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メソポタミヤの殺人
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【この小説が収録されている参考書籍】
メソポタミヤの殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 1~20 1/3ページ
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旧訳は数十年前に読んだが、新訳にて久々にお馴染みの『メソポタミヤの殺人』を手に取った。ドラマ版も何度も視聴しているので、犯人もトリックもしっかり記憶にとどまっている状態で読み始めた。 しかし率直に言って、驚いた。これはアガサ・クリスティなのかと。文体の手触りが全く異なるのだ。旧訳の肩ひじを張った感じがさっぱりと抜け、当世風の、力みのない文体に変貌していたのである。「ちょっとばかり硬派なライトノベル」と見紛うくらいに。 確かに、この物語の語り手(書き手)はレザラン看護師(昔風の言い方をすると看護婦)で、彼女が依頼されて執筆した彼女視点からの事件記録という体裁を採っている。したがって、建前としては、執筆経験のない素人のルポルタージュ、ということになる。 新訳は、こうした設定に絶妙な真実味を持たせる。私はレザランの筆致によっていつの間にかぐいぐいとアッシリア遺跡の発掘現場に誘われてしまった。非日常世界へ没入していくライトノベルさながらだ。いや、むしろポアロを知らないラノベ読者にミステリ・ライトノベルと称して読ませてみたい。 アガサ・クリスティ作品の、新たな可能性をここに見た。翻訳次第で、時代を超え何度も化ける大作家である。 ただ、あえて苦言を呈すと、タイポとみられる箇所が若干あったのが残念である。「みなさん」と書くべきところを「みんさん」と書かれているのを1か所発見した。修正されることを願う。 | ||||
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さすが安定の面白さだけど、意外とあっさり。 | ||||
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イラク~バクダッドという中近東を舞台に、『アクロイド殺し』で読者を驚嘆させた「信頼できない語り手」の概念をいかんなく発揮した今作。冒頭は、看護師のエイミー・レザランが考古学者のライドナー博士から、妻ルイーズの付き添いを依頼される場面で始まります。エイミー・レザランは護衛相手のルイーズから、スパイとして処刑されたはずの元夫から何か月にも渡って脅迫状が送られているという話を聞かされます。元夫が生き返って自分を殺しにくるのだと不安に駆られているルイーズですが、気のせいだと言う夫を始め、死んだはずの人間から手紙が届くはずなどないと、彼女の心配を妄想だとまともに取り合おうとする人はいません。ところが、寝室でルイーズの死体が発見されたことで、事件は一気に急展開しはじめます。 最初の被害者であるルイーズの付き添いとして発掘現場に連れてこられた看護師エイミー・レザランの視点で語られる本作。それではポアロは今回はどこに?・・・というと、彼はちょうどオリエント急行の殺人事件を解決し凱旋する帰途にいました。ここでポアロがシリアからバグダッドを経由することを知ったメイトランド捜査の依頼で、ポワロは捜査に加わることになります。 このように、今回のポワロは鳴り物入りで捜査に加わることになったため、彼の傍らにはいつものヘイスティングスの姿はありません。その代わりを務めるのが、考古学者のライドナー博士から妻ルイーズの付き添いを依頼された看護師のエイミー・レザランその人です。事実、彼女は非常に優れた観察力を見せつけ、ポアロはレザランを腹心の友とし、彼女を「ヘイスティングス」と称するのです。 さて、彼女エイミー・レザランの視点による捜査記録として書かれた本作ですが、ここでのポアロの活躍は一見するとエイミー・レザランの優れた観察眼に隠れがちです。しかし今作のポアロは、人々に「ゴシップ」を奨励したり、容疑者のリストを巧みに絞り込むなど、技巧面で相変わらずいい仕事をしています。また、本作では中近東の遺跡発掘現場の様相を微に入り細を穿つ描写で、クリスティが考古学的発掘の生活についての深い理解を堪能できるのも一興でしょう。さらに、メインの殺人ミステリー以外にもいくつかのサイドストーリーが展開されるなど、本作は本筋以外に多数の見どころを備えた1冊とも言えそうです。 | ||||
