雨と夢のあとに
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ドラマシリーズは観ていないのですが、全く別物らしいので、 小説版のみのレヴューです(でいいのか?いいよね)。 最初の数頁と惹句でネタバレしているので、こういう素材、 柳美里氏はどんな風に書くのかな、と多少の好奇心とともに読む。 ……え!? 普通に、自然に可愛いよ、主人公とそのBF.。 雨ちゃん、可愛いよ。途中で人格豹変したらどうしよう、と ちょっとドキドキしながら読みましたが、最後までキープ。 「あとがき」で納得。柳氏をこよなく愛し慈しんだ人たち (故人含む)のミキシングが「お父さん」だったのね…。 雨ちゃんワールドでは「お母さん」になり得たかも知れない お隣の暁子さん、もう少し普通に他界してくれていたら… とは思いますが、親切な伏線で相当の覚悟は出来ていたさ。 子供心に山田太一著「異人たちとの夏」(新潮社・1987年)の映画に 感銘を受けて(映画館ではなくTV放映で観たような…)原作読んで以来、 この流れの話に弱いです。しかし何といっても、この作品の白眉は 雨ちゃんの「お父さん」と実母が出会った状況の「お父さん」による 語りだったりする…「おれは生まれてはじめて号泣してる人を見た」。 序盤のさりげない一文、短編小説の一行目位のインパクトでした。 こんなに哀しくて優しい「少年の恋」があっていいのか…。 主役は雨ちゃんですが、「お父さん」にまつわるエピソードが 絶妙なバランスで出てくるところ、柳氏、さすがに劇作家出身です。 場面転換がイヤミなく巧いんだよなあ…。 | ||||
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学生時代に深夜にドラマをやっていたのを思い出し購入しました。 ドラマとは、少し話が違いますが、これはこれで楽しめます。 泣ける!!! | ||||
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文中にも『雨月物語』について語られているが、おそらく彼女も私と同様『雨月物語』に感銘を受けた一人なのだろう。古語で描かれる文章の神秘的なの美しさはもちろん、人間の思い、魂の持つエネルギーというものを強烈に感じさせられた作品だった。 『雨月物語』『雨と夢のあとに』怖い話であるはずなのに美しいのはなぜだろう。文章?雨とフォーレの『夢のあとに』が通奏低音のように響く情景描写?それだけではないと思う。幽霊=人間の魂。肉体などの余計なものを取り外して究極につき詰めた魂というものが、こんなにも美しいのだと教えられるのだ。 作品の中で、主人公は始終孤独である。小学6年生の目線でつづられる文章で貫かれているが、客観的に自分を見つめる様子が余計に孤独さを強調させる。しかし、その中に父親が一人ポンと登場するだけで、瞬時に彼女は孤独から解き放たれる。学校にいても、友人と会話していてもぬぐい去れない孤独感が、父親の登場だけで一転する。 主人公 雨 の父親、朝晴は不慮の事故で死んでしまうが、魂を飛ばして雨のもとに帰ってくる。ふと、自分が死んでいることに気付いたのはいつなんだろうと思う。初めから?いや、途中で?だんだんと?「とにかく雨のもとに行かなくては」魂を飛ばすほどの力が突発的なものだったのか、常日頃抱いている愛情が磁石が鉄を吸い寄せるようにそうしたのかは分からないが、彼の父親としての愛情がゆるぎないものであったことには違いないのだろう。 実の母親にそれまで本当の親だと信じていた朝晴がじつは赤の他人であると告げられ、帰ってきた彼が幽霊であることを知るが、主人公にふりかかるこの一連の辛い出来事は、むしろ主人公と父親の強い結びつきを確信させている。 人間は純粋に心をゆだねることのできる対象があるだけで、確固たる強さを手にすることができると思う。過去の作品に描かれていたように、彼女は生い立ちや周囲を取り巻く環境によって、さまざまな傷を心に負ってきた。だが、東由多加 氏との出会いから死による離別という一連の出来事を通じて得た二人の絆が、彼女にこの先の人生を生きていく上での絶対的な力を与えたのだと思う。 主人公の雨もきっとそうなのだ。雨と、夢のようなあの出来事の後には・・・。きっと素晴らしい人生が待っていると思う。 彼女の心の昇華が織りなした美しい作品である。 | ||||
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5年ほど前に金曜ナイトドラマで見て、黒川智花ちゃん、沢村一樹さんら豪華キャストが印象深かったことを思い出し、最近になって原作を読んでみました。ドラマと設定は若干違いますが面白いので一気に読めます。親子愛を感じられるホラー作品ですね。「雨と夢のあとに」というタイトルも良いですね! | ||||
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父親の死が美しく、悲しい。 本書では父親は恋人と置き換えても違和感がない。 愛の対象の喪失感が死と混じりあった視覚的な表現です。 隣室での死のイメージが何度も繰り返し示され、結構怖い。 恐怖の描き方は作家によって異なります。 なぜなら人にとって何が怖いかが違うからだ。 本書を読んで、柳美里にとっての恐怖は「孤独」だと思った。 この本は恐怖小説の体裁を取った孤独小説である。 | ||||
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