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メソポタミヤの殺人
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【この小説が収録されている参考書籍】
メソポタミヤの殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 1~20 1/2ページ
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旧訳は数十年前に読んだが、新訳にて久々にお馴染みの『メソポタミヤの殺人』を手に取った。ドラマ版も何度も視聴しているので、犯人もトリックもしっかり記憶にとどまっている状態で読み始めた。 しかし率直に言って、驚いた。これはアガサ・クリスティなのかと。文体の手触りが全く異なるのだ。旧訳の肩ひじを張った感じがさっぱりと抜け、当世風の、力みのない文体に変貌していたのである。「ちょっとばかり硬派なライトノベル」と見紛うくらいに。 確かに、この物語の語り手(書き手)はレザラン看護師(昔風の言い方をすると看護婦)で、彼女が依頼されて執筆した彼女視点からの事件記録という体裁を採っている。したがって、建前としては、執筆経験のない素人のルポルタージュ、ということになる。 新訳は、こうした設定に絶妙な真実味を持たせる。私はレザランの筆致によっていつの間にかぐいぐいとアッシリア遺跡の発掘現場に誘われてしまった。非日常世界へ没入していくライトノベルさながらだ。いや、むしろポアロを知らないラノベ読者にミステリ・ライトノベルと称して読ませてみたい。 アガサ・クリスティ作品の、新たな可能性をここに見た。翻訳次第で、時代を超え何度も化ける大作家である。 ただ、あえて苦言を呈すと、タイポとみられる箇所が若干あったのが残念である。「みなさん」と書くべきところを「みんさん」と書かれているのを1か所発見した。修正されることを願う。 | ||||
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イラク~バクダッドという中近東を舞台に、『アクロイド殺し』で読者を驚嘆させた「信頼できない語り手」の概念をいかんなく発揮した今作。冒頭は、看護師のエイミー・レザランが考古学者のライドナー博士から、妻ルイーズの付き添いを依頼される場面で始まります。エイミー・レザランは護衛相手のルイーズから、スパイとして処刑されたはずの元夫から何か月にも渡って脅迫状が送られているという話を聞かされます。元夫が生き返って自分を殺しにくるのだと不安に駆られているルイーズですが、気のせいだと言う夫を始め、死んだはずの人間から手紙が届くはずなどないと、彼女の心配を妄想だとまともに取り合おうとする人はいません。ところが、寝室でルイーズの死体が発見されたことで、事件は一気に急展開しはじめます。 最初の被害者であるルイーズの付き添いとして発掘現場に連れてこられた看護師エイミー・レザランの視点で語られる本作。それではポアロは今回はどこに?・・・というと、彼はちょうどオリエント急行の殺人事件を解決し凱旋する帰途にいました。ここでポアロがシリアからバグダッドを経由することを知ったメイトランド捜査の依頼で、ポワロは捜査に加わることになります。 このように、今回のポワロは鳴り物入りで捜査に加わることになったため、彼の傍らにはいつものヘイスティングスの姿はありません。その代わりを務めるのが、考古学者のライドナー博士から妻ルイーズの付き添いを依頼された看護師のエイミー・レザランその人です。事実、彼女は非常に優れた観察力を見せつけ、ポアロはレザランを腹心の友とし、彼女を「ヘイスティングス」と称するのです。 さて、彼女エイミー・レザランの視点による捜査記録として書かれた本作ですが、ここでのポアロの活躍は一見するとエイミー・レザランの優れた観察眼に隠れがちです。しかし今作のポアロは、人々に「ゴシップ」を奨励したり、容疑者のリストを巧みに絞り込むなど、技巧面で相変わらずいい仕事をしています。また、本作では中近東の遺跡発掘現場の様相を微に入り細を穿つ描写で、クリスティが考古学的発掘の生活についての深い理解を堪能できるのも一興でしょう。さらに、メインの殺人ミステリー以外にもいくつかのサイドストーリーが展開されるなど、本作は本筋以外に多数の見どころを備えた1冊とも言えそうです。 | ||||
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中古とは思えないほどの非常に良い状態でした。とても満足です。 | ||||
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クリスティーさん自身の、失踪と再婚。と言うのを知ってると、この作品が、完全に私生活とリンクしている事がわかる。考古学者の遺跡発掘現場での殺人、なんて普通思い付かない舞台だもの。 そんな余計な知識は抜きにして読むと、ミステリアスな美人妻、と言う犠牲者の造形と、夫を始めとした関係者と犠牲者との人間関係が、ポアロの登場で、徐々に暴かれていくのが、とても面白かった。そして意外な犯人が暴かれるが、何となくわかってしまう。一応不可能を可能とするトリックがあるのだけど、それ程驚愕のトリックではない。作者のミステリーとしては、標準的な出来ではないか。 だが、中近東の遺跡発掘現場と言う舞台の意外性と、作者の私生活との関連が興味深く、十分読む価値のある作品であった。 | ||||
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漫画版です。 | ||||