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中古とは思えないほどの非常に良い状態でした。とても満足です。 | ||||
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クリスティーさん自身の、失踪と再婚。と言うのを知ってると、この作品が、完全に私生活とリンクしている事がわかる。考古学者の遺跡発掘現場での殺人、なんて普通思い付かない舞台だもの。 そんな余計な知識は抜きにして読むと、ミステリアスな美人妻、と言う犠牲者の造形と、夫を始めとした関係者と犠牲者との人間関係が、ポアロの登場で、徐々に暴かれていくのが、とても面白かった。そして意外な犯人が暴かれるが、何となくわかってしまう。一応不可能を可能とするトリックがあるのだけど、それ程驚愕のトリックではない。作者のミステリーとしては、標準的な出来ではないか。 だが、中近東の遺跡発掘現場と言う舞台の意外性と、作者の私生活との関連が興味深く、十分読む価値のある作品であった。 | ||||
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漫画版です。 | ||||
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間違いなく楽しめる | ||||
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面白かったですよ | ||||
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バグダッドを旅していた看護婦レザランは、イラクの遺跡発掘現場を指揮する考古学者レイドナー博士のたっての希望により、死んだ前夫からの殺害予告に怯える魅惑的な夫人ルイーズ・レイドナーの世話を引き受けます。他人行儀すぎる雰囲気と奇妙な緊張感の漂う遺跡調査隊のメンバーたち。そして調査隊メンバー以外は加害者となりえない調査団宿舎内という限定された空間において、ついに殺人事件が発生します。解決に向けて召喚されたのは、偶然付近を旅していた名探偵ポワロ。今回はミス・レザランをワトスン役に迎えて事件に挑みます。 ところで本作は英国による間接統治下の1930年代のイラクを舞台にしているものの、政治や歴史にまつわる描写はなく、地域性もほぼ感じさせません。基本的に遺跡調査により財宝発掘が可能な場として背景に選ばれているに過ぎず、仮にアフリカやインドを舞台にしていたところで物語としては支障なく成立するでしょう。そのためタイトルから紀行文的な異国情緒も味わえるのではないかと期待したのであれば、その点が満たされる作品ではないことは挙げておきます。 また、通読したうえでルイーズと、ある人物との関係性に無理を感じる部分もあるのですが、いずれにせよ本作が安心して楽しめるクリスティのミステリ作品のひとつであることには変わりありません。 作品の本筋とは全く関わりがありませんが、レザランが最後まで独身であることに何か意味があるのか、少し気にかかりました。 | ||||
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メソポタミヤ、イラク、バグダッド、シリアときて、訳者が田村義進さんであれば、血沸き肉躍る冒険小説が約束されているような気がしますが、何とポアロ(笑)。「メソポタミヤの殺人〔新訳版〕 "Murder in Mesopotamia"」(アガサ・クリスティー 早川書房)を一気に読みました。2020/6月に読んだ「賢者の街」でクリスティーが引き合いに出されていましたが、丁度よく「新訳」がリリースされましたので、再読しました。 語り手(わたし)は、ヘイスティングスではなく看護師・レザラン。彼女は依頼され、メソポタミヤ、遺跡調査団の団長・レイドナーの妻・ルイーズの面倒を見るべく、遺跡調査団に合流します。考古学者・レイドナーと再婚したルイーズの元には、死んだはずの先夫から脅迫状が送られてきています。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言しますが、自室で何者かに殺害されてしまいます。既に評価の定まっている古典とは言え、パズラーですから詳細を明かすわけにはいきません(笑)犯人は、誰?