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ノルウェイの森



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ノルウェイの森の評価: 3.82/5点 レビュー 812件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全812件 501~520 26/41ページ
No.312:
(1pt)

そんなにいいか?

登場人物がみんな気持ち悪い。リアルを描こうとしているが、逆にリアルさに欠けてるんじゃないかな。セックスばっかして・・・なんで緑さんとまでするかねwww
カンガルー日和は最高に面白かったけどね。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.311:
(3pt)

好きな人にはいいのかもしれない

情景的で情緒的な描写の1つ1つで、
物静かで物憂げな世界観が鮮やかに描かれている。
寂しさと温もりがもやもやと混ざり合ったような不思議な感覚を味わえる。
その世界に、ゆるゆると引き込まれるような、
ふわふわと漂うような、そんな独特な感覚。
こういった世界観が好きな人にはハマるだろうし、
好きじゃない人にとっては何がいいのか理解できないといった感じになると思う。
個人的にはそれほど好きではないかなという印象。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
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No.310:
(2pt)

好みが分かれる作品…自分はダメだった

日本を代表する文学者として世界に知られる村上春樹氏の、代表作にしてベストセラー作品。
ここに投稿された様々なレビューを見ても分かる通り、かなり好き嫌いが分かれる小説。自分は…残念ながら否定派である。まず、自殺者が多すぎ。その死も全く重みが感じられず、リアリティーがない。そして、主人公、なんでそんなに簡単に女子とヤレちゃうんだ〜??…ってこれは単に自分のやっかみだけど(笑)
逆に言えば、その「軽薄さ」こそがこの作品の独自性であり、魅力を感じる人にとっては魅力なのだろうと推測する。が、自分はダメだった。もう一回読み返せば何かしら良さが分かるかもしれないが…。
ちなみに、近々映画化されるとのことなので、そちらの方はぜひ観てみたい。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.309:
(2pt)

オシャレ小説?

言葉とか、言い回しはとてもオシャレで素敵。
思わず笑ってしまうような言葉や会話が出てきて、思っていたよりも面白かったけど、自殺とか精神の病を美化してる気がする。物語だからそれでいいのかもしれないですが。
リアリティーがなくて、感情移入しづらい。
読んだ後も「ふ〜ん・・・それで?」という感じ。
でも、つまらなかったか・・・といえば、それも違う気がするし・・・。
文中に出てくる、主人公が読む小説やら、聴いている曲を知っていれば、もう少し理解できるのかな・・・。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.308:
(4pt)

【禁忌】情緒不安定な人は読まないで!

村上春樹の他の著書は読んだことはありませんが、
作品としては優れていると思います。
が、精神的に病んでいる、または不安定な方は
絶対に読まないほうがいいと思います。
そのくらい作品の引力が強いのです。
それゆえに優れていると評価したのですが・・・
「喪失と再生」とありますが、私には「再生」を感じられませんでした。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
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No.307:
(5pt)

魔の山

最近、世界に飛び出す政治的な動きで話題を呼んでいる、村上春樹の超ベストセラーである。
こんなベストセラーはもう二度と出版界に出ないのではと思えるくらいだろう。
いろいろな理解のしかたがこの作品においては可能だろうが、私が強調したいのは、主人公が「魔の山」を読みふけっている背景である。これが不治の病の治療をする病院での直子の生活とだぶっている。「ノルウェーの森」を読んで、この形而上学的入れ子構造が理解できたら、さらに複雑な応用編として、手前味噌だが、この本、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著を読むことをお薦めしたい。フェルメール論についてのもので、村上春樹と一見すると全く無関係に思われるかもしれないが、そうでもない。なぜこの小説の冒頭で飛行機はドイツに降り立つのか。永沢さんはなぜ後年、ドイツに行くのか?その答えがこの本にある。ドイツの騎士道と言えばわかるだろう。永沢さんは悪魔的発想の持ち主なのだ。そういえば「魔の山」もドイツのトーマス・マンの作品である。読むのに多少、努力を必要とするかもしれないが、さらに村上ワールドが進化かつ複雑化した形而上学的思考が楽しめるはずである。その上で村上春樹との共通項が徐々に見えてくる。この感覚は最後まで読まなければわからない。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
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No.306:
(1pt)

