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雨と夢のあとに
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雨と夢のあとにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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ドラマシリーズは観ていないのですが、全く別物らしいので、 小説版のみのレヴューです(でいいのか?いいよね)。 最初の数頁と惹句でネタバレしているので、こういう素材、 柳美里氏はどんな風に書くのかな、と多少の好奇心とともに読む。 ……え!? 普通に、自然に可愛いよ、主人公とそのBF.。 雨ちゃん、可愛いよ。途中で人格豹変したらどうしよう、と ちょっとドキドキしながら読みましたが、最後までキープ。 「あとがき」で納得。柳氏をこよなく愛し慈しんだ人たち (故人含む)のミキシングが「お父さん」だったのね…。 雨ちゃんワールドでは「お母さん」になり得たかも知れない お隣の暁子さん、もう少し普通に他界してくれていたら… とは思いますが、親切な伏線で相当の覚悟は出来ていたさ。 子供心に山田太一著「異人たちとの夏」(新潮社・1987年)の映画に 感銘を受けて(映画館ではなくTV放映で観たような…)原作読んで以来、 この流れの話に弱いです。しかし何といっても、この作品の白眉は 雨ちゃんの「お父さん」と実母が出会った状況の「お父さん」による 語りだったりする…「おれは生まれてはじめて号泣してる人を見た」。 序盤のさりげない一文、短編小説の一行目位のインパクトでした。 こんなに哀しくて優しい「少年の恋」があっていいのか…。 主役は雨ちゃんですが、「お父さん」にまつわるエピソードが 絶妙なバランスで出てくるところ、柳氏、さすがに劇作家出身です。 場面転換がイヤミなく巧いんだよなあ…。 | ||||
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学生時代に深夜にドラマをやっていたのを思い出し購入しました。 ドラマとは、少し話が違いますが、これはこれで楽しめます。 泣ける!!! | ||||
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文中にも『雨月物語』について語られているが、おそらく彼女も私と同様『雨月物語』に感銘を受けた一人なのだろう。古語で描かれる文章の神秘的なの美しさはもちろん、人間の思い、魂の持つエネルギーというものを強烈に感じさせられた作品だった。 『雨月物語』『雨と夢のあとに』怖い話であるはずなのに美しいのはなぜだろう。文章?雨とフォーレの『夢のあとに』が通奏低音のように響く情景描写?それだけではないと思う。幽霊=人間の魂。肉体などの余計なものを取り外して究極につき詰めた魂というものが、こんなにも美しいのだと教えられるのだ。 作品の中で、主人公は始終孤独である。小学6年生の目線でつづられる文章で貫かれているが、客観的に自分を見つめる様子が余計に孤独さを強調させる。しかし、その中に父親が一人ポンと登場するだけで、瞬時に彼女は孤独から解き放たれる。学校にいても、友人と会話していてもぬぐい去れない孤独感が、父親の登場だけで一転する。 主人公 雨 の父親、朝晴は不慮の事故で死んでしまうが、魂を飛ばして雨のもとに帰ってくる。ふと、自分が死んでいることに気付いたのはいつなんだろうと思う。初めから?いや、途中で?だんだんと?「とにかく雨のもとに行かなくては」魂を飛ばすほどの力が突発的なものだったのか、常日頃抱いている愛情が磁石が鉄を吸い寄せるようにそうしたのかは分からないが、彼の父親としての愛情がゆるぎないものであったことには違いないのだろう。 実の母親にそれまで本当の親だと信じていた朝晴がじつは赤の他人であると告げられ、帰ってきた彼が幽霊であることを知るが、主人公にふりかかるこの一連の辛い出来事は、むしろ主人公と父親の強い結びつきを確信させている。 人間は純粋に心をゆだねることのできる対象があるだけで、確固たる強さを手にすることができると思う。過去の作品に描かれていたように、彼女は生い立ちや周囲を取り巻く環境によって、さまざまな傷を心に負ってきた。だが、東由多加 氏との出会いから死による離別という一連の出来事を通じて得た二人の絆が、彼女にこの先の人生を生きていく上での絶対的な力を与えたのだと思う。 主人公の雨もきっとそうなのだ。雨と、夢のようなあの出来事の後には・・・。きっと素晴らしい人生が待っていると思う。 彼女の心の昇華が織りなした美しい作品である。 | ||||
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5年ほど前に金曜ナイトドラマで見て、黒川智花ちゃん、沢村一樹さんら豪華キャストが印象深かったことを思い出し、最近になって原作を読んでみました。ドラマと設定は若干違いますが面白いので一気に読めます。親子愛を感じられるホラー作品ですね。「雨と夢のあとに」というタイトルも良いですね! | ||||
