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終決者たち



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【この小説が収録されている参考書籍】
終決者たち(上) (講談社文庫)
終決者たち(下) (講談社文庫)

終決者たちの評価: 4.37/5点 レビュー 27件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 1~20 1/2ページ
12>>
No.27:
(5pt)

謎に対する答えは、つねに細部の中に見つかる。

ボッシュが帰ってきました。
 しかも長年未解決のまま放置された事件を専属に扱うエリート集団が集まる未解決事件班に。
 ある程度気持ちが通じる上司にも恵まれ、順風満帆なリスタートといえるでしょう。
 ロサンジェルス市警察がかかえる未解決事件は、1960年以降で8千件に達する。
 もちろん事件は数年から何十年もまえに発生したものであり、実質的には事件現場ではなく調書と取り組むことになる。しかも残された記録は不完全で紛失していることすらある。
 それでも当時なかったテクノロジー、たとえばDNA鑑定、条痕比較など進歩した技術を適用することで新たな解決の道筋が見いだせる事件もある。
 今回ボッシュが取り組むことになる事件は1988年の事件。
 当時明らかにならなかった銃の内部に残存した血液のDNA鑑定により、容疑者に繋がる情報が得られたことからスタートする。
 捜査の過程はリアルで説得力があり、それでかつドラマとして非常に惹きつけられる見事な展開で、ボッシュシリーズの中でも、マイクル・コナリーの筆の巧さがひときわ光る作品と言えるかもしれません。
 今でこそ『ヘイトクライム』という言葉も日本語として通じるかと思いますが、本書が翻訳された時期ではそこまででもなかったのか『増悪犯罪』と訳されているのが少し気になりましたが。
 
 自分にはミッション(使命)がある。
 そのために警察に戻ってきたのだ。
 死者の代弁をするという使命を。
 そのために、謎に対する答えは、つねに細部の中に見つかると信じ、殺人調書に取り組む。そして、尻を上げてドアをノックするのだ。
 ボッシュの姿勢にブレはありません。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.26:
(3pt)

重厚な捜査だったのに・・・

最後の決め手が追跡可能な〇〇〇〇というのは、このシリーズとしてはどうなんだろう。もちろん面白くないわけではないし、謎解きだけのボッシュではないんだけど。(ネタバレにて伏字)
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.25:
(5pt)

ラストが特によかった

シリーズ11弾。3年間のブランクを経て刑事に戻ったボッシュ。
作者同様、私もやっぱり彼が最大限に活躍できる場として、ボッシュは刑事であるべきだと思う。
復帰して活躍する内容はもちろん期待を裏切らず読み応えがあったが、本作は終盤の43章以降がとても良かった。前作『天使と罪の街』で度肝を抜かれたので、「コナリーは何でもやってのける作家」とある程度免疫がついたが、それでもちょっと驚いた。ただ、奴は本当にこれで収まるのかなと疑うが。

私は、ボッシュ・シリーズはやはり絶対順番に読むことをお薦めする。前述のエピソードがいい例だ。
ボッシュのみならず、脇役たちのあらましや流れも理解できて、より楽しめると思う。

訳者のあとがきに、霜月氏の言葉も含めて「コナリー作品を最大限に楽しむコツは、何の予備知識もなく読むことだ」として、裏表紙のあらすじ紹介も読まないことを勧めているが、私も同感だ。
裏表紙は特に下巻は絶対読まないことにしている。加えて、このカスタマーレビューでも前置きなしにネタバレが記載されていることがあり幾度も痛い目に遭ったので、未読時には極力目を通さないことに決めている。
楽しみ方は人それぞれだが…。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.24:
(4pt)

終結者たち上

満足でした。
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4062758474
No.23:
(4pt)

終結者たち下

満足でした。
終決者たち(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(下) (講談社文庫)より
4062758547
No.22:
(4pt)

入手までの時間と価格

特にない。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.21:
(5pt)