商業作家。ノーベル賞なんかやった日には権威が失墜

駄作とか名作とか言う前に、村上の作品には何かメッセージ性があるのだろうか。単なる商業作品ではないか。性交表現など露骨で、下品極まりない。ノルウェイの森に関して、なにも触発されることがなかったが、彼の作品のうすっぺらさの原因について他の彼の作品「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んで氷解した。ここには村上の心を支配している心象風景が描写されている。それは「箱庭」なのだ。外に出ることのない完結したちっぽけなゲシュタルト世界。それが村上だ。これでは到底、社会というものと文学というものの関連について積極的に追求したトルストイなどの大作家と同列に論ずる事はできない。売れる、と踏んだら何でもやる商業主義は、次のノーベル文学賞は村上か、とキャンペーンを張っているようだが、そんな事をしたら同賞の自殺行為である事は火を見るより明らかである。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
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No.305:
(5pt)

忘れていた感性

今まで村上春樹の作品を読んだことがなかったのですが、今回、カナダ人の友人に勧められ読んでみました。ビートルズの曲と物語の回想シーンとが見事に状況をとらえ、何回も読みたくなる本です。ストレートな文章から、忘れていたとてもデリケートな感性が呼び起されるような気がしました。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.304:
(1pt)

駄作

エロいだけ。それでも絶賛されまくりの本なので最後は素晴らしいのかと思い頑張って読みましたが、エロいだけ。
人、死にすぎ。
キャラクタを自殺させることでカッコ良くさせている。
緑、性格悪すぎる、ただのワガママ女。
冷静、沈着、カッコ良く映しているワタナベ、結局誰とでもやる。軽い。
最後、イラつきだけ残りました。
私は好きじゃない。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.303:
(5pt)

恋愛ファンタジー

村上春樹さんの作品で、はじめて読んだのがこのノルウェイの森です。悲しい話なのですが、どこかファンタジーな感じもします。この作品が相当面白かったので、しばらく村上春樹さんの作品を読みあさりました。その結果、ノルウェイの森が、一番面白かったです。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.302:
(5pt)

人生最高の恋愛、青春小説

映画化されるということで20年ぶりに読み返してみた。
20代の頃の私が、この小説を読み、どう感じたかは記憶にないが、面白かったと言う記憶は鮮烈にある。
何事も薄っぺらで、精神性の希薄だったバブルの時代に学生活動の活発だったこの頃を舞台にした青春小説と言うのは、必然だったのかお知れない。
少し理屈っぽい主人公(しかしノンポリで中庸)の彼が、なぜか極端な登場人物と出会い、現実離れした経験を経て、現実世界に根を下ろしてゆく。
若年期特有の恋愛に対する理想と恐れを恋人との擬似恋愛を通して経験し、社会に対する恐怖や、人間関係に対する考慮や、思いやりや人生を年長の登場人物から学んでゆく姿は、哲学書の赴きもある。
性描写もファンタジックで現実味をかけ離れており、少しも不快感を与えるものではない。
最後に、少し風変わりであるが、地面にしっかり足のついた女性と現実世界に根を下ろすことになる主人公は、少年期を過ぎ、社会で生きてゆく決意をしたようにうつる。
登場人物の台詞には、多くの金言が含まれており、絶大な説得力を持っている。
久々に、読み終わることが残念で仕方のない作品であった。
この後の主人公の人生を垣間見て見たい。
万人にお勧めできるとは思わないが、個人的に夢中になった作品である
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.301:
(5pt)

