ボダ子



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初公開日(参考)2019年04月
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長編小説

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ボダ子 (新潮文庫)

2022年01月28日 ボダ子 (新潮文庫)

娘はボダ子と呼ばれた。ボーダーだからボダ子。 ボーダーとは境界性人格障害と呼ばれる深刻な精神障害で、それは成長とともに軽快する障害だが、その一方で、成人までの自殺率が十パーセントを超えるという。またリストカットをはじめとする自傷行為も繰り返す――。 消費者金融会社で辣腕をふるい、35歳で起業して、一時は年商十億円を超える会社の社長となった大西浩平。浩平には、3人めの妻との間に、一人娘がいた。だが、浩平の家庭を顧みない生活と母親からの虐待により、一人娘はボーダー(境界性人格障害)を発症、自傷行為を繰り返す。娘から目が離せない生活が始まり、やがて事業は破綻する。 東日本大震災の復興事業に起死回生の道を探る浩平は、娘と元妻とともに被災地へ向かう。被災地でのボランティア活動を通し、娘には笑顔が戻ってきた。そして浩平も、大きな金儲けの糸口を掴むが――。 著者の実体験に基づく衝撃の作品。山本周五郎賞候補作となり、「候補作の中では最も文学的魅力を感じた」「圧倒的筆力」とも選評された。また、文庫化に伴い作者の後日談を含む「文庫版あとがき」を収録。(「BOOK」データベースより)




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ボダ子の総合評価:7.85/10点レビュー 39件。Dランク


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No.39:
(1pt)

嫌悪感

苦手なタイプの本でした。
女性には生々し過ぎる描写が多く、タイトルの『ボダ子』、境界性人格障害の娘についての深い考察や救済や治療、触れ合いの少ない荒涼とした親子の姿にこころが荒んだままの読了となりました。
実話に近いとありました。
被災地で色ごとにのめりこみ、問題を抱えて足掻く娘に無関心な父親に嫌悪感をおぼえ、胸が荒みました。
ボダ子Amazon書評・レビュー:ボダ子より
4103524812
No.38:
(5pt)

引き込まれました。

ラジオで対談していたのを聞いて興味を持ち読みました。
内容から察するにかなり実話に近いみたいです。

あとがきにも100%実話ですと書いてますが、そのすぐ後に方便ですみたいなことも書いてますよね。

泰子の件、さすがにあれはフィクションですよね?
じゃないとあまりに泰子さんが可愛いそ過ぎます。
ボダ子 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ボダ子 (新潮文庫)より
4101035814
No.37:
(5pt)

実話

作者の実話であり、感慨深い作品
ボダ子 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ボダ子 (新潮文庫)より
4101035814
No.36:
(3pt)
※削除申請(2件)

ボダ子はボーダーラインか?

ボダ子は、作中でたびたび言及があるように、小さい頃から、過剰なほどのお世話好きである。そしてその献身が他者に認めらるかどうかがボダ子の情緒を大きく左右する。
 ボランティア仲間との狂態も、他者に喜んでもらうこと、そうして認められることを求めての奉仕(それは多分に依存でもあるし、見捨てられる不安から来るものでもあるのだろうが)の一環なのかもしれない(そしてそれは彼らにとってはボダ子につけいる隙、ボダ子にとっては最大の弱み、なのだろう)。これらはクレッチマーの循環気質に当たる特徴であると考えられ、それはとりもなおさず、双極性障害に特徴的な病前性格でもある。そう考えると、小学校高学年でそのお世話好きが周囲に認められず、自己評価が下がったことから強い抑うつ状態に陥ったことも理解できる。援交していた時期は軽躁状態であったのかもしれない。ボランティアでの興奮も、軽躁状態でのそれかもしれない。もしそうなら、最初に入院した病院でのパキシルの処方は、的外れであったかもしれない。むしろスタビライザーが第一選択肢として用いられるべきだったのではないだろうか。そう考えると、退院した夜の万引きや自傷も、パキシルによる躁転と考えられなくもない。
 ボダ子は活動の中で誰よりも多くのお年寄りから「お茶っこ」に誘われ、高い共感能力を発揮している(もちろん別の意味でのお誘いも次第に増えていったのであろうが、初期では実際に生き残った高齢者の話を聞き、心を振るわせているようだ)。また双極性障害の場合も躁状態の時には、見境のない性行為に走りやすい。
 また作中では、「その疾病(ボーダーラインパーソナリティ)を患った人間の多くが、その後、介護やカウンセラーへの道を選ぶ」と述べられているが、それも高い共感性に裏打ちされたお世話好きならさもありなんである。そしてこのことは、うがった見方をすれば、元々社交性が高くお世話好きで共感能力の高い、多くの双極性障害者が、ボーダーラインパーソナリティと誤診されていることを暗示してはいないだろうか?
 双極性障害者がどうしても、他者との関係性の中で生きることにあくせくとし、他者からの評価に一喜一憂し、依存的になりやすいことは否めないのだろう。そしてそのことが彼らを「ボーダーラインパーソナリティ」と誤診されることが少なくないのかもしれない。
 しかし、双極性障害というフィルターをかけてみることで、またその特性を生かし伸ばす方向での支援が得られることで、社会的に適応していける、ボーダーラインパーソナリティと見なされている患者は少なくないのではないだろうか。
ボダ子 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ボダ子 (新潮文庫)より
4101035814
No.35:
(4pt)
※削除申請(1件)

