(アンソロジー)
呼び出された男: スウェーデン・ミステリ傑作集
- 北欧ミステリ (199)
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入門編だな。 読んだら、それぞれの作家の長編を読みたくなる。 しかし、些か古いのでは。 今やオーサラーソンは入手困難。 ヘニングマンケルも絶版のものが。 一方でホーカンネッセルなどは、翻訳が少ない。 レイフGWペーションも。 楽しかった。それを評価して5点。 しかし、どの短編もまあまあだなあ、という気持ちもある。 | ||||
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厚さ23ミリの新書サイズで、持ちにくく、ひろげにくい、 つまり本を手に取る喜びの薄い読者フレンドリに欠けた製本、 おととし読んだ”死者の国”はもっと厚かったが、物語の牽引力が強く久しぶりに一気読みした本だったが、本書はそこまでの魅力は感じず、結果、全編読みづらかった印象、 ハヤカワ・ミステリを読んでいる自分自身に酔える読者はともかくとしてハードカバー並みのプライスでこの製本はどうかと思った、 作品其々はそこそこの仕上がりばかりと思う、 アンソロジーらしく全17作品の中に必ず読者其々好みの作品が見つかると思う、 北欧のミステリは数多く紹介されているが長編が多く、きっかけ的に本書のような短編集を読んでみるのに最適かもしれない、 S・ラーソンが書いたミレニアム全三部六冊読破を初めて15ヵ月経過したが、まだ四冊目、 物語に魅力はあるが、どうにも読みにくい文章のためになかなか先に進まない、 訳文の一文一文はまっとうな日本語になっていると思うが、小説として先に進ませる牽引力のようなものが欠けており、読書にスピードが乗らないのだった、 翻訳の癖がそうさせるのかと思っていたら、ラーソンが残した小説はミレニアムだけではなく本書収録の短編SFの存在を知り口直し的に本書を手に取ってみたのだが、やはりどの作品もスピード感を感じない日本語訳であった、 で、私的には”郵便配達人の疾走”がいちばん楽しめた、 20世紀初頭の極寒の開拓地で起きた殺人事件を保安官が解決する小編で、作品に充満するアメリカの西部劇的な情緒が素晴らしい、 舞台となるのはスウェーデン最北の鉱山都市キルナ、 そこで私はハッとなった、 ”ドラゴン・タトゥ”に登場するヴァンゲル財閥は同作の中でストックホルムから北上する鉄道を敷設したと語られている、 ヴァンゲル財閥の基礎を成した産業の一つが鉄鋼とも語られている、 つまり今日現在も掘り続けられている世界最大の鉄鋼石鉱山であるキルナ鉱山から掘り出された鉄鉱石を運ぶために国の南部から最北の町までが鉄道で結ばれたことになる、 おそらくスウェーデン人であればヴァンゲル財閥のモデルとなった起業家一族が想起できるのだと思われる、 スウェーデンにも日本の明治以降の殖産興業をリードした三井三菱のような財閥があったに違いないのである、 ついでにデータを漁ると面白い事実を見つけた、 キルナ鉱山の鉄鉱石をスカンジナビア山脈を越えてノルウェーの不凍港に運ぶための線路ももちろん通じていることである(ナチスはノルウェーの不凍港が欲しくて早々に占領したのだった)、 各編の前後に一ページもしくは二ページの解説が着く仕様だが、解説を読んで驚いたのが、各作家の来歴または家族関係に元共産主義者・元社会主義者に類する記述が頻出すること、 ラーセン・ミレニアムはいうに及ばずだが、収録作品の多くにキリスト教に対する信仰を感じさせない登場人物が多く、社会認識の基本に階級と性別の差を強調したがる傾向があるのだった、 収録作品中でも最も短いのが”カレンダー・ブラウン”、 読み始めれば誰もが実在した彼女の話だなと気付く絶妙な短編だが、作者のサラ・ストリッツベリは”男性根絶協会マニフェスト”のスウェーデン語翻訳者でもあると解説されているのだった、 ”ミレニアム”の基調を成すのは父に虐待されて育ち強権と権威主義・官僚主義に反発を繰り返すリスベット・サランデルである、 ”ミレニアム”の原作でも映像化版でもリスベットの不幸は強調されるが、同時に幸福な女たちも満ち足りた家族も当たり前のように存在していることも十分に描写されている、 多くの物語が対立概念構造を持つことは語るまでもないが、主人公の不幸を強調するために対立を個人対個人に限定することなく妄想としての層対層に拡大解釈して語る、もしくは語らざるを得ない衝動は脳みそが共産党系の思想に汚染されているからだろう、 ソ連と国境を接し直接戦争を戦い国民自らの知恵と血で自由を守ったフィンランドと異なり、一時的にナチス・ドイツにすり寄った国政が行われながらものらりくらりと20世紀をやり過ごしたスウェーデンには共産主義系の思想・行動に対する明確な批判や嫌悪が薄い可能性を考えてしまった、 特に”ドラゴン・タトゥの女”映画版に顕著だが、元ナチスを登場させ、親ナチス時代を無かったかのよう過ごす戦後スウェーデンを嫌みたっぷり語ったのはデビッド・フィンチャーの慧眼だったと評価すべきだろう、 だから近年話題になることが多い過激な環境保護主義先導者グレタ何某のような共産主義系の過激な政治活動が活発に行われる下地のようなものがスウェーデンには存在するのも宜なるかなと思うのだった、 全人口が一千万人に及ばない小国が日本ののん気な善人気取りが思い描くような理想国でないことも垣間見える本だった、 なお、原書題名 A Darker Shade Of Swedenはプロコル・ハルムの名曲 A Whiter Shade Of Pale(邦題:青い影)の引用、 プロコル・ハルムは北欧・ドイツ圏では本国イギリス並もしくは以上に人気があることが影響していると思われる、 | ||||
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スウェーデン・ミステリ傑作集と謳うだけあって、スティーグ・ラーソンの客引き目当ての表題作以外は、かなり高水準の作品揃いで、ありがちな良い作品揃いが却って単調に感じると云うこともなく、それぞれが個性的でおもしろい!難を言えば“はじめに”のスウェーデン・ミステリの系譜は貴重だが、作品を味わってから巻末にお願いしたいし、なにより作品の前後にまるで針の跳んだレコードのように重複する作者情報を掲出するのは如何なものか…と思わざるを得ない(ФωФ) | ||||
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北欧ミステリーはどれもページ数が多く読み応えがあって好みだけれどこんな短いのもなかなかいい。書ききらないからクライマックスの続きは読み手におまかせされて、本編楽しみました。長~い前書きと中間の解説こそ短編にしてほしかった。そこの読破に疲れました。 | ||||
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北欧ミステリの最近の隆盛は目をみはるばかりだが、本著はスウェーデンの作家を 集めたアンソロジー。 SFタッチのスティーグ・ラーソンの『呼び出された男』、若き日のイェルロフが登場する ヨハン・テオリンの『乙女の復讐』など佳作が多い。 ペール・ヴァールーとマイ・シューヴァルの『大富豪』のように風刺が効いたものもあり 幅広い作風の短編が収録されている。 "A Darker Shade of Sweden"という原題どおり、スウェーデンという福祉社会の 影の部分を扱ったものが多く、舞台は地方もあれば都市部もある。 少し物足りない作品もあるが、日本では知られていない優れた作家が スウェーデンに多く存在することを確認できた。北欧ミステリファンなら きっと読んで楽しめる一冊です。 | ||||
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