも読め、そのリアリティに戦慄。

 謎解きミステリーとしては、容疑者が少なく、真犯人を割り出すのは比較的容易。だが、その人物の犯行動機を考えると、意外であった。クライマックスに向けて、畳み掛けるような真相究明の迫力は十分。同時に、事件の真相を暴けば良いのか、と言うエラリイの苦悩も伝わって来た。

 名探偵の苦悩と再起を描く、文学的ミステリーの傑作と評価する。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
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No.45:
(5pt)

サイコキラー

原題は、Cat of many tails。邦題のように、九と限定してしまうと、10番目、11番目はないというメッセージになり、ミステリーのタイトルとしては、それなりの慎重さは必要だったと思う。
 途中出てくる人物の描写とサイコキラーとしての存在が全く重ならず、ページを戻り、読み返した。絹の紐以外は痕跡を残さず、目撃者に見られず、殺人を犯すのは簡単ではない。犯人がそれを九回もなしえたのは、サイコならではの、完璧な行動規範なのだろうか。そうすると、物語で描かれる人物とのギャップが気になるが、そこは、エラリー・クイーンでさえ、途中まで気づかなかったことを思えば、犯人の方が一枚上手だったと受け取るしかないのだろう。
 
 古典ならではの、小ネタ拾いという楽しみ方もある。
 ABC理論として、アガサ・クリスティのミステリーを紹介している(この小説の動機は違うという主張なのだろうか)。
 また、ニューヨークには3つの空港がある。ニューアーク、ラガーディア、JFK。1949年に出版されていて、当時、JFKは大統領でもなんでもないわけ(下院議員)で、当たり前で、空港は別の名前で呼ばれています。そういうのを探しながら、読むのも楽しいですね。
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4150701520
No.44:
(4pt)

古き良き時代

大昔に読んだ記憶があるのですが、全く覚えておらず。全編古き良き時代的テーストで懐かしく読めました。若干冗長な気がする部分もありますが、ひょっとしてあの人が?みたいな感じで読めました。ミステリーの雰囲気も本当に随分変わりましたよね。。。犯罪は刺激的なはずなのですが、どちらかというと大正ロマン風な映画チックです。試し読みでぴたりとくるかの確認をお勧めします。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)Amazon書評・レビュー:九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.43:
(5pt)

マンハッタンの殺人鬼「猫」に翻弄されるエラリイ

エラリイ・クイーンは、今回は5人も犠牲者が出た時点で、父親の警視から事件の情報を詳しく聞かされます。被害者の年齢や職業、性別に共通点は全く見出されません。ニューヨーク市長じきじきの要請に重い腰をあげて捜査に協力することになります。そんなときたまたま、被害者のきょうだい二人が事件解決に協力を申し出てきました。エラリイは父親の反対を押し切るかたちで二人を部下にします。7番目の犠牲者に近い親族の精神科医も精神病患者のリストの洗い出しをしてくれますが、何も進展しないままに終わりました。9番目の犠牲者の生年月日を役所で調べていたところ、真犯人につながる重要な手がかりが見つかります。ここから一気に面白くなり、ページをめくる手が止まりません。犯人を逮捕した後すんなり終わらずにかなり引っ張るなと思ったら、また衝撃の展開が!真犯人は別にいた!でも真犯人にあの首を絞める殺人を誰にも見つからずに果たして9回も行う事が可能だったでしょうか?犠牲者のうち二人は中年男性だったのに?敗北感に打ちのめされるエラリイに慰めの言葉をかける精神科医がまるで神の代理人のようでした。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.42:
(4pt)

アリバイ

物語の中盤で事件の真相がわかり、その後は犯人を泳がせて、次のターゲットを狙うのを待ち構えるという捜査をするシーンがかなり続く。なんとなく冗長でまどろっこしく、そんな事より犯人のアリバイを調べていけば良いのではと思ったが。ラストでその理由がわかった。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.41:
(4pt)

犯人はわかりやすいけど全体としては秀逸

正直、中盤あたりで犯人の見当つきました。ミスディレクションとして、この人物が逮捕されるだろうな、というのも想定できる。それをどう裏切られるのかと読み続けたら結果はストレートにそのままでした。それでも全体としては面白かったです。未婚女性ばかり取り上げられた理由、 周囲の人間関係などいろいろ含めて。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.40:
(5pt)

