大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。

“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

警察小説ナンバーワンヒット! 姫川玲子シリーズ 二十年前の少女失踪事件は、何を引き起こしたのか!? 俺は決してあきらめない きっと彼女を捜し出す! 東京葛飾区のマンションで女子大生が殺害された。

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

蝶の撮影で海外に出かけたきり、10日間も音信不通だった写真家の父が帰ってきた。

結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか 共感と絶賛の声続々! あたたかなエールが届く共感度100%小説! 東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。

直木賞作家が５年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

人はなぜ人を殺すのか――河内音頭のスタンダードナンバーで実際に起きた大量殺人事件＜河内十人斬り＞をモチーフに、永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で<能面>と呼ばれている。

17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ 私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。

「大きくなること、それは悲劇である」。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

高齢ドライバーによる死亡事故、それは本当に〈老いの宿命〉だったのか? 高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった―。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。

金欠、妄想、愛憎、暴力。救いようもない最底辺男の壮絶な魂の彷徨は、悲惨を通り越し爆笑を誘う。

安政七年（１８６０年）。笠間藩士・小野友五郎はサンフランシスコを目指す咸臨丸の船上にあった。

誰とも比べなくていい。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

稼業ひとすじ45年。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

ヴェトナムの戦場を肌で感じ生と死の異相を鋭く凝視した『輝ける闇』。

誰にでも青春があった。被害者にも犯人にも、そして刑事にもー。

ほかの星から流れ着いた〈妖精〉は従順で謙虚、ペットとしてたちまち普及した。

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの？　青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。