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慟哭
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慟哭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全257件 121~140 7/13ページ
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心が弱った時、己自身の葛藤に負けた時、宗教(でなくても) に縋ってしまいたくなるのが、人の性。 筆者がそういった心の闇を、宗教や社会階級という形で ヒューマニズムを抉り出したのは、さすが。 文章も安定したもので、好感が持てる。 ただもう少し、展開にひねりがほしかったかな…。 | ||||
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アガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」以来、劇中の捜査側・語り手が犯人そのひとだったというオチは、禁じ手ではないかと議論は呼ぶものの、必ずしも全面的に否定されるものではない、というのが一般的な見解だろう。 しかしこの作品では、その禁じ手のほかに、もうひとつ、読者に対して重大な背信行為をしている。 この作品は、二つのストーリーが、並行して交互に語られつつ進行する。この二つのストーリーは、最終的にはひとつに収束していくと予想されるのだが、当然時間的にも並行して起こっていると読者は感じる。ところが、この二つは実はまったく異なる時期の出来事を叙述したものなのだ。 この背信行為を、いっそう許せないものとしているのは、あたかも二つのストーリーを同時に起こっているもの、と読者に思わせる仕掛けを施してあるということ。まるで麻雀の、捨て牌で迷彩だ。 最後に種明かしの場面で、「同時に起こった出来事だなんて、だれも言ってないでしょ」と開き直るがごとし。 この読者へのだましのトリックがなければ、本作品は成立しえないと言ってよいくらいの、核心にかかわるトリックだ。 このトリックに、引っ掛かったことを楽しめる人は面白かったと思うだろうし、一方で引っ掛かって不愉快になる人もいるだろう。 おのおのの読者の、ミステリを読む際の姿勢が試されている。 とは言え、構成、伏線の張り方、心理描写は一級品。一度は読む価値はある。 | ||||
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連続少女誘拐殺人事件と事件を追う捜査一課長を描く本格的なミステリーです。 まったく救いのない結末が評価の分かれるポイントだと思います。 非常に読みやすく、記憶に残るエンディングではありますが、なにも解決がなくすっきりしない ところが個人的には今ひとつというところ。 | ||||
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素材選びは良い、調理する腕も確かだ、が如何せん味付けの概念だけ大きく乖離している。本書に限ったことではなく貫井作品のほとんどに 言えることかもしれないなぁ。体現の仕方が病的、絶望的なまでに主要人物に感情移入できないのさ。色んな意味で味も素っ気もない。 貫井の世界観に触れた後はいつも同じ場所に陥る。...終わり良ければすべて良しって言葉があるが、真実そう思うよ。。 | ||||
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本作は、連続幼女誘拐事件を捜査している警視庁捜査一課長・佐伯を主役とした 偶数章と、己の心に穿たれた“穴”を埋めるべく、新興宗教に入れあげていく「彼」 こと松本を主役とした奇数章によって構成されています。 ある程度ミステリを読み慣れた方なら、本作に施されたトリックの見当をつけることは さほど難しくないと思いますが、そうした仕掛けだけが本作の美点ではありません。 人間はどんなに理性ではおかしいと判っていても、追い詰められれば容易く宗教に嵌り、 犯罪に手を染めてしまう弱い存在だという当たり前のことを、重厚かつ克明に描き切った 点こそ、まず評価されるべきだと思います。 | ||||
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複線が大分回収されていない。主人公を始め様々な人物設定が生かしきれていない気がした。なんだか色々な意味で消化不良でやるせない感情だけが残る本。 | ||||
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本当に衝撃を受けた作品だ。 見事に裏切られた、そして感嘆させられた…悲しい… まさに慟哭。 この本は刑事の視点と犯人の視点、それが交互に進んでいく。 あえて内容は伏せますがミステリーとかじゃなくストーリーを楽しんで読んでもらいたいです。 内容的に楽しむというのは間違った表現かもしれません…はっきり言って内容は暗いです。 僕は序盤からもう読むスピードが加速していき中盤〜最後には止まらなかった。 非常にオススメできる作品。 | ||||
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「愚行録」が面白かったので、続けて読んでみました。 組み立て方は愚行録のインタビューとモノローグのように、異なるエピソードが順番に語られ、 それらが徐々にシンクロするという手法です。 それぞれの大まかな時期は分かるものの、サラっと流すところがポイントですね。 終盤、慌てて読み返してしまいました。 事件が片付いていない、後味が悪い、というレビューがありますが、テーマは人間の「慟哭」なので、 話の閉じ方は重要ではないと思います。 が、やはり愚行録でも気になったように、登場人物の会話表現に違和感があります。 加えて、本書ではト書きの部分の単語の選び方にも違和感を感じてしまいました。 解説等では「硬質な文体」とプラス評価ですが、私には無理して小難しい表現をこねくり回してる ようにしか感じられませんでした。 何というか、著者の自己顕示としか思えず、そこに引っ掛かって世界観に没入しきれない感じで。 以上で★-2としました。 | ||||
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良質の文章で丁寧に書かれたミステリー。 しかし仕掛けの丁寧さに比べ、「あっと驚く結末」に至るプロセスが安直、 そして事件は解決せず、読後のカタルシスもない。 よくできたからくりに心を遊ばせたい方には面白い本だと思う。 私は楽しめませんでした。 | ||||