プロットが実に現代的

1977年秋来日したフレデリック・ダネイは(共作者のマンフレッド・リーは1971年に没している)、インタビューに答えて作者自身のベスト・スリーに以下をあげています。

1.『チャイナ・オレンジの秘密』
2.『災厄の町』
3.『途中の家』
そして番外として本作『九尾の猫』

本作は1949年の作で、いわゆる国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを書き上げた後であり、スタイルの呪縛から解かれ全く新しいエラリー・クイーンの冒険をその広範な知識のもと作り上げる時期だったと思えます。プロットが実に現代的でが書いている通り本作は多くのヒトがクイーンの最高傑作ています。

他の『本格』作家に与えた影響も大きいです。法月綸太郎氏などは『二の悲劇』の中で本作を『バイブル』と書いているくらいです。

国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを読み上げてクイーンを理解したと思うなかれ、最高の果実はその先にあるのです。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.39:
(5pt)

I know.

I like.
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)Amazon書評・レビュー:九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.38:
(5pt)

自由度の高い意欲作

いろんな意味でクイーンの意欲作だと思う。連続殺人事件の規則性を追究する姿勢はあくまで本格ミステリなのだが、真相はその世界の“お約束”を超えて、もっと自由だ。また、本作がクリスティーの『ABC殺人事件』への一種の挑戦であり、クイーン流のアンサーであることは論をまたないだろう。

訳者のあとがきによると、クイーンは本作を自作のベストのひとつに挙げ、「これはどうも日本人好みじゃないらしい」と首をかしげたという。訳者はそれは早合点だとフォローしているが、でも客観的に見れば大方の日本人が本格ミステリに求める“味わい”としては、やっぱり『ABC殺人事件』のような作品になると思う。

そんな好みの問題はさておき、本作が傑作であることは間違いない。ハヤカワ・ミステリ文庫のロングセラーになっていることからも、じわじわと人気を保ち続けていることがわかる。僕が読んだのは旧訳だが、2015年には新訳も出ていて、少しだけ立ち読みした印象だと、文字も大きいし文章も新訳の方が読みやすいようだ。

僕は今、若いころ「小難しそう」と買ったまま放置していたクイーン作品をあらためて読んでいる。本書もそのうちの1冊である。同じくあまり読んでいなかったほかの作家の作品も読んでいるのだが、その中でも圧倒的にクイーンが面白いと感じている。ある程度、年を取ってこそクイーンの“読み応え”はわかるのかもしれない。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)Amazon書評・レビュー:九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
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No.37:
(4pt)

エラリイの苦悩

十日間の不思議の後、事件からすっぱり手を切ったエラリイだが、またもや事件解決に加わっていく。

展開はゆっくりで、なかなか進展せずに読んでいて苦痛に感じるところもあるが、その勿体つけた分、後半に急な展開となり、読者は引き込まれてしまう。

エラリイは真相を解明するが、またもや無力感を味わうことになる。
最後に、エラリイに対して「きみは以前も失敗していて 、これからもまた失敗するだろう 。それが人間の本性であり 、役割でもある」と言われてしまう。それが、エラリイの与えられた運命なのだろう。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.36:
(4pt)

ロジックよりも、関係者の心理分析に力点が置かれた作品

作者の代名詞である理詰めのロジックで勝負する物語ではなく、事件の背景にある関係者の心理分析に力点が置かれており、真相の意外性もあるし、物語としての深みを感じさせる作品であった。

