(短編集)
バナナ剥きには最適の日々
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表題作は,著者の SF 作品にはやや珍しく,既知の科学法則の中で実現可能な話なのが良いです.「主人公」の思索にもほとんど飛躍がありません.その意味で,ある種のリアリズムが作品にはあります.今まさにこの宇宙のどこかでこんな探査球が旅をしている,なんてことが,理論上は完全に可能なので,そんな可能性に思いを馳せてしまいます. やや内輪ネタめいたところもありますが,個人的に偏愛を覚えるのは「捧ぐ緑」です.(ごく狭い)一部界隈の研究者にとっては半ば以上あるあるネタみたいなところがあるので,読みながらにやにやしてしまいました.「ゾウリムシは信仰を持つか」という研究テーマについても,確かに実験に落とそうと思うとそんな感じになるなあと,ふむふむ言いながら読み進めました. ところが解説へ飛ぶと,「独特の『わからなさ』が立ち上がる」と書かれてしまっています.ややひねくれた見方にはなりますが,「研究の話を正確にしたところで専門外のひとには真面目に受け取ってもらえず,茶飲み話のレベルでおもしろがってもらうのがせいぜいだ」という,短編冒頭の愚痴が回収されてしまっているわけです.そんなところも含めてにやにやしました. | ||||
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自分の覚え書きも含めてレビューさせていただきます。 ネタバレは、なしになります。 ※評価は、私個人のものになります。 パラダイス行 ×佳作 バナナ剥き ×佳作 祖母の記憶 ×佳作 AUTOMATICA 〇超短編だが良作 equal △力作だが佳作 捧ぐ緑 〇良作 jail over △佳作(佳作の中では良作に近い) 墓石に ×佳作 エデン逆行 ◎名作寄りの良作 佳作が多いのは、海外のヒューゴー賞とかを獲っているSFの短編作品群と同時期に読んだ影響もあります。 作家業として書いているかガチで力作を書こうとしている時なのかで、意気込みや力の入れようが違うとは思うので仕方ない面もある。 『パラダイス行』『祖母の記憶』に関しては、何故、短編集の序盤にさして面白くない話を持ってきたのかが不明。 『バナナ剥き~~』に関しては、何故表題作なのに佳作なのかが不明です。 佳作群に関しては、読んでるというよりも作者個人の感覚のものを読まされてるというだるさがある。 『AUTOMATICA』超短編ですが、短編集の序章として読むのにも、単発作品として読むのにも良い。 『equal』1ページの作品が18篇あるような作品。その内の3篇~4篇程度は、文学や詩として十分に価値のある作品がある。 まとめて小説とせずに、たとえば優れた数編だけ短編集のインタルードとして現代詩として掲載したら、とても良かったのかもしれない。 まとめる事で、佳作になってしまっている。 『捧ぐ緑』これは良作。このレベルの作品をコンスタントに書ける作家だったら全作品を追いたいと思わされる。 『jail over』佳作だけど趣があります。佳作の特徴も多いけど、良かった趣向も少しあると思います。 『エデン逆行』これは名作。もし1篇だけしか再読できないのなら迷わずこの作品を選ぶ。 最後の辞書の比喩が、本編と論理的にどれほど関係があるのか。雰囲気だけで論理的に関係があるとは言えないのか。 分かるようになってから読むとまた評価も変わるのかもしれない。 | ||||
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わからないのにおもしろい。 なんてものは存在しないと、 ぼくは思います。 わからないのに、 なんとなく絵が想像できる。 わからないのに、 漢字から謎理論の内容はわかる。 わからないけど、 会話の端々から感情は伝わる。 わからないのが続き、 限界の前にわかる部分が現れる。 これが、 わからないのに成立する物語の、 大概の正体だと思います。 まず、必要なのは説得力ですが、 この本を開くと、 著者の学歴が目に飛び込んできます。 その先で急に展開するのは、 無理問答のような言葉遊び。 不意打ちの知らない理論。 (空想理論混入の可能性あり) でも会話は会話で、 互いに伝えようとする部分は、 平易なわけです。 呼吸を止められているかのような、 解らないという苦しさ。 それが不快になる前に、 少しだけ酸素を与える。 開放されると、 快感が脳に喜びを伝える。 わからないけど、 なんか面白いぞと錯覚する。 まるで拷問や、 人質症候群のようですが、 そんなことに文字数を使えば、 そりゃ物語としては、 なにも展開する余地はありません。 ページの半分で済むことを、 十ページも使ってぐるぐると回す。 A地点からB地点に行くだけでも、 記憶の中のC地点と、 空想上のD地点と、 そこから連想するE地点と、 それらを情報として、 実在するかもしれないF地点。 F地点を信じる人の、 その証拠となる可能性を秘めた、 G地点かもしれないH地点。 H地点とA地点は同じで、 それを仮にI地点とする。 Iがゴールだとするならば、 Aはスタート地点ではなく、 ゴールの可能性があり、 地図などの情報を信じないならば、 自分の今いるのは、 もしかしたら未知の、 J地点かもしれない。 B地点に行くことで、 なにかが判明するのだろうか? 今ここは、A地点なのか、 J地点なのか。 それらすべては、 夢なのか。現実なのか。 A地点とは、そもそも、 誰にとってのスタートで、 誰にとってのゴールで、 そう考えてしまうのは未知だからで、 もしかしたらA〜Jは、 ひとつの地点かもしれない。 なんてことを、 バカが言うと「はいはい」と、 流されて終わりですが、 高学歴のかたが言うと、 「なるほど結論は?」と、 ついなにかを期待してしまう。 でも基本的には、 SF的な難解さをのぞき、 言葉遊びとは、 そーゆーくだらない風潮への、 アンチテーゼであると同時に、 そんな風潮があるなら、 利用させてもらおうという、 著者のしたたかさもあるか? という反骨的かつ、 策士的な印象も受けました。 めんどくさいので、 他の著作を買うかは未定です。 数百冊ある読みたい本が、 いつか片付いたら、 もしかしたら考えるかも。 でも十冊読むと三十冊増えるので、 読むほど積み本が増えていき、 片付く気配がありません。 でももしかしたら、 この本の記憶が後々、 すごく心地よい時間として、 脳内によみがえり、 なにか他のも欲しい、 となる可能性は、 0とは言えないのかも、 しれない気がすると思いかけ、 そうしようと決めずに、 決める可能性だけをのこして、 決めきれないことを楽しみ、 決まったと思えそうな時を待ち、 決めきれないうちに、 もしかしたら欲しくなる。 ということもあるかなと、 決めないままの可能性も置いておき、 この本を、 読み終えた本を入れておく用の、 プラケースに収納しようと思います。 ていうか、 小説の新人賞とかって、 日本語なのに異国語のような、 不思議な読書体験を求めます、 みたいな、 本を読み過ぎの人が審査してて、 だから、 こーゆーのが好まれるのかなと、 すこし意地悪な見方も、 してしまいそうになりました。 | ||||
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表紙のデザインが可愛くてジャケ買いしましたが、状態が良くなかったです。上の部分には折り目がついていて、擦れ傷も沢山あります。個人的にかなりショックでした。中身は黒い汚れが少しついていました。 | ||||
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なんとなく理解できるような、 でもなんだか頭がぐるぐるしてくるような、 不思議な感覚になれる本です。 文章の内容に引き込まれるから面白いというのではなくて、今までに感じたことのない頭のぐるぐる感覚を与えてくれた本ということで、面白い本だなと手元に置いています。 こんな本もあるのだな、と感慨深く思います。 | ||||
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