不明確な部分もあるが共感するべきことが多い

精神をわずらった主人公の彼女ともなんとも呼べない女の子。その女の子と少し変わった主人公を取り巻く様々な出来事。
自分では普通の人間であると思っている、実際そうであるが、なにか人を惹きつけるものを持ち、そして彼は数十年まえ今でいう団塊の世代が大学生であった時代の時代背景ではあるが、その時代で大学生特有の葛藤と、そして大学生であるという垣根を越え全くの大人である側面を見せる。
村上春樹特有の世界観はすごいですね、考えさせられる場面も数多くありました。彼の小説はどのものでもそうであるように、読んでいると不思議に景色が頭の中に浮かんでくるような小説。
死に直面し、肉体と精神、そして特有の世界が繰り出す主人公が思考する感覚。どれをとっても素晴らしいという言葉でしか表現ができないと思う。
恋をし、失恋し、セックスをし、孤独を感じる。あなたが昔、僕も今現在そうであるように、主人公の彼もまたそうであったんだなぁと。
僕が村上春樹の本を読んで感じることは、時代背景が結構団塊世代の特に学生運動が盛んであった時代のものが多いですね。
それはある種、連続性というか多くの側面において似ているが独特の個別差があり(あたりまえではあるにせよ)主人公の思考は、連続性を見出すことが出来ます。
あの時代の出来事が随所にちりばめられ、それについて自分は他人との繋がりによって生きているし、考えている。不明確な部分もあるが共感するべきことが多く存在しました。そしてそれが村上春樹の世界であると思う。上巻下巻があります。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.300:
(5pt)

駄作/名作

村上春樹の小説は「駄作」か「名作」かという両極端な評価に分かれることが多いようです。
本作もその例に漏れることなく、やはり評価は賛否両論ですが、事実として「ノルウェイの森」は、ノーベル文学賞候補に毎年選ばれるほどの作家の代表作であり、世界の各国でベストセラーになるほどの小説であるわけですから、本質的に「名作」なのか「駄作」なのかはさておき、それだけの「魅力」が、小説内のどこかにあることだけは誰にも否定できないことでしょう。
「駄作派」の人たちには、夏目漱石や谷崎潤一郎などの、日本文学の名作と呼ばれる小説に数多く触れ、読書経験が豊富で、いわゆる「文学通」といわれる方が多いようです。
否定の方法も、「展開や登場人物の行動に根拠がない」や「過去の名作のような深みがなく薄っぺらい」など、自分の文学観に照らし合わせた意見がほとんどで、平たく言ってしまえば「私にわからないのだから、面白い訳がない」という気持ちが、「駄作派」の大部分を占めている本心のような気がします。
逆に「名作派」の人たちには、あまり文学に詳しくない方が多いようで、「何だか分からないけど、面白い」という無邪気な感想が頻繁に見受けられます。
ここで注目したいのは、文学に詳しい人たちは小説の魅力を理解できず、そうでない人たちには、理解できるという、逆転の現象が起こっていることでしょう。
とにかく「駄作派」の、否定の調子の激しさはすごいもので、留まるところを知りません。
もはやそれは悪意と言ってもよいほどで、その矛先は作品を飛び越えて、著者本人、果てには、小説を肯定する読者にまで及ぶ勢いです。
しかし「名作派」の人たちは、とりたててそれに反論する様子もなく、自分の周りに壁を張り巡らせて、ひそっりと、ひとりで小説を楽しんでいるような、そんな風情です。
そこには、まさに、「根拠のない悪意」と「自閉」という、村上春樹の小説世界そのものの図式が浮かび上がってくるようです。
村上春樹氏は「日本文学には残念ながら僕が求めているものはなかった」というニュアンスのことをどこかに書いていますし、人の情念をどこまでも深く追究して表現しきる、日本文学の伝統ともいえる名作の数々には、確かに惚れ惚れするものがありますが、単に、著者はそこを目指してはいない、ということでしょう。
「駄作派」の方々には、著者が表現しようとしているものは何であるのかを汲み取ろうとするやさしさが、もう少しあってもいいように思いますし、「名作派」の方々には、自分を惹きつけるものは一体何なのか知ろうとする意志を持ち、「駄作派」の人たちの土俵に、多少なりとも歩み寄ろうとする、そんな勇気も必要なのでは、と思います。
そして、ちょうどそのあたりにこそ、村上春樹の表現したいものも、あるのではないでしょうか。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.299:
(4pt)

