ナイルに死す
評判
ナイルに死すの評価:
4.48/5点 レビュー 110件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全157件 81〜100 5/8ページ
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ナイルに死すの評価:
4.48/5点 レビュー 110件。 A ランク
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まず、本を半分ぐらい読まないと殺人が起きないことに驚いた。それでも退屈させないのは、天性のストーリーテラーとしての面目躍如だと思う。凡庸な書き手ではこうはいかないだろう。後半は連続殺人事件となり、ライク・ア・ローリング・ストーンの展開を見せていく。なお映画では「すべての乗客に動機がある」という処理になっていたが、小説ではいくらなんでもそれでは不自然なので、「すべての乗客に隠し事がある」という体裁である。そしてそれを成り立たせるには、ゆったりした展開の前半部分が必要なのだ。
※※※ここからはネタバレを含みます。未読の方はお気をつけください。※※※
ちょっと無理があるかもと危惧していた肝心のトリック及び犯人像であるが、そこはさすがクリスティー、違和感のないよう周到に描き込まれていた。なるほどと唸ったのは、男女ペアの犯人のうち映画では「女」が主、「男」が従という扱いだったのに(俳優の格から言ってもそうなっている)、小説では犯意の主格はあくまで「男」にあり、「女」はそれを成就させるために従っている、という図式であること。だからこそ、業の深いドラマが生まれているのだ。ちなみにデヴィッド・スーシェ版のドラマでは2人は対等の共犯関係になっていて、彼らの貧しさを繰り返し描くことで動機を補強していた。つまり、格差社会の悲劇という解釈が採用されていた。
この物語に瑕瑾があるとすれば、どの殺人事件もお膳立てが整い過ぎていて犯人にとってとても都合がいい、ということだと思うけれど(リネット・ドイルも短時間でお行儀よく就寝しているし)、まあそれはフィクションってことでスルーしていいところかなあ。このレビューを書いているちょうど現在は、ケネス・ブラナー監督・主演の映画『オリエント急行殺人事件』が公開されていて、来日記者会見でブラナーも言及していたが、すでに決まっている次回作はエジプトやピラミッドが関係しているそうだ。ということは…今から楽しみですね。