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舟を編む
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舟を編むの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全559件 501~520 26/28ページ
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玄武書房の辞書編集部は新たな辞書『大渡海』の出版を企画する。中心となるのは変わり者ではあるが言葉に対して人並はずれた感性とこだわりを持つ馬締光也。しかし『大渡海』が世に出るまでには予想以上の時間が必要だった…。 今年2012年発表の本屋大賞に輝いた小説です。 馬締光也や同期入社の西岡正志、辞書編集部に配属された入社3年目の岸辺みどりといった面々をそれぞれ主人公とする短編が連なる連作集のような構成になっています。 辞書作りのバック・ヤード話は確かに興味深いものです。 掲載する単語を選ぶ際に、何を基準として選ぶのか、語意を説明する文章の長さはどうするのか。 頁数が膨大になるのが常の辞書ならではの、薄くても裏が透けることなく、一定の強度をもった、そして頁を繰る指に適度にからまる紙の開発話。 ゲラがあがってきたところで、本来収録してしかるべき単語が抜け落ちていたときにどう対処するのか。 こうした辞書作りという地味な作業における労苦の数々を知る楽しさは、確かにこの小説にあります。 しかし、わずか260頁程度の短い作品であるため、登場人物たちが辞書作りの途上で人生にとって大切な何かを学び、そのことで人生の舵を少し切る様子が、短兵急に描かれているのは否めません。長年月の間、辞書ひとすじに携わった馬締たちの思いが読み手に説得力をもって伝わらないのです。時間をじっくりかける紙幅がないためか、彼らが“学ぶ”過程は、時間とともに達成された熟成というよりも、まるで神からの突然の啓示のごとく唐突です。 特に辞書『大渡海』の監修者である松本先生の存在がとても薄いことに落胆しました。 小説の終盤に彼がたどる姿を見ても、それまで彼がどのように『大渡海』に熱くかかわってきたのかがほとんど描かれていないため、先生に対して馬締が感じるほどの強い思い入れが、私の心の中に生まれなかったのです。先生には出版会社の社員とはまた異なる意味の、彼自身の辞書にかける思いと命のほとばしりがあってしかるべきなのに。 辞書編纂にかける人々のやけどするほど熱く、鬼気迫る姿を描いた書にはもっと優れたものがあります。かつて私が心躍らせながら読んだ2冊の書を以下に紹介しておきます。 サイモン・ウィンチェスター『博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話』(ハヤカワ文庫NF) 高田宏『言葉の海へ』(洋泉社MC新書) *42頁にある「現実を鑑みるに」という表記は誤りです。「現実に鑑みるに」というのが正しい助詞の使い方です。 | ||||
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ライトノベル的ともラブコメ的ともいわれる本作ですが、 帯やカバーをめくった中身が少女マンガ風というのもあり、 そういう声はしかたないでしょう。 しかしながら、、、これがもし硬派な文体、リアルなドキュメント風で 描かれていたとしたら、ここまで多くの読者に読まれたでしょうか。 言葉の奥深さや辞書作りという気の遠くなる作業にかける編集マン達の想いに 興味をもつことができたでしょうか。 第1章はたしかに、高橋留美子のマンガか、と突っ込みたくなりそうでしたが、 低い敷居、広い間口から、ページをめくるたびに、 徐々にディープな世界にいざなわれる心地よさがありました。 こういう世界があるということに触れさせてもらえ、ありがたいです。 3人の視点でバトンタッチしながら描かれるせいもあってか、 思いのほかさくっと読めました。 欲をいえば、辞書の完成にかけた歳月を実感できるよう、 もっと長編でもよかったかな、とも思います。 | ||||
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「硬派な内容の本」との勝手なイメージを持って購入したため、読み始めて、その違いに、正直、戸惑った。 納得のゆく辞書の完成に向けた編集部の様子が、10年以上の時を隔てた二部構成で描かれているのだが、時の経過の「重み」、「苦労」、「苦悩」のようなものを、もう少し厚く描いてほしかった。 本と向かい合い、じっくり読む読書家には、少々物足りないものと思う。 気軽に読める作品である。 | ||||
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言葉に対する情熱に、涙。 こどもの頃辞書が好きで、楽しく読んでいたのを思い出しました。 こうやって、辞書はつくられるんだと、驚き。 登場人物それぞれに個性的な魅力があり、 皆が自分に出来る事に一所懸命なところも、 この物語のいい所だと思います。 | ||||
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この本は辞書作りに関わる人間達の情熱が描かれています。 この著者の前作である「まほろ駅前・・・」や「風が強く吹いている」を読み、 好きな作家になっていた事もあり本著を手に取りました。 なかなか主役に挙がる事のない「辞書」をテーマにした作品で、 少し地味な感じなのかなと思って読み始めましたが、 最後まで一気に読み終えてしまいました。 辞書に傾ける数々の方達の情熱。 そしてその情熱に触れることにより 自らの心の底にある情熱に気付いたり、 新たに燃やし始めたりと、 周りの人間達にも影響していきます。 やはり情熱をもって物事にあたる姿はカッコイイですね。 自分自身、今目の前にある事に一生懸命取り組もう!と正直に思えました。 その他にも繊細な心の動きや、言葉自体の魅力にも触れられる作品です。 やる気になりたい方、頑張っても損するだけだよと考えている方、 もしよかったら読んでみて下さい。 | ||||