いまさらだけど・・・初めて読む村上春樹

いまさら私ごときが、レビューを書かせていただくには経緯があります。
読書家、成毛真氏の「本は10冊同時に読め」で、この「ノルウェイの森」
は「言葉の威力に1時間ほど立ち上がれないほどの」強烈なインパクトを
くらった、とありました。なるほど?そんなにいいのか?
(同時に、「海辺のカフカ」も推薦していました)
あまり小説は読まないほうなのですが、「そんなにすごいのか?村上春樹」と
思って手にとりました。赤、緑という文庫本の装丁も、大変心惹かれるものが
あったことも、動機になりました。また、海外、特に欧州では評価が高く、じゃ
ここは読んでおかないといけないな。映画化される?それはますます。
正直、なじみがない分、途中までは、読みながら大変とまどいました。
なにか、大きな物語があるわけではなし。さりとて、言葉の洪水、「僕」の
アタマと心の中の、思念の洪水がどんどん出てくる・・。
そのうち、言葉の力に圧倒されはじめます。
1970年前後の学生の生活を使って、たゆたう青年の心の移りゆくさま、
世界観を、出会っては分かれていく先輩、同僚、彼女、死んでしまった親友、
いなくなってしまった彼女、知り合った女性、などなど、「僕」の前に現れ
去っていった人々。彼ら、彼女らを触媒に、「僕」の、徹底的にやるせない
無常な、しかし、目的のない「生」と「性」を、みごとに描いた、斬新な作品。
上巻は、「魔の山」と重ね合わせながら、療養に入っている直子を
訪れ、あたらな世界を、世界観を感じるところで下巻に続きます。
言葉がとぎれなく、思念がとぐれることなく、思考のストリーミングとしての
「僕」と僕の周りの世界のとめどもない流れを、独特の表現でつづった傑作です。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.298:
(3pt)

んん

村上さんの作品は初めて読みました。というか小説自体をほとんど読んだことがないのですが、小説というものの在り方について考えさせられませた。
小説というものが果たす役割と読者がそれを如何に解釈しているかによって大きく評価が分かれると思います。
私自身が今この小説について簡単に表現しろと言われれば、酒・タバコ・女と男子学生の物語とでも答えますが、性的描写が嫌に頭に残ります。
この物語と同時代を生きた人にとってはこの物語がどう映っているのでしょう。
これが当時のリアルなのかどうか、それが気になってしょうがないです。
ただ、なぜか次が次が気になってどんどん読み進められたので私自身は満足です。単純に非リアルなものに魅かれるのかもしれません。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.297:
(1pt)

どうしろと?

ノルウェイの森が、ずっとミステリーだと思い続け、はや15年あまり。ところがなんでも純文学だって話じゃないですか。びっくりして、読みました。けど、なんか「ん〜」な感じ。読み終えてから、また冒頭の出だしを読みなおしてみたんですが、あれ、必要ですか?冒頭と終盤では主人公やヒロインの性格が変わっちゃってる気がします。個人的には、直子はメーテル(青春の幻影)であると位置づけましたが、メーテルほどの幻影ぶりはあまり見られず。なんにせよ、人間は空想の余地のあるものに勝手に想像をめぐらせ、自分なりに美化するのではないかと思いました。主人公にとって、直子という人物がまさにそれで、本当のことはキミ知らないよね、とか、どこまでかかわりあいたいの?とか、ついつい考えてしまいます。まあ、直子はキズキとワンセットで、たとえば希少な白いカブトムシのつがいみたいなもの。そこに関わりあうためには、もっとキズキへの思いとかが欲しかったかなあ、と。主人公は、考える風にしてるけど、なにも考えてないよねとも思います。とはいえ、緑は大好きなんですけどね。緑は。
やっぱりいっそミステリーだった方が良かったのに・・・と思ってみたり。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.296:
(5pt)

「生」と「死」

何という哀愁溢れる物語でしょう。
そこには、精神の揺らぎ、震えからくる「不完全な人間」たちがいます。
そして、溢れる「死」があります。
そして、その「死」によって、心に風穴を開けられた人たちがいます。
そしてそれは、一人一人の人間の弱さでもあります。
時代は、’70年安保の時代です。
デモやストライキが繰り返され、市民運動が盛り上がった時代です。
そのマスの力の裏には、一人一人の「孤独」があります。
そして、運動の挫折からくる虚脱感があります。
ここに登場するほとんどの人物が、そうした人間の弱さを露呈しています。
典型的には、キズキの「死」に痛手を受けた