徹頭徹尾、事実にもとづき、書きあげた傑作。

16歳の女子高校生レベッカ・ヴァローレンが、17年前に自室から裏山に運ばれて自殺に見せかけて殺害された凶器は、マークⅣシリーズ80型の拳銃だった。
 この銃を正しく使っていなかった場合は遊底が自動的に後ろへ下がって薬莢を排出し、スライドが元の位置に戻るとき、打ち手の手の皮を剥ぎ、――たいていは親指と人差し指の水かき部分をはさみ――、皮膚片をちぎり取って銃の内部に引き込むことが往々にしてあった。
 現場に放置してあったこの拳銃も鑑識によって精査され、銃の内部にこ引き込まれたの皮膚片を見つけた。
 が、1988年時点では、DNA鑑定などされることもなかったが、17年過ぎて再捜査の結果DNAリストでヒットした。
 「『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソンを真似て銃を横に倒し、手と手を重ねて両手で握る形を始めたんだ。きっと犯人は『リーサル・ウエポン』のフアンだったのだ。」
 と、ボッシュは相棒のライダーに語る。
 これ以上は、ネタばれになるから詳しく書くことを避けるが、作者コナリーが些細なことにも拘る姿勢を伺うことができる。
 訳者あとがきで古沢嘉通氏も「本書は、おそろしくまっとうな警察小説である。徹頭徹尾、事実にもとづき、地道に段階を追って、事実解明にあたっている。」
 と、述べていたが警察小説の良し悪しは、このあたりにあるのだろう。
 ロス市警の「コールド・ケース班」という未解決事件班は実在し、作者コナリーは、巻末の謝辞のなかでその班に所属する刑事の名も記している。
 もうひとつ「主人公の異性を巡る愛想劇という脇筋がほとんど出てこない分、じつにすっきりしている。」と訳者も述べていたが、まったく評者も同じ気持ちで本書を読み進んだのです。
 評者は、このシリーズ全作を読んではいないが、『暗く聖なる夜』とならぶ傑作だと思いながら『終結者たち』下巻を、一気読みしてしまったのです。
終決者たち(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(下) (講談社文庫)より
4062758547
No.20:
(5pt)

ボッシュとキズの使命感を見事に描いている。

評者は、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズを、作品序列で読んできたわけではない。
 気のむくままランダムで読んできたので既読の作品と未読の作品が定かでなくなってしまった。
 処分した本もあるから確認することもできないが、記憶にあるのは20011年に『暗く聖なる夜』を読み終えたときにレビュー投稿している。
 そのレビューで『夜より暗き闇』(2003年)などを読んで以来マイクル・コナリーの本を読んでいなかったので久しぶりにハリー・ボッシュものを読んでみた。 
 と、書いているからそれまでに何冊かは読んだのだろう。
 本書『終決者たち』(2005年)を読んでいないことは確かなので入手して読むことにした。
 引退してから3年目、もとパートナーのキズミン(キズ)・ライダーの推挙でボッシュが復職するところからこの物語は始まる。
 ハリー・ボッシュは、新任の本部長から2-6コール(即時出頭命令)で復職第一日目を迎えた。
 ロス市警に奉職して25年間、ただの一度も本部長から即時出頭命令を受けたことがなかったボッシュはいささか緊張して本部長の部屋に入る。
 1950年生まれのボッシュは55歳になっているはずである(作品ごとに時系列に刊行するのが作者の意図だから)。
 本部長から命じられたのがエリート部署である未解決事件班であった。
 ボッシュとライダーのコンビにあたえられたのは、17年前に起きた16歳の少女殺人事件の再捜査であった。
 コナリーならではの手際のよいテンポ、そして緻密なプロット構成などにページを繰る手が早くなる。
 上巻も残りページが少なくなってボッシュが復職した一日目を終え、第二章「ハイ・ジンゴ」へ読み進み、楽しみながら上巻を読み終えた。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.19:
(5pt)

無敵のボッシュシリーズ

今回は内容がやや小粒でちょっと中弛みもしますが、ラストまで読めば超納得の面白さ。常に裁判で証拠として採用されるかどうかを念頭に置いて捜査をするのがボッシュの持ち味でありこっちを納得させるキモですね。素晴らしい。天敵アーヴィングの結末に唖然。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.18:
(5pt)

ボッシュシリーズの最高傑作!!

「ナイト・ホークス」からはじまる一連のハリー・ボッシュシリーズの中で最も好きなのが本書『終結者たち(The Closers)』である。
 ロス市警を退職したボッシュは私立探偵を経て再びロス市警に復職し、未解決事件班に配属され、早速少女殺人事件の再調査に挑む。捜査を進める過程で、事件当時、迷宮入りとなっていた事実を掴み、豪腕刑事の手腕を発揮していく....。
 コナリーのプロットが見事という点は無論のこと、ハリー・ボッシュという人物そのものも、シリーズ当初の「孤独で病んでいた姿」から「強く、優しく、時にはユーモアのある姿」に成長させており、益々魅力を増している。本書に限らず、ボッシュシリーズ全編に漂う独特の雰囲気は翻訳者の古沢氏の手腕によるところも大きいと思う。
 ボッシュシリーズをはじめて読むなら、シリーズ一作目「ナイト・ホークス」から読んでいただきたいが、途中から読むなら本書を強くオススメする。私は全てを読みつくしてしまい、ついに未訳のボッシュシリーズ「The Drop」の原書にまで手を出してしまった。コナリーはいつも読者を夢中にさせる。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.17:
(5pt)