(以下、物語のあらすじに触れています。)
<猫>と名付けられた犯人による連続殺人事件が5件続き、エラリイに出馬が要請され、捜査に当たるものの、さらに4件の殺人が続き、なすすべもなく、焦燥に駆られるエラリイ。一見、無差別連続殺人と思われた事件だが、エラリイの分析によって、その特徴が次第に明らかにされていき、物語の約半分ぐらいのところで、被害者間の意外なつながりがわかり、重要な容疑者が浮かび上がる。
無関係と思われた被害者がつながる条件や、女の被害者がすべて未婚だった理由はなかなか面白い。残りのページ数から判断して、このままで終わるわけがないと思い、根拠はなかったが、容疑者以外の別の犯人を想定してみた(結局はずれで、犯人は別の人物であったが)。
エラリイは、容疑者逮捕後も真相を見誤っており、ある事実を知ることで自分が間違っていたことに気づく。前提が崩れたことで、容疑者の取った行動や容疑者の過去の出来事を再検討し、心理分析を行うことで新たな動機を発見し、その動機と、犯行の実施可能性から真犯人を特定する。
精神病医との対話の中で語られる犯行の動機、その背景にある関係者の心理分析は読み応えのある内容であった。
また、エラリイが自分の探偵としての無力感に捉われるラストの場面も印象的であった。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.35:
(4pt)

3度目ですが

新訳は初めてだが、『九尾の猫』は3度目になる。犯人なども知っていたし、だいたいの部分を覚えていた。それもあって、かなり変わった読みかたをした。冒頭から3分の1辺りまで読み、末尾を読み、戻って続きを読み、途中で解説を読み、また戻って続きを読み、末尾や解説を再び読むとといった感じだ。それでも最後まで楽しかった。

面白かったポイントは二つ。
一つは、連続殺人事件が起き、指紋も動機もないなか、エラリーがどのような形で、犯人に至るとっかりかりを見つけるのか。既読でも、やはり面白い。
もう一つは、暴動のシーンに象徴される当時のニューヨークの雰囲気。少し前に『ニューヨーク1954』を読んでいるのだが、かなり違う。発表時期こそ大幅に違うが、舞台となったニューヨークには5年ぐらいの差があるだけ。本作では多少だが戦前の残り香があるものの、戦争が終了し、新しい時代への何とも言えぬ期待がある。だからこそ、パニックとその被害にはインパクトがある。このパニックの死者数と連続殺人事件の死者数を比較した時、チャップリンの著名な台詞が思い出された。

「解説」にある、2012年に刊行されているマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイの往復書簡集『Blood Relations』の邦訳を読んでみたい。どこか訳して、出版してくれないだろうか。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.34:
(3pt)

エラリー完全読破挑戦中

連続通り魔殺人鬼(猫)が
真夏のニューヨークを恐怖の
どん底に突き落としても
エラリーはなかなか
腰を上げない。
被害者の中に悲惨な人生を
送った男の話を聞いた
エラリーは涙ぐみ
立ち上がり(猫)に挑む!
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)Amazon書評・レビュー:九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.33:
(4pt)

「十日間の不思議」の後に読むこと

「エラリークイーン全作品解説」本にあるように、本書は読むべき順序がある。「十日間」とは正反対に登場人物が、ページを進むごとに増えて、こと名前に関しては途中からカバーページとにらめっこ状態となった。  内容に関しては、犯人らしき人物がかなり早く特定されてしまい、「傑作とかいうわりにあんまりおもしろくないなあ」というのが正直な感想だったが、そこから再び事件が様相を変え始めて、最後には「やっぱりおもしろかった」という終わり方をする。「十日間」同様に一種の異常性格者がでてくるのだが、物語のうまさで不自然さを軽くすることができているように思った。  そんなわけでもうしばらくクイーン再発見を続けようかと思う。
九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)Amazon書評・レビュー:九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)より
4150701180
No.32:
(3pt)

ちょっとくどいかな

ミステリーとしては仕掛けや構成すばらしいです。
犯人逮捕以降の再展開は吸い込まれてしまいました。
ただ、表現や描写が多く、少々くどさを感じました。
仕掛けや構成で4、くどさで2、総合3ですね。
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520
No.31:
(4pt)

ミュージカル・キャッツ!?

ミュージカル・キャッツが封切されたニューヨークという風景もあるマンハッタン!という設定自体が戦後っぽいので、なかなか面白い。「なんで猫やねん?」っていうご感想も出てくるかもしれないけど、そこはそれ、前半のだらだらした展開を我慢して読み進めれば、後半一挙にスピードアップ。で、お決まりの大どんでん返し!
九尾の猫〔新訳版〕Amazon書評・レビュー:九尾の猫〔新訳版〕より
4150701520

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