何故、どうやって? シリアで不正事件を調査していたエルキュール・ポアロがバグダッド経由でロンドンに戻る途中、この事件に巻き込まれます。そして、ポアロの時系列で言うと、この事件を解決した後「オリエント急行」でのあの事件に遭遇します(笑) さて、本作については、調査団宿舎の間取り図が出た瞬間に引き込まれ、丁寧にバラまかれた"レッド・ヘリング"に惑い、整然と回収される伏線、そうであってほしい(笑)意外な犯人、殺人方法、ホワイダニット、すべてが渾然一体となった傑作だったことに気づくことになりました。1点、少し弱いかなと思える個所はありますが、過去が蘇り、その蘇った過去が変異する真相は本当に見事だと思います。 「昔話はきれいに見えるものです。ガチョウを白鳥と思いこむようなものですわ」(Kindle の位置No.603-604) そうかもしれませんね。でも、クリスティー・ミステリは、白鳥は白鳥のまま、現在を、世界を縦横無尽に羽ばたき続けます。 | ||||
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このシリーズ、ほんとに軽くて字も読みやすくて大人が読むのによいです。 ありがとうハヤカワジュニアミステリーシリーズ! イラストは最初はみんな若い人にみえるし今一つと感じましたが慣れてしまえばかえってそのイラストに虚構感をかんじて、ちょうどよいです。夜中に読んでもイラストのおかげで怖さが薄れてちょうどよい(笑 ーー(以下多少ネタバレ)--- レイドナー夫人、美人で悪魔的。その謎めいたキャラが周りの人によって描写されていくのがよい。 ただ、語り手の看護師さん以外の他の人はやや設定が弱いかなあ。 あと、神父さん(実は・・・)の存在の意味って、ダミーとはいえ、唐突だし、そんな人がたまたまそこにいるなんて偶然すぎる! 登場人物一人ひとりに意味のある「そして誰もいなくなった」が120点とするなら、こちらはまあ75点といったところでした。 でも、楽しみました! | ||||
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内容は大人用と同じでストーリーが削られている箇所は無い様な気がします。ただ、 イラストがポアロらしくない。卵型の頭に小男。でオシャレな感じなのに…⤵中1の息子用に買いました。 | ||||
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クリスティの充実期といわれる1930年代の諸作の中では、評価が安定していない作品です。 どちらかと言えば支持派が多い感がありますが、殺人方法の現実性や、意外性を追求しすぎてさすがに無理があるのではと思わせる犯人の設定など、マイナス面が多々見受けられるのも事実です。私個人としては全面否定とまではいかないものの、やや誉められすぎている、という印象を持っています。ミステリーとして弱いのみならず、クリスティ作品の魅力である文章の巧みさが出ていないのが最大の理由です。もっとも、これについては、語り手である看護師のエイミー・レザランが自分は文章が下手だ、と言っているので、見事に下手に書いてある、という見方もできるかもしれませんが……。 また、この作品については、2点あらかじめ留意しておくことがあります。 まずは、エキゾチックなタイトルとは裏腹に、中近東物らしい異国情緒をほとんど感じられないこと。クリスティが夫の仕事を通してよく知っていた遺跡調査についても特段の描写はありません。つまり、舞台は必ずしもメソポタミアである必要はなく、主要登場人物は遺跡調査隊でなくても成立する物語になっているのです。どちらについてもクリスティは積極的に書く気がなかったように見受けられます。 次にデヴィッド・スーシェが主演しているTVシリーズ『メソポタミア殺人事件』とはメインとなる事件の真相以外、かなり内容が異なっていることです。冒頭の殺人をはじめ、ルイーズが殺害されるまでの展開はほぼ完全なオリジナルとなっており、中盤で起こる自殺事件も原作にはありません。そもそも、ヘイスティングス大尉やヴェラ・ロサコフ伯爵夫人はその名すら登場しません。そのため、TV版から入ると、かなり地味な印象を持たれるかもしれません。 以上の点で、クリスティの著作、あるいはポアロ物をまだあまり読んでいない、という方は後回しにされることをお勧めします。かなり甘めに見ても、“中近東を舞台にしたクリスティー作品の最高傑作”という惹句は妥当性を欠いていると言わざるを得ないでしょう。 むしろ興味深いのは、クリスティが考古学者である登場人物の台詞に託して、ポアロの仕事を考古学に通じる面がある、と言っていることです。