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最後のどんでん返しは、驚きましたが、はっきり言ってちょっと消化不良です。ストーリーの組み立てが斬新だし本当に驚きの展開には参りましたが、事件が全面解決じゃないのはどうなのかな? 空白の叫び 上 空白の叫び 下 | ||||
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ずいぶんと評判になっているようなので読んでみました。 連続幼女誘拐殺人事件の指揮を執るキャリア組の佐伯捜査一課長と、犯人と思しき人物の一挙一同を交互に織り交ぜながらストーリーが展開していく。怪しい新興宗教の実態、佐伯課長の人物像の妙がストーリーを盛り上げる。 ストーリー後半、犯人像に「もしかしたら…」と気づいたが(当たってました)、本書は犯人探しというよりは、しっかりした文章でストーリーそのものを読ませる硬質な推理小説です。 | ||||
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タイトルとあらすじに惹かれて読みました。文章や雰囲気は嫌いじゃないけど、何かが足りない、その“何か”が分からなくてモヤモヤする。リアリティがあるようで、よくよく考えてみると「いや、やっぱり納得できない」と首をひねるような感じ。重苦しい題材を扱っているわりに、何も心に響いてこない。作者はどうも、この結末を書きたかっただけなのではないかとも思う。つまらなくもないが、同作者の他の作品も読んでみよう、という気にはなれなかった。 | ||||
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登場人物の言動の不自然さが、トリックの基軸になっているとは思いませんでしたね。不勉強な部分まで描こうとするから無理が出てしまうのです。有名作家の激賛など、信用できないと思いつつも、購入しましたが、わたしってバカですね。 | ||||
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小説の世界だから、どんなに非常識で、どんなに理不尽で、どんなに卑劣なことが描かれていても、それは自由だけれども、なにもかもが解決せず、後味が悪すぎて、ぽっかり胸に穴があいてしまいましたとさ。 | ||||
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クライマックスで「あっ」と言わざるを得ない。 衝撃が走る。 完全に作者に踊らされた。 | ||||
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非常に面白かった。子供を殺された人間ならそういったこともありかなと思わせる結末が最後にありなにか考えさせるストーリーだった。この警官自身の話が物語と平行して走り、最初はそのつながりがわからなかったが後で明らかになってくる。実にあざやかな展開。 | ||||
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ラストのどんでん返しは確かに意外性があります。普通に勘ぐらないで読み進めれば、あっと驚かされるでしょう。 ただ、幼児連続殺人という卑劣な犯罪を扱ってるにもかかわらず半分は事件が解決していないのが後味が悪すぎます。 小説だからもちろんフィクションですが、その手の話が苦手な方は読まない方がいいと思います。 また、実は・・・・が犯人だったパターンは僕は好きではないので★2つで。 | ||||
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倒叙物を読みなれた方には、すぐにわかってしまうトリックです。 見破るとか、どんでん返しとかいうレベルではありません。 読みながら、まさか、こんな稚拙なトリックではないやろうと祈っていたのが、そのままでした。 前半の警察の部分は読みづらいにも関わらず頑張って読んで、あのトリックで、慟哭してしまいました。 | ||||
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物語は幼女殺人と新興宗教の二つの物語が交互に登場します。とてもテンポ良く読めるので、止まらずに読み切ってしまいました。 「驚愕のラスト」ではありますが、半分ぐらい読めば大体の方が予想するのでは?それを更に越えるような展開が欲しかったのが正直なところです。 とは言っても構成と、登場人物の心理描写が素晴らしいので、一読をオススメします。 | ||||
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作者は、精緻で冷徹な文章で、男の堕ちていくさまを書いている。作者の主人公に対する観点は、愛情というより徹底的なまでの観察眼だ。だからこそ、心痛む残酷な事件や描写にもめげず、登場人物にそこまで感情移入することなく、成り行きを見守る一歩引いた感覚で事の次第を追っていくことができた。特にカルト的な宗教団体の緻密な描写には目を見張るものがあり、普段目に触れるものではないだけに、想像上の世界だとしてもすごく興味を引かれてページをめくる手が止まらなかった。しかし、最初は一歩引いた感覚で見られていたものが、人物を取り巻く環境が酷くなればなるほど、その感情が激しさを増せば増すほど、だんだんと心に、あくまで客観的に書かれている男の感情が、食い込んできた。感情を前面に出した小説よりも、事実を客観的に述べて、読者にその感情を類推させる類の小説のほうが、実は読者へ与えるショックは大きいのかもしれない。最後、慟哭は、まさにそうとしか言いようのない、強さで、大きさで、私を襲ってきた。 この小説の内容からしてこういう言葉は似つかわしくないのかもしれないけれど、すごく、面白かった。なかなか忘れない作品になると思ったし、しばらくはミステリーといえばこの作品を思い浮かべるだろう。まだ読んだことのない人は、小説の裏表紙に書かれているあらすじさえ読まずに、この作品を読んでほしいと思う。この作品を読む前には、ただ、おもしろいミステリーだという前知識以外は、邪魔になる。 | ||||
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