テイカーの成れの果てを見たようだ

ぬるいバリウムを飲まされたかのような気持ちの悪い読後感。
文庫本をカバンにしのばせ、隙間時間にゆっくり読んだ。私は面白い本だと、問答無用に一気読みする。逆に面白くなければよむのをやめる。この本はそのどちらでもなく、とにかくゆっくりと少しずつ読んだ。何ヶ月かかけて読んだ。私としては異常な読み方だった。
そして読み終えた。その頃丁度、「ギバー=与えるもの」「テイカー=奪う者」という理論を知った所で、この主人公はテイカーの成れの果てだと思った。
「テイカー」とは「自分の利益のためだけに、人から奪おうとする人」のことだ。
この主人公は、驚くほど自分の利益に敏感だ。そして自分の不利益からは徹底的に逃げる。他者にはとことん鈍感だ。
利益は何もお金のことだけではない。
精神的な苦痛は彼にとって不利益であり、そこから逃げるために容赦なく幸薄い女性を慰みの対象として扱う。同居する(元)妻にもどうしようもない嘘を繰り返す。(責められるのが嫌だから)さっさと言やぁいいのに。でも逃げるのだ。その方がかんたんだから。
一種、その徹底的なテイカーぶりに、天晴れと言いたくなる。
快楽に正直な所が、唯一の爽快さだ。そこら辺が読み進められた理由かもしれない。

この主人公が唯一ギバー=与える者になるのは娘の「ボダ子」に対してのみである。ボダ子に対してのみ、無償の愛的なものを匂わす。
ただ、元が根っからのテイカーなので、その無償の愛もどこか中途半端だ。だけど、テイカーの彼にとってそれはある意味「最大限」なのだと思う。
ボダ子はボランティアスタッフとして働くが、ボダ子の気質はギバーだとすると、自己犠牲型のギバーだ。
ギバーは、自己犠牲型と他者思考型に別れるが、前者はもっとも社会的に成功しにくい。そして後者は逆に社会的に成功しやすい。

テイカーはテイカー同士でコミュニティを構築しがちなので、案の定主人公よりひどいテイカーがどんどん周りを固めだす。途中何度も「金をなんとかせな」と焦燥に駆られる場面が出てくる大切なことをとことん避け続けた結果どんどん金運からも遠ざかる。この主人公は仕事が出来ない人間ではないのだ、ただ思考がテイカーに支配されすぎていた。

他者へ対しての想像力が著しく欠如したテイカーの主人公が作者本人であるとするならば、恥も外聞もないその人生を、余す所なく執筆し、活字として発表することが、もしかしたら彼がテイカーからギバーとして生まれ変わりこの世界に貢献出来る分野なのかもしれない。

テイカー思考に興味がある人はぜひ読んでみて欲しい。そうやって読むととても面白い。
ボダ子 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ボダ子 (新潮文庫)より
4101035814



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