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背後の足音
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背後の足音の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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上巻前半は、聊かダルでしたが後半以降、この下巻は、まさに、ヴァランダー、無理が応でも、夜も昼も、駆け巡ります。暗中模索、五里霧中だからこそ、あれもこれも、突き進む。あまりに酷い、犯罪への怒りを胸に秘めて、泥のような体を引き摺って行く。 全然、恰好良くないし、泥臭い。しかも、相当危ない橋を渡って行く。警察の現実は、こんなものかもしれない。でも、ヴァランダーだから、引っ張って行ける。一個の人間としての信念に、心打たれます。 マンケルの作品が、いつも、心に残るのは、ミステリの価値よりも、こんなところだろうかと・・・。 | ||||
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不気味な始まり、同僚の死、手掛かりの無い闇の中、混乱に次ぐ混乱に、全員疲労困憊。上巻前半は、個人的問題をあれこれ抱えた主人公が、事件に振り回され、朝も夜も昼も無しの、ドロドロムード。いや、冴えません。 しかし、上巻後半、犯人の嘲笑的振る舞いに活路を見出したか、やけくそ気味ですが、あの、ヴァランダーが復活です。設定は、少々、粗雑ですが、マンケルらしい、鬼気迫る筆致、毒々しい程リアリティ溢れる心情描写が、場面に引き摺りこんで行きます。上巻最後は、「それはやめてくれー」と頼みたくなるような辛さです。 注)後半は、凄い迫力ですが、前半は、いつもより一層長いヴァランダーの愚痴愚痴ボヤキで、読むのが、相当辛いです。前半を乗り切れば、一気に読めます。 | ||||
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ヴァランダーは文学になって来た。スカダーには、まだ全然及ばないけれど。でも、作者の思いはスカダー以上かもしれない。スカダーはもちろん、ローレンス・ブロックのマット・スカダー。 でも、世を嘆き、国の状況を嘆く姿、そこに自らの使命と決意を思う姿は、単なる娯楽ミステリを超えている。大沢在昌の「新宿鮫」にもそんな雰囲気はあるけれど、ここではもっと強い。 さて、この作品、前半はとてもわくわくする。これは今年のベスト5は固いかと思った。後半もワクワクはあるのだけれど、あまりにヴァランダーに凡ミスや突っ走った行動が多くて、「アンタ、睡眠不足でミスばっかりで、それじゃぁ、優秀なのも認めるけど、リーダーとしては結構困った人だよ。」とたしなめたくなる。 数々のエピソードも、「捜査は、事件が解決しても全てが鮮明になるわけじゃないし、解決したら解明しなくてもよい部分はある。」というのが、確かにリアルでもあるんだけれど、小説の読者としては知りたいのだよね、スヴェードベリの周辺の出来事と過去とか。やっぱり知りたいのだよね。シリーズでずっと主要な登場人物の一人だっただけに、どんな人だったのか、細部までちゃんと知ってあげたいという気がする。 それにしても、雲をつかむようなところから無駄に終わる捜査をくじけずに積み上げて行って、小さな糸口を見つけながら、あらゆるものに発想のヒントを得つつ、可能性の低い方向も必ず追いかけて、最後には犯人を見つけてしまう、その手腕は文字を通じて横で見つめながら、「すごいなぁ」と感心してしまう。みんな不眠不休で、必死に働く。「あなたたち、みんながヒーロです。ありがとう。」と言いたくなる。 今後もヴァランダーは追いかけたい。魅力的なシリーズ。署の面々も、一人一人、どんどん魅力的に輝き出している。 ただ、既にすごく長いけど、気にしないから、細かなところまできっちり腑に落ちたいなぁ、この人とこの人はそういう気持ちで繋がったそういう関係だったんだ、と。それと、ヴァランダー、やたら忘れ物をして状況を混乱させたり、新人みたいな凡ミスで目の前で容疑者を逃したり、そういうのはさぁ、ちょっと作品の魅力を欠いてしまう。もっと違うことでサスペンスを高めて欲しい。だから、星は4つ。 外国の官憲の秘密情報庫で、下痢して困ってほんとにそこでウンコしちゃって、機密文書でお尻を拭いて、でも目的もちゃんと遂行して出て来るとか、そういう無茶苦茶ぶりは、下品過ぎるけど、強烈に人間味があって好きだったけれどね。疲れ過ぎて凡ミス連発の時は、まず、ちゃんと寝ないとね。 | ||||