過去の事実をかき集め、それらを正しく配列し、本来の姿を推理する……これはまさに、クリスティが後期の作品で繰り返し取り上げた“回想の殺人”そのものです。本作の印象が残っているうちに『五匹の子豚』などを読まれると、また違った読後感を楽しめると思います。 【補足データ】 初版:1936[昭和11]年7月 初版刊行時点でのクリスティの満年齢:45歳 長編として:全66作(メアリ・マスコット名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の19作目 ポアロ物の長編として:全33作中の12作目 | ||||
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1936年のクリスティーの全盛期に発表されたポアロものの長編。 バクダードが舞台の観光趣向の作品だが、特にバクダードが舞台である必然性はなく英国でも成り立ついつものクリスティー風味だ。 殺人が起こるまでが長く、事件自体もかなり地味なものだが、ホテルの部屋割りがトリックの肝になるなど、本格志向の強い作品である。 同じポアロの異国舞台ものではナイルに死すとかの方がやはり傑作であろう。 メインの人の入れ替わりトリックもかなり無理があるのは否めない。普通気づくだろう・・・・。 クリスティーの全盛期の作品としてはイマイチ知名度がないのも納得のイマイチの出来の作品である。 | ||||
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すでに指摘されているとおり、明かされる真相は無理があるし、それほど華麗なものでもないので、カタルシスは少ない。犯人は疑わしく思っていた人物なのだが、そのわりにポワロが早々と容疑者リストから除いている(ようなふりをしている)ので、それに欺された。トリックよりも、中東の遺跡発掘現場というエキゾティシズムあふれる場におけるヨーロッパ人コミュニティの息のつまるような雰囲気の方が印象的な作品。 | ||||
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割とナレーター役の看護婦が魅力的で好きな作品です。 ただ、クリスティ作品にみられがちな人種差別的表現がいくつかあります。 | ||||
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アガサクリスティーさんの、文章力や表現力に絶賛。 本当にさすがです‼ | ||||
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評判がかなり高いので読んでみたがとんだ期待外れだった。以下ネタバレ含む。 まずトリックが現実味に欠ける、かつ面白くない。屈強な鉄格子の設定は何だったのか。そもそもこの方法で殺せる確証はないし、失敗する方が現実的では...。第2の殺人はもっとひどい。いくら寝ぼけているとはいえ、水と濃塩酸を間違え、尚且つそれを致死量分摂取するというなんとも無理矢理な方法。 遺跡発掘のプロ集団の中に素人がいても誰も気づかない、いくら年月が経ったとはいえ昔結婚した男の変相に気づかず再婚する...など、納得できないことがてんこ盛り。これが大物作家の名作なのか。 読んだ時間を返して欲しくなる作品だった。 | ||||
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この作品、記述者がヘイスティングス大尉じゃないんですよ。読み始めて、そのことを知った瞬間、 「げげげ、記述者が通常と違うってことは、またクリスティが嫌らしい叙述トリック使おうとしてるよ。また読み終わった後、不愉快にさせられるのか・・・」 と一瞬嫌な気分に・・・。 でも、そうじゃありませんでした。本格ミステリーの王道をいってる感じで極めて読後感のよい作品ではあったと思います。 この作品、密室トリックが面白いって人もいるけど、別の作者の某有名短編で使われたトリックの変形バリエーションなので、ミステリーマニアにしてみたら、 「ああ、あのトリックに少し手を加えて流用したのね・・・」 くらいにしか思わないでしょう・・・。 とはいえ、中東を舞台にした作品の中では「ナイルに死す」につぐ完成度であることは間違いないと思います。 | ||||
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