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辞書は言葉の海を渡る舟 海を渡るにふさわしい舟を編む。 この表現に眼を開かされ、すばらしい、と感嘆する展開が本書にはあります。辞書編集に才能を発揮する「まじめ」青年とその周囲の魅力的な人たちがおりなす、編集開始から完成までの十数年に及ぶ物語(途中の十年間は抜けてますけど)。まさに、言葉と本が好きな人のための小説でしょうか。書店員さんたちが選ぶ本屋大賞を受賞するのがよくわかります。 それにしても、言葉というのは奥が深く、大事にして、正確に使わないといけないなぁ。願わくば、もっと若い頃に出会いたかった本・・かな。 | ||||
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本屋大賞で山積みになっていたので買いました。この物語の面白さはやはり「辞書作り」というあまりとりあげられてこなかった仕事をテーマにしていること。素直に読みやすく楽しめる一冊でした。敢えて言えば、もう少し波乱展開(例えば人間関係や他社との競争)があった方が読み応えがあったかも。 | ||||
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本屋が辞書作りを書いた本に注目するのは当たり前で, 本好きが言葉を取り上げた本を読みたいと思うのも当たり前で, 更に,三浦しおんが書いたのならはずれはないと思うのも当たり前. という予想通り,いや,予想以上に一気に読める文体と内容だった. 作品の世界観は三谷幸喜が書くドラマに似ていると思った. 内容や展開が想像できるので ちょっと変わったしかし愛すべき主人公や周りの人々, 辞書や言葉に関するうんちくを楽しむ為の本でしょう そういえば,辞書を引きやすくするため, 辞書の紙を1ページずつぐちゃっとつぶし, アコーディオンみたいにしていた事を思い出した. 辞書の紙に細心の注意を払っていた馬締さんに申し訳ない,, | ||||
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さすがに本屋大賞、地味な設定ながらも、 ものすごくリーダブルで、どんどん読んでしまいました。 辞書編纂の仕事の話ですが、どんな仕事にもいろんなドラマがあるものだよなーと 改めて思ったり。登場人物もみんな魅力的で、 映像的に浮かんでくるような小説です。 難をひとついえば、さらっと読め過ぎて読み応えがない、 というところですが、リーダビリティと読み応えは、 ある程度トレードオフにならざるを得ないのかなと考えると、 これはこれでというふうにも思います。 誰にとっても、素直に「おもしろかったな」と思える小説であることは 間違いないかと。 | ||||
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登場人物の心理描写や個性が面白く、仕事・物作りに対する情熱や 合間に出てくる日本語の奥深さを感じることのできる小説。 全体的にライトな感じで、漫画のようにすらすらと読める本でした。 ただ、若干ストーリーが分かりやすいというところと、 「辞書をつくるというテーマ」でプッシュしている割には、 その辺の描写が少ないかな?というのが惜しかったです。 | ||||
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辞書の作成にまつわる人の話。人間関係が丁寧に描かれていてとても好感が持てます。誰にでも安心して薦められる本ではないでしょうか | ||||
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テンポは良かったです。辞書作りというテーマもすごくいい。湯船につかりながらパパっと読めました。ただ、ちょっと男女の出会いや周囲との関わりがラブコメマンガ風?(職場でラブレターの下書きをしていて、先輩が覗き込んで茶化すとか、どこのラブコメの世界?みたいなのがちょっと気になりましたが。。。) | ||||
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以前、大学の講義で、国語辞典の作成は非常に難しく大変だと聞いたことがあり、実際どの程度の困難さを伴う作業なのだろうかと、長年疑問に思っていました。折しも、今年の本屋大賞作品が辞書編纂の小説と知り、早速購入しました。 辞書編纂に携わる個性的な人たちの完成にむけた世代を繋ぎながらの熱い情熱に感動しました。 読んで良かったと確実に思える小説です。 | ||||
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国語辞書の編集者を主人公にした小説。「仕事とは何か」を考えさせられる。 CLASSY.(20代女性向けファッション誌)に連載されたものなので、いくぶん軽い文体になっている点、過去連載分のおさらい的な文章が入る点、ところどころ文体が不安定な点がやや気になるが、登場人物のキャラクターがみな魅力的で、全体に面白いし、最後はやはりグッとくる。 辞書の編纂にはじつに長い時間がかかる。本書にも、17年をかけて日本で初めて近代的な辞書をつくった大槻文彦について触れられているが、その『言海』のあとがきに大槻は「この本をつくるまでに、妻と息子を病で亡くし、校正刷りで『露命』(はかない命)という語にあたったとき、思わず落涙した」というふうなことを記している。 「露命」という言葉はただそこにあるだけだが、それに触れた者の感情を激しく揺さぶることがある。「言葉」と人間の心との関係について思いを至らせる、たしかにそんな小説だった。 本書のカバーを、小説中の辞書『大渡海』の装幀に模してあるところもなかなかいい。 | ||||