一回り成長したボッシュ、余分な枝葉のないシンプルな警察小説

ロス市警に復職したボッシュ。未解決事件捜査班に割り当てられた彼は、17年前に起きた少女殺害事件を洗いなおすことになる。
死者の代弁者であろうとするボッシュの使命感は、警察という組織に属していようといまいと変わることはない。しかし、私立探偵としての経験を経て、使命を果たすためには警察官であることが一番望ましいと自覚したボッシュからは、以前みられたような危なっかしさが薄らいでおり、我々読者を安心させてくれる。特に今回はボッシュのロマンスが出てこないこともあって、お馴染みのキズ・ライダーと安定したコンビを組んで粛々と捜査を進めるボッシュの姿に集中し、いわば王道の警察小説を楽しむことができる。ボッシュの内面をえぐるような重苦しい描写が苦手だった読者にも勧めやすい1冊である。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.16:
(5pt)

組織の一員として動くボッシュ、このシリーズの重苦しさを苦手とする読者にもお勧め

ベテランの殺人課刑事で構成された未解決事件捜査班に所属し、17年前の少女殺害事件を再捜査するボッシュ。当時は行われていなかったDNA鑑定により、あっさり犯人が判明したと思われたが、事はそう単純ではなかった。ボッシュら捜査チームは、マスコミの利用、盗聴、巧みな心理操作による容疑者の引っかけなど、ベテラン刑事ならではの様々な方法を駆使して犯人像に迫っていく。ボッシュの心の闇を追うことから離れ、捜査する側とされる側の駆け引きを丹念に描いた本作。終幕で起こる出来事は痛ましいが、ヴァローレン親子のことを決して忘れず、死者の代弁という使命を果たしつづけようと決意を新たにする、真っ直ぐなボッシュの姿に救いを見出すことができる。本シリーズの固定ファンはもちろん、重苦しさが苦手で読んでこなかった読者層にもお勧めの1冊である。
終決者たち(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(下) (講談社文庫)より
4062758547
No.15:
(4pt)

いつもよりはちょっとスケールが小さいかな

ハリー・ボッシュシリーズ最新作、ボッシュが約2年間の浪人生活から、LAでの刑事に復活する。早速彼が配属されたのは、
いわゆる迷宮入り事件の担当部署。彼は、昔からの信頼できるパートナー、黒人女性刑事であるキズミン・ライダーと組んで
事件に取り組む。17年前におきた、混血の美少女の殺人事件を追うボッシュたちは、この背後にボッシュの宿命の敵とも
言えるアーヴィン・アーヴィング副本部長の過去を握ることになる。訳者は、この作品がボッシュシリーズ最高作品と言う。確かに
面白い作品であることは事実だし、相変わらず、コナリーの作品に駄作はない。だが、ちょっとスケールが小さい。敵となる
犯人もちょっとありきたりとも言える。敢えて、表現すると、今までの映画シリーズから、この作品は、テレビ向け作品と
言うことになるのでは。
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4062758474
No.14:
(4pt)

最後まで

コナリーの作品で、いつも楽しみにしているのですが、最新作が中々出てきません。翻訳に手間取っているのではなく、売れないからでしょうか?出版社に催促したい思いです。
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4062758547
No.13:
(5pt)

面白かったです。

この価格で素敵な本と出会えて満足です。
また、探してる本があれば利用させていただきます。
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4062758474
No.12:
(5pt)

面白かったです・

この価格で素敵な本と出会えて満足です。
また、探してる本があれば利用させていただきます。
終決者たち(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(下) (講談社文庫)より
4062758547
No.11:
(5pt)

マイクル・コナリーにハズレなし、は本当です

私がこの<ハリー・ボッシュシリーズ>を知ったのは、つい最近のことで、第1作「ナイトホークス」(1992年発表)を読んだのが、2010年8月。
以後、ノン・シリーズを含め、発表順に読んできた訳ですが、その質の高さに感動し続けています。
シリーズ第11作の本作品も然り。

【始まりは地味なのに…】
本シリーズ、質は高いのですが、オープニングは地味なことが多いです。
本作品でも、警察を自主退職していたハリー・ボッシュが、3年ぶりに警察官として復活。
テーマは、「コールド・ケース」といういわゆる迷宮入りした事件で、作品の舞台から遡ること17年前、1988年に発生した、女子高生殺害事件の犯人探しの物語です。
事件の内容や設定に、特別新鮮味や奇抜さがあるわけではないのですが、読み進むうちに、「嵌ってしまいます」。
これまでもそうでしたが、今回も下巻に差し掛かったあたりで、上巻でのエピソードが急展開、二転三転するストーリーに「一気読み」になってしまいました。