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父親の死が美しく、悲しい。 本書では父親は恋人と置き換えても違和感がない。 愛の対象の喪失感が死と混じりあった視覚的な表現です。 隣室での死のイメージが何度も繰り返し示され、結構怖い。 恐怖の描き方は作家によって異なります。 なぜなら人にとって何が怖いかが違うからだ。 本書を読んで、柳美里にとっての恐怖は「孤独」だと思った。 この本は恐怖小説の体裁を取った孤独小説である。 | ||||
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ドラマは知ってましたが、原作と出会ったのは最近でした。表紙が綺麗だなーと思って手にして、少し読んで「…?」と思って初めて柳美里さんの作品を拝見しました。とっても不思議で、納得出来て、やはり不思議。そんな読後感です。すんなり心に残るのも不思議。切ないけど、甘い。上手く表現出来ないですがとてもいいです。暁子さんの最後のシーンはひどく生々しいけど、生々しいから良いとも思う。読んだ後の今はふんわり包まれてるような感じになります。雨の擬似体験してる??? | ||||
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キャラメルボックスの舞台→TVドラマ→原作と普通とは逆の方向にたどってやってきました。柳美里さんの小説は何冊か読んでどうも肌に合わないと思っていて避けていたのですが、舞台がとても良かったので原作までたどり着いたのですが…… 原作は「雨」の物語ですね。舞台は「朝晴」の物語でTVドラマは「家族」(周りの者も含めて)の物語と感じました。 原作は「孤独」や「死」が強く映っていて、その中で観覧車から降りた雨の美しさ、力を感じました。 個人的には娘をもつおじさんの私としては「朝晴」に入り込んでしまうんですね。「娘を残して死ねない」という強い気持ち、その気持ちが一番強く表れた舞台版が一番好きですが。 | ||||
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どうもドラマ版のファンにはあまり評判の良く無い原作版「雨夢」ですが、柳美里さん の今までの小説を読んでいるかで評価は確実に分かれると思います。 ワタシが最初に柳美里さんの小説に出会った「家族シネマ」以降、彼女の小説はそのほ とんどが実話・体験に基づいた私小説です。 そしてこの「雨夢」も柳さんの体験に基づく願望ないしは妄想が生んだ、所謂かたちを 変えた私小説であるといえます。つまりは、この「雨夢」という小説は柳美里さんの 生き様=小説群の流れの中の一点であるというバックボーンの知識を持っているかどうか で単なるホラー小説なのか別の何かなのかという点が読者側で変わってくるという かなり変わった構造を持っている小説だといえます。 雨の反応やメールでのやり取りは現代の子供としては大変にリアルなので、今、読むべき 小説だと思います。こういった部分は10年後には陳腐化していて違和感を感じる事必至 なので。浜名湖パルパルに向かうところも個人的には生々しくていいのですが、いちばん ホラーな部分は生々しすぎて勘弁してほしいとも思いました。 以下余談。 初めて鈴木光司氏の「リング」を読んだとき、怨念である貞子の人生がそれ以前に読 んでいた柳美里さんの人生によく似ている部分があったので、それから10年近く、イメ ージがかぶったままでした(差別を受けるところや、美人なのでおかしい男が寄ってくる 事、そして劇団に入団することなど)。で、ドラマ版の暁子さん=映画の貞子の木村多江 さんだったので驚いたのなんのって。 | ||||
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「死者と話したい」「一緒にいたい」−。東由多加氏との壮絶ともいえる闘病の末の別れを経て、彼女はその思いが強かったんでしょうね。12歳の残された娘・雨の言葉はそっくりそのまま作者自身の思いであり、感じる気持ちも痛いほどに生々しい。単なる「作り事」ではないものを感じます。 妥協を許さず、これでもか、これでもか、と内面へと向かって突き進み、自分を追い詰めていくかのような内容は、若き日、演出家であった東氏に鍛え上げられた作者の財産と思います。私の中ではやはり柳美里は「血を流し続ける作家」との感を強くしました。 | ||||
