逢魔が時の謎めいた光に浮かびあがる血ぬられたスクリーン…芥川賞作家・松浦寿輝がつむぎだす官能の迷宮…形而上学的推理小説。

おまえの詩は盗作だ、と指弾される詩人。死ぬときの姿勢にこだわる入院患者…。

なにげない日常の延長線上に広がる、この世ならざる世界。

希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。

勤めていた大学に辞表を出し、寂れた島に仮初の棲み処を求めた迫村。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。

冥界への入り口に咲くというあやめの名を持つスナックで同級生との再会を待ち望む男。

1941年12月8日未明、日本軍はハワイオアフ島の真珠湾軍港を奇襲攻撃、太平洋戦争が始まった。

著者のエッセンスが満載された最後の短編集 八人の子供がいる家庭へ脅迫電話。「子供の命は預かった」。

文学の道化にして帝王。この男のおかげで世界は黒い嗤いに満ちてきた――。

物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。

出産を控えた姉に毒薬の染まったジャムを食べさせる妹…。

著者自ら「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」と宣言する究極の小説、ついに刊行! 河川敷で発見された片腕はバラバラ事件の発端と思われた。

現実が終わり、伝説も終わる―。アメリカ大統領に迫る核テロの危機。

こうして書棚の秘密は私とＢ、 二人だけのものになった―― ハリウッド俳優Ｂの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。

「あなたの人生の物語」を映画化した「メッセージ」で、世界的にブレイクしたテッド・チャン。待望の最新作品集がついに刊行。

娘はボダ子と呼ばれた。ボーダーだからボダ子。

これは究極のパロディか，抱腹絶倒のメタフィクションか！　大学に内緒で小説を発表している唯野先生は，グロテスクな日常を乗り切りながら，講義では印象批評からポスト構造主義まで壮観な文学理論を展開して行くのであったが…．「大学」と「文学」という2

戦時下の弾圧で壊滅し、戦後復活し急進化した“教団”。その激動と興亡を早逝した天才作家が壮大に描く永遠の必読書。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

舞台は2026年東京。 放射能汚染によって隔離された被災地「島」からやってきた、天才的騎手・喜多村ヤソウ。

「大きくなること、それは悲劇である」。

一番近くにいるのに 誰よりも遠い。 海釣りに出たまま、二度と帰らなかった夫。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

どこまで行っても、宇宙にはなにもなかった―空っぽの宇宙空間でただよい続け、いまだ出会うことのないバナナ型宇宙人を夢想し続ける無人探査機を描く表題作、淡々と受け継がれる記憶のなかで生まれ、滅びゆく時計の街を描いた「エデン逆行」など全10篇。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

クラスでは目立たない存在の結佳。

北から南へ、そして南から北へ。

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。

ヤクザ、ホステス、不動産業者、町の出納室長。欲望と思惑は複雑に絡み合い、互いを取り返しのつかない地点へと追い詰める。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

「握りつぶされた真実を告発すること」を目的とした新聞の創刊を目指し、パイロット版として「ヌメロ・ゼロ(ゼロ号)」の編集に取り組む記者たち。

一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。

平成15年に発生した一家殺人事件。最有力容疑者である次女は薬物の過剰摂取のため浴室で死亡。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

身寄りなし。写真付きIDなし。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。

「犯人はここにいる全員です」ーーリゾート旅館の支配人が惨殺され、従業員6人が自首したが、彼らの供述にはあいまいな殺意しかなく、支配人が殺された理由がわからない。

母親がもたらすストレスで精神を病んだ大西恵子。父・浩平は娘のために親子二人暮らしを決意し、神戸へ。