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期待が大きい分だけ腰砕け。最初の殺人は被害者も異様なら、その処理の仕方も想像を超え、どんなに面白い展開になるのかを予感させるに充分であった。しかしだ、結果としてこのような小道具が後半で何も生かされない。これ以上はネタバレになるので触れないが。結局、犯人像は読者にも理解できないだろう。それにヴァランダーはいい加減なミスが多すぎて、自己管理のできないだらしのない単なるオッサンと紙一重になっているような気もする。色々な点で人間味も薄れ、次々と女性に振られる魅力のない人物とも思わせる。訳者に。上巻にある「進入」は「侵入」でしょうし、96年の作品なら「看護師」でなく「看護婦」でしょう。小山さんにも。リゴレットを「道化師」と呼ばないでください。 | ||||
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待ちに待ったヴァランダー・シリーズ最新刊!! ・・・・だったのですが、今回は正直苦しかった(苦笑)。 前作のようなスタイリッシュなプロローグもなく、事件もなんだかとってつけたような変てこな事件だし、同僚の死やら、無能でない読者ならすぐにピンとくる「謎の女」(謎でもなんでもないって!)の登場やらなんやらで、捜査の手法もなにもかも、無理無理な展開っ。 犯人の視点を中途ハンパにまじえたり、なんだか新人作家の作品読んでるみたいでしたよ(汗)。 いままでのようにホメまくりたかったのに。 みなさんにおススメしたかったのに。 随所に光るヴァランダーの独白や、魅力的な脇キャラに助けられてはいるものの、警察小説としてはいかがなものか?! という迷走の連続です。 まぁ、ヴァランダーの体調があまりよくないという設定ですから、「これはわざと???」って深読みさえしたくなる、いつもとは違う意味で「とほほ・・・」な気分に満ち満ちた読書体験でした。 まったくヘニング・マンケルらしくない! クライマックスの大捕りモノには、ヴァランダー自身、めちゃぶりを認めています(爆)。 そういうところ、憎めませんね〜。 作家もヒーローも苦悩した、格闘の末に生まれた作品、ってところでしょうか。 本音は☆2つですが、「ひいき」なんで1つオマケです。 シリーズものには山あり谷ありでしょう。 懲りずに自作に期待します。 | ||||
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まさに絶好調の作家だ。「殺人者の顔」から始まり、スェーデン警察小説の白眉、刑事ヴァランダーシリーズも7作目。本作は、同僚の刑事、そして若者3名+1名計5名が上巻で殺害されるといった惨殺事件、本当に血生臭いシリーズ最大の事件と言って良い。とにかくページを捲る都度に、残忍なる犯人人物探し、本格推理物顔負けの警察捜査小説、ミステリー好きには本当堪らない作品に仕上がっている。殺された(自殺した?)同僚刑事の犯人説、紆余曲折する展開、そして主人公刑事場ヴァランダーの体調(糖尿病?)の心配、別れた妻の再婚、娘、恋人との行方とシリーズ物の今後の展開含め、興味尽きない。 個人的にはシリーズ最高傑作、各書評誌絶賛だった「目くらましの道」と肩を並べる作品と評価しても良いと思う。それだけ、緻密に、丹念に描かれた警察小説である。 | ||||
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糖尿病を放っておくと大変・・・というかこの疲れっぷりは50代かと思いきやまだ50歳になっていなかったんだね。ヴァランダー大丈夫か? シリーズはあと2作あるのでここで死なないし引退もしないと分かっていても心配になってしまう。わが身に置き換えても身につまされすぎる(-_-;) でも相変わらず犯人に迫っていく過程は超一級品のミステリ。行ったことのないスコーネ地方(というかスエーデン)をありありと想像させる。 ネタバレになりそうなのであまり言えないが、犯人の造形が現代、まさに「今」にぴったり。10年以上前に書かれたとは思えない。想像を後追いする現実が怖い。 | ||||
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