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最近の小説で死者蘇らせるのやめようよ、と個人的に唱え続けているのだが、ことこの作品に関しては、点が甘くなってしまう。先に「命」三部作を読んでいるからだろう。血の繋がらない我が子を見守るためにさ迷う魂……確かに作者の中ではそれは「本当のこと」なんだと思う。 むしろひっかかるのは父親の人物造形のほうかも。カッコよすぎるのだ。この作者の描く、人の生々しさみたいなものが全くなくて、つくりものっぽい。ドラマ原作だから? ただ、十二歳の少女の語りのみずみずしさは魅力的だった。全てのことを知り始める年齢。ケータイメールの文章も含め、いきいきとしたリアルさに満ちている。作者の中に息づいている少女性がそのまま写し取られた感じだ。 隣に住む暁子さんは、初め、何のために出てくるのかわからなかったが、この人の死体の場面が凄い。以前、蛆に蝕まれる女の死体を描くのは藤沢周くらい、と書いたけど、違いました。この場面があるからこの作品は柳美里作品になっている、とすら言えるだろう。 | ||||
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父親の死の場面が美しく、悲しい。 隣室での死のイメージが何度も繰り返し示されるのですが、私は結構怖かったです。 恐怖の描き方は作家によって異なります。 なぜなら人にとって何が怖いかが違うからだと思う。 本書を読んで、柳美里にとっての恐怖は「孤独」だと思った。 そして本書は、実は恐怖小説の体裁を取った孤独小説である。 | ||||
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設定があまりにも私の幼い頃に似ていたのでツラクテ、かみしめながらよみました。雨のように、自分を客観視する事がうまくなかった私は、当時の自分を改めて、理解する事ができました。子供にも、しっかり心がある事を大人には、忘れないでもらいたいです。そう思わせる作品でした。 | ||||
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本当に会いたくて、会いたくてたまらないから、主人公の桜井雨は、死んでしまった父の桜井朝晴が見え、一緒に生活が出来たんだと思う。でもいつまでも続くわけなどないそんな不自然な生活・・・ 切なくて涙しました。 | ||||
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テレビ朝日放映ドラマの原作本。 でも、ドラマとは全く別物として読んだほうが良いでしょう。 ドラマの余韻を残したまま読むと、「あれ?」と思うかもしれない。 主人公は六年生の女の子、 この女の子の心理状況を楽しみながら 読めるのは小説ならではですね。 | ||||
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ハッピーエンドでなくてこんなに満足な小説は初めてです。ドラマもはまってます。 | ||||
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主人公の少女は「今時」の6年生で、友達とやり取りするメールの文章、言葉遣い、好きな服や音楽・・・どれを取っても「今時」の軽さがある。その、徹底的な現実の世界と、死んだ父と過ごすという幻想的な世界の、妙なアンバランスさがこの小説の魅力だと思う。父が死んだという事実を、時には「寂しさ」や「恐怖」に縛られそうになりながらも、少しずつ体に染み込ませるように認めていく少女の強さが心に残ります。 | ||||
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本書が原作となっているテレビ朝日系放映のテレビ ドラマを先に見て、ああ、芥川賞作家の柳美里も、 重い私小説は卒業して、通俗的な怪談恋愛モノを 書くようになったんだ、とショックを受けた昔からの 柳美里ファンは安心してほしい。 本書はいちおうドラマの原作ということにはなって いるが、まったく別の物語と考えてほしい。 むしろ彼女が芥川賞を受賞した前後の、私小説的な 作品の閉塞感や絶望感は消え、強い倫理性に裏打ち された不思議な透明感のある親子愛の物語になっている。 テレビドラマでは主人公の桜井雨は高校生だが、 原作では小学6年生の無邪気さを残す少女だ。 ドラマでは何人も幽霊が登場し、残された人々の 愛情に気づくことで成仏(?)するというワンパターン の一話完結ものになっているが、原作に登場する 幽霊は雨の父親と、ある理由で死んだ人の二人だけ。 あくまで雨と父親の穏やかな愛情が、限りある日々の なかで静かに交感される、淡々としつつも深い感動を 残す小品。まさにフォーレの『夢のあとに』のようだ。 幽霊の希薄な存在感をさりげない文体で、説得力を もって描く柳美里の筆力はさすが。はじめて柳美里を 読む人にもおすすめだけれど、彼女の初期の小説や 戯曲を愛していた人たちも、まったく裏切られること はない、美しい小説である。 | ||||
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初めて柳美里さんの本を読みました。 思った以上に面白く、すいすい読めてとても面白かったです。 親子愛がとても感動しました。 読んで損ゎ、ないと思います☆★ 今まで読んだ中でオススメの一冊です♪♪ | ||||
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