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すらすらと読める内容でした。 また、最も関心したポイントは「辞書の編集」の物語だというところです。 新しい視点での物語は読み応えもありました。 | ||||
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私には少しむつかしい内容でした。 なので、何度も読んで理解を深めます。 きっと役立つと思うので。 | ||||
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昨年の本屋大賞にはガッカリでしたが、今年の大賞は良かったです。 電車の中で読んで、喫茶店で読み、一日で読みました。 三浦しおんさんは「風が強く吹いている」が最高でしたが、 これも楽しく読みました。ありがとうございました。 | ||||
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久しぶりに一気読み。 『大渡海』が欲しくなった。 本屋大賞ノミネートらしいが、個人的には『まほろ駅前多田便利軒』よりも、こちらの方が直木賞なんじゃない?と思う。テイストは違うけれど、私は『舟を編む』の方が好きかな。 一風変わった編集部員達の、15年にも及ぶ辞書編纂の物語。帯に角田光代も書いているが「スポーツ競技」っぽくて、どこか楽しげ。人物描写は、西岡が印象的。チャラ男を演じているけれど、実は一番、人情味溢れていて優しくて、何よりも辞書作りを好きな男なんじゃないか…と。ほんとは西岡、マジメだよね。 | ||||
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初めて、三浦しをんさんの小説を読みました。「本屋大賞」受賞と言う肩書きよりも、辞書の編纂と言うテーマの面白さと本の装丁に惹かれて買いました。 帯のイラストからラノベテイストなのかな?そうではなく意外に硬派な作品だったらいいな、そう思いつつ読み始めました。 しかし、やはり、ライトノベル感覚の作品で、主人公、その他の人物に感情移入出来ず、楽しめませんでした。 ライトノベルが悪いとは決して思いません。しかし、どうしても、漫画を読み慣れた若い世代に対する「媚び」のようなものを感じてしまうのです。 キャラが立っていることが初めにありき。そのことに、作品が縛られている気がしてなりません。 作者が、誠実にこの小説を書いていることは、色々な部分から感じ取れます。文章も、読みやすいように工夫されて書かれています。でも…と思ってしまいます。 主人公「まじめ君」について言えば、「本好き知性派女子の逆トジッ娘萌え」なんでしょうか。 対人関係が不器用で変わり者と思われているけど、純粋で、内に秘めた情熱があって―まじめ君は、男の僕から見ても魅力ある人物像です。 小説で描かれる、そのまじめ君は、痩せ形で手足が長く、服装は垢抜けないけど清潔で、髪は少しモサモサだけどちゃんと毎朝出社前にシャワーを浴びる。たぶん、メガネを取ったら、意外にイケメン。僕は、そう感じました。 男優でイメージするのは、向井理の容姿と雰囲気でしょうか。そんなまじめ君だからこそ、美人のかぐやさんに好かれたのかなあ。そんな皮肉でも言いたくなってしまう。ちょっと、いやかなり僻みだけど。 ちなみに、かぐやさんも美人である必要なんてないんじゃないかな。男社会の板前と言う世界で、自分の職業に必死に打ち込んでいる女性なら、それだけで十分魅力的だと思うけど。 シリアスとファンタジー半々くらいの作品と割り切れば楽しめる小説ですが、不器用だけどひたむきに仕事に情熱を注ぐ人間の群像劇を期待すると、作品の浅さを感じてしまいます。 現実社会で揉まれて生きてきた、くたびれた中年の僕には、登場人物たちの人柄の良さと抱いている夢の純粋さが、いささか、まぶし過ぎます。 | ||||
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国語辞書『大渡海』を編集するために玄武書房辞書編集部に集った様々な面々の織りなす物語。笑いあり涙あり、時が経つのを忘れて大いに楽しんだ一書でした。それにしても、辞書の編纂の何と大変なことでしょう。 「辞書は言葉の海を渡る舟だ」(27頁)。 「もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」(同)。 「あんなに丁寧で思いのこもった手紙をもらって、来ないわけにいかないでしょ」(93頁)。 「女が重視するのは、「自分を一番大事にしてくれるか否か」だと、西岡は数々の経験からあたりをつけていた」(97頁)。 「しりとりに勝ちたかったら、単語の末尾が『あ行』『か行』『さ行』で終わる言葉を言うのは避け、『や行』や『ら行』や『わ行』で終わる言葉をひねりだすことです」(192頁)。 「公金が投入されれば、内容に口出しされる可能性もないとは言えないでしょう。また、国家の威信をかけるからこそ、生きた思いを伝えるツールとしてではなく、権威づけと支配の道具として、言葉が位置づけられてしまうおそれもある」(226頁)。 「言葉とは、言葉を扱う辞書とは、個人と権力、内的自由と公的支配の狭間という、常に危うい場所に存在するのですね」(同)。 一点だけ難を云えば、馬締光也と林香具矢が(肉体的にも)結ばれるのが少し早過ぎでは?それはさておき、本書の装丁(カバーと帯)が文中に記載された『大渡海』のそれと同一なのは趣向がありますね。また、本体表面のマンガ絵も大変GOODでした。 | ||||
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