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間違いなく楽しめる | ||||
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面白かったですよ | ||||
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バグダッドを旅していた看護婦レザランは、イラクの遺跡発掘現場を指揮する考古学者レイドナー博士のたっての希望により、死んだ前夫からの殺害予告に怯える魅惑的な夫人ルイーズ・レイドナーの世話を引き受けます。他人行儀すぎる雰囲気と奇妙な緊張感の漂う遺跡調査隊のメンバーたち。そして調査隊メンバー以外は加害者となりえない調査団宿舎内という限定された空間において、ついに殺人事件が発生します。解決に向けて召喚されたのは、偶然付近を旅していた名探偵ポワロ。今回はミス・レザランをワトスン役に迎えて事件に挑みます。 ところで本作は英国による間接統治下の1930年代のイラクを舞台にしているものの、政治や歴史にまつわる描写はなく、地域性もほぼ感じさせません。基本的に遺跡調査により財宝発掘が可能な場として背景に選ばれているに過ぎず、仮にアフリカやインドを舞台にしていたところで物語としては支障なく成立するでしょう。そのためタイトルから紀行文的な異国情緒も味わえるのではないかと期待したのであれば、その点が満たされる作品ではないことは挙げておきます。 また、通読したうえでルイーズと、ある人物との関係性に無理を感じる部分もあるのですが、いずれにせよ本作が安心して楽しめるクリスティのミステリ作品のひとつであることには変わりありません。 作品の本筋とは全く関わりがありませんが、レザランが最後まで独身であることに何か意味があるのか、少し気にかかりました。 | ||||
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メソポタミヤ、イラク、バグダッド、シリアときて、訳者が田村義進さんであれば、血沸き肉躍る冒険小説が約束されているような気がしますが、何とポアロ(笑)。「メソポタミヤの殺人〔新訳版〕 "Murder in Mesopotamia"」(アガサ・クリスティー 早川書房)を一気に読みました。2020/6月に読んだ「賢者の街」でクリスティーが引き合いに出されていましたが、丁度よく「新訳」がリリースされましたので、再読しました。 語り手(わたし)は、ヘイスティングスではなく看護師・レザラン。彼女は依頼され、メソポタミヤ、遺跡調査団の団長・レイドナーの妻・ルイーズの面倒を見るべく、遺跡調査団に合流します。考古学者・レイドナーと再婚したルイーズの元には、死んだはずの先夫から脅迫状が送られてきています。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言しますが、自室で何者かに殺害されてしまいます。既に評価の定まっている古典とは言え、パズラーですから詳細を明かすわけにはいきません(笑)犯人は、誰?何故、どうやって? シリアで不正事件を調査していたエルキュール・ポアロがバグダッド経由でロンドンに戻る途中、この事件に巻き込まれます。そして、ポアロの時系列で言うと、この事件を解決した後「オリエント急行」でのあの事件に遭遇します(笑) さて、本作については、調査団宿舎の間取り図が出た瞬間に引き込まれ、丁寧にバラまかれた"レッド・ヘリング"に惑い、整然と回収される伏線、そうであってほしい(笑)意外な犯人、殺人方法、ホワイダニット、すべてが渾然一体となった傑作だったことに気づくことになりました。1点、少し弱いかなと思える個所はありますが、過去が蘇り、その蘇った過去が変異する真相は本当に見事だと思います。 「昔話はきれいに見えるものです。ガチョウを白鳥と思いこむようなものですわ」(Kindle の位置No.603-604) そうかもしれませんね。でも、クリスティー・ミステリは、白鳥は白鳥のまま、現在を、世界を縦横無尽に羽ばたき続けます。 | ||||
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このシリーズ、ほんとに軽くて字も読みやすくて大人が読むのによいです。 ありがとうハヤカワジュニアミステリーシリーズ! イラストは最初はみんな若い人にみえるし今一つと感じましたが慣れてしまえばかえってそのイラストに虚構感をかんじて、ちょうどよいです。夜中に読んでもイラストのおかげで怖さが薄れてちょうどよい(笑 ーー(以下多少ネタバレ)--- レイドナー夫人、美人で悪魔的。その謎めいたキャラが周りの人によって描写されていくのがよい。 ただ、語り手の看護師さん以外の他の人はやや設定が弱いかなあ。 あと、神父さん(実は・・・)の存在の意味って、ダミーとはいえ、唐突だし、そんな人がたまたまそこにいるなんて偶然すぎる! 登場人物一人ひとりに意味のある「そして誰もいなくなった」が120点とするなら、こちらはまあ75点といったところでした。 でも、楽しみました! | ||||
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内容は大人用と同じでストーリーが削られている箇所は無い様な気がします。ただ、 イラストがポアロらしくない。卵型の頭に小男。でオシャレな感じなのに…⤵中1の息子用に買いました。 | ||||
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製品のように来ました、そして、予想されるよりよく実行しました! 売り手は素晴らしいサービスを提供します。 彼女は私をたくさん助けました。 製品は非常に良いです。 私はいくつかの友人に推薦して、彼らは製品を受け取った後満足していると私に言った。 偉大な、私は2番目の1つを買って 私は私の友人にそれを推薦されます 良い製品です。特に価格のために。すべては、あなたがそれを打つことができない価格のために非常に満足して説明されています。私は再び購入する! | ||||
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割とナレーター役の看護婦が魅力的で好きな作品です。 ただ、クリスティ作品にみられがちな人種差別的表現がいくつかあります。 | ||||
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アガサクリスティーさんの、文章力や表現力に絶賛。 本当にさすがです‼ | ||||
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発掘調査の宿泊施設で起こる殺人事件。 「悲劇的な魔力」を持つ被害者、被害者に嫉妬する女性関係者、被害者の魔力にひかれる男性関係者。ポアロが関係者全員に被害者の人となりを聴き取り調査し、被害者の人物像を浮き彫りにしていく過程は面白いし、脅迫状の差出人、窓から覗いていた人物の正体、音が届く範囲の違いの謎など、様々な謎が盛り込まれている点も高く評価ができる。 人物の造形、謎の盛り込み方、探偵の調査内容など、本格ミステリーとしての作り込みに関しては、ハイレベルな作品であると感じた。真相はかなりの無理筋だが、それでも楽しめる作品であった。 (ネタバレ) ①チェスタトンが考えそうなトリックだが、被害者が窓から首を出す保証がなく、確実性に欠ける。 ②犯行の様子を南側の建物にいた人物に目撃される危険性がある。 ③犯人は、列車事故で顔が損傷した考古学者に成りすましているが、職場で考古学者の顔は知られているはずであり、成りすますことには無理がある。 ④年月が経っているとはいえ、元夫を別人と見間違えて再婚するという設定には無理がある。 | ||||
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最後の結末がびっくりでした!とても面白い作品でした!!!!! | ||||
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トリックは簡単ですが、人間関係が何とも・・・ ヒトによってヒトの観かたは様々です。 | ||||
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考古学の現場というのも面白いし 若い女の子が一人しかいないからきっと自分はちやほやされるだろうと思っている子がいるとか クリスティの人間洞察は相変わらず鋭い。 でも、なんとなく、「小説の中だけで通じる法則」みたいなものを今回感じてしまった。 「なぜ脅迫状がこの時だけ送られなかったのか」とかね。 現実では、「普通に忘れていた」ということだってありうるよな、と思ってしまう。 意外な犯人、の部分は、フェアだけれど、でも叙述トリック的なのかもしれないとも思う。 人間像をどう描くかというのも、結局、作者次第だから。 | ||||
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登場人物の一人の視点による語りによる展開は、その場面がありありと思い出される 次々と読みたくなるものであった。少し注文があるとするとトリックがリスクがある ところくらいかな。 | ||||
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本書の前に読んだポワロもの『ホロー荘の殺人』『杉の棺』が面白いながらも個人的にはもうひとつだったので、ちょっとモヤモヤしていたのですが、本作では再度「ああ〜またうまいことクイーン・アガサに踊らされたああ〜〜!」という悔し嬉しい地団駄を踏ませてもらいました。 今回は、中東のバグダッドで行われたとある遺跡の発掘作業中、その調査隊メンバーの宿舎で殺人事件が起こります。我等の名探偵ポワロはたまたま別件で近くに滞在していた所に助けを求められて招聘に応じ、謎めいた難事件に挑みます。 時系列的にはオリエント急行殺人事件の少し前という設定のようです。私の大好きなヘイスティングス大尉は今回も登場しません(寂。しかしドラマ版ではビル・コールマンの叔父という設定で登場し、ポワロの相棒として働きます)。本作では彼に代わって(?)ポワロの助手役を務めた有能な看護婦レザラン女史の手記という形でお話が語られます。 本作はアガサ作品らしくいい感じに犯人が意外な人物で、思い込みの死角を思いっ切り突かれます。犯人を当てるためにはかなりの想像力というか、閃きが必要とされる事件だと思います。殺人のトリックも一風変わっていて、既読のポワロものの中では一番ひねりがありました。このトリックさえ解ければ犯人が分かります。ヒントはちゃんとくれるんですけどねー!!なかなか・・。 加えて容疑者の人数も多いし、紛らわしい言動やバッティングもあるしで、正統派の解き応えのある作品だと思います。 「がっつり推理したい!!」という方(推理小説の読者は皆そうかもですが)に特にお勧めです! | ||||
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