【手堅く、緻密な構成】
ボッシュ刑事の捜査方法は、最新の科学捜査を取り入れてはいますが、「現代の警察なら、この程度は行っているだろう」というくらいのもの。
「違法な手続き・手段で掴んだ証拠は、裁判で採用されない」という法治国家ならではの制約をきっちり押さえている本シリーズでは、「違法」ではない「ある工夫」をボッシュ刑事が凝らすことにより、見事に事件解決に導いていきます。
綿密な構成のストーリーが待ち受ける「骨太な警察小説」を楽しむことができます。

【発表順に読まないでもいいかも】
これまでは、「第1作から発表順に」とオススメしてきましたが、これだけ作品数が増えてくると、二の足を踏んでしまう方も多いと思います。
そこで、最近では、どの発表年でも構わないので、ノン・シリーズを含め、レビュー等で評価の高いものを選んで、取り敢えず1作読んでみることをオススメしています。
終決者たち(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(上) (講談社文庫)より
4062758474
No.10:
(5pt)

ボッシュ、刑事に戻る

警察を辞め、私立探偵になっていたボッシュがロス市警に刑事として戻るところから物語は始まる。
彼が新たに配属した部署は未解決の殺人事件を捜査するところ。いわゆる「コールド・ケース」を扱うところだ。
たまたま、WOWOWでコールド・ケースをやってるので、似た設定だなぁって思ったら、なんとこの本の中でも番組について言及があった。面白いな。
物語は、いつもの作品同様、スピーディで、あっというまに読み終えてしまった。ただ、前作までに比べると、捜査に重点がおかれて、ボッシュの内面描写は少なめだし、ダークな感じもあまりない。
そこが物足りないけど、やっぱりボッシュは私立探偵よりも刑事の方が似合う。なぜかな?
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4062758474
No.9:
(4pt)

無駄な描写がない洗練された上品な警察小説

“ハリー・ボッシュ”シリーズ11作目。
本書のベストセリフ
「この世は、困難を克服できない人々であふれかえっている。
けじめはつかず、平穏はない。
真実は人を解放しない。
だが、困難をやりすごすことはできる。
光の方角へ向かい、穴をよじのぼり、
土を掘り、脱出することはできるのだ」
ボッシュシリーズで一番さわやかな希望にあふれた傑作。
ついに下品なセクースシーンが消えた!
ボッシュの禁煙も成功し続け、
チンピラを叩きのめす機会があっても暴力は行使せず、
欲望のまま暴れるハードボイルドから上品な警察小説に昇華しますた。
現代科学で捜査する甦ったヒラリー・ウォーみたい。
ウォー全部読んでしまったら、
無駄な描写がない洗練された上品な警察小説は二度と読めないと危惧していたが、
コナリーが見事にウォーを後継しました。
全ての素晴しい小説の後継者はコナリーざんす。
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4062758474
No.8:
(3pt)

復職し仲間を得たボッシュ刑事の新たな味わい

 ハリー・ボッシュ刑事シリーズの最新刊。
 本シリーズをご存知ない方は,ぜひ過去の作品から試してみることをオススメしたい。(大作『暗く聖なる夜』が手堅くてイチオシ。)
 そして、シリーズのファンの方には、本作が今までとはとても違う味わいを持ってることに注意されたし。
 ロス市警を辞職して私立探偵になってたボッシュが、退職者復帰プログラムで再び市警に戻ってくるというオープニングは、作品解説や他のレビューにあるとおり。
 では、単に市警時代に戻っただけかというと、そうではない。ボッシュがいない間に、あの腐りきった市警にも革新の波が起きていた。そして、過去にボッシュがたった独りでガンコにやり抜いてきた「未解決事件の再調査」というやっかいな仕事を、なんと今では1つの部署と10名を越える刑事たちが専門に取り組む体制が整えられていたのだ。
 そう。一匹狼だったボッシュにも、ついに仲間ができるのである。だからタイトルも「終決者”たち”」と複数形になっているワケ。
 この変化で、ボッシュ本人としてはずいぶんと仕事がやりやすくなったようだ。協力者は大勢いるわ、妨害は少ないわ、いいコトずくめ。
 ただ、孤独を愛し、巨悪にもたったひとりで立ち向かう一匹狼だった彼が好きだったファンとしては、これはずいぶんと物足りない。だから、本作は”ハードボイルド小説”とは言えず、ただの”警察小説”だと思う。もちろん、「良質の」という形容詞はつくが。
 個人的には、ボッシュ刑事にはまたひと波乱起こって孤独な立場に戻って欲しい。娘ができようが、歳を取ろうが、落ち着いて欲しくはない。次回作に期待だ。
終決者たち(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:終決者たち(下) (講談社文庫)より
4062758547

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