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背後の足音



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【この小説が収録されている参考書籍】
背後の足音 上 (創元推理文庫)
背後の足音 下 (創元推理文庫)

背後の足音の評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

背後の足音の感想

ヴァランダーシリーズで邦訳されているものの中では最新の話ですが、彼の中年クライシスは止まるところを知りません。スウェーデンと言う国の背景を知るにはとても面白い作品ですが、あまりの悲哀っぷりにはちょっとどうなの?と思ってしまいます。
そこがこの作品の良さなのかもしれませんが。
信頼していた仲間が殺されて彼の秘密を追いかけていくのですが、なかなかその秘密にたどり着けない。
少しずつ真相がわかってくる過程はなかなか緊迫感があるのですが、いつも肝心な時に携帯わすてたりメモがなくなったりと、優秀なのにあまりにもポカが多すぎます。
もう少しミドルエイジの人達が元気になるように元気にしてあげても・・・と思ってしまいました。

たこやき
VQDQXTP1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

味わい深い警察小説

刑事ヴァランダー・シリーズの国内での最新作(シリーズでは10作中の7作目)。本シリーズは初読だったが社会派警察小説の醍醐味を堪能でき、これからシリーズを第一作から通読したいと思った。
国内・海外を問わず、最近非常に人気がある「警察小説」のジャンルだが、そのテイストは千差万別。その中で、どの作家・シリーズに近いかといえば、断然、スウェーデンの傑作警察小説シリーズ「マルティン・ベック」シリーズだ。もう30年以上の昔になるだろうか、マルティン・ベックに出会った時の衝撃を再び味わうことができた。
主人公は、スウェーデン南部の小都市・イースタ警察署のNo.2のヴァランダー刑事。50歳を目前にして、糖尿病と診断され、心身ともに折れそうになりながら、仮装パーティーを楽しんでいた若者たちと、イースタ署の同僚刑事を殺害した犯人を追う。狡猾で周到な犯人はほとんど物証や手がかりを残しておらず、捜査は難航し、時に迷走する。それでも、地道な被害者の背景調査と粘り強い聞き込みで、徐々に犯人を追いつめていく・・・。
妻に去られ、恋人とは別れ、唯一心がつながっていると信じている娘は大学生活のために離れた土地にいてたまに電話する程度の孤独な暮らし。そこにもってきての糖尿病で、まさに“中年クライシス”の真っただ中のヴァランダー刑事。それでも、検察や社会、マスコミからの重圧にも負けず(ときどきは負けそうになりながら)、糖尿病による渇きと疲労に耐えながら捜査にまい進する主人公には、深く共感を覚えずにはいられなかった。
最後に明らかになった犯人像とその動機を解明する過程で主人公たちが感じる、スウェーデン社会の底知れない不気味さ。それは、現在の日本社会の不気味さにも通じるものがある。いやむしろ、社会的な安定度でははるかに高いところにあると思われていたスウェーデンですらと考えると、我々ははるかに危険な社会を作り出し、薄氷の上で日々暮らしているのではないだろうか?
ダルグリッシュ警視シリーズ、リーバス警部シリーズの愛好者にはきっと気に入ってもらえるだろう。

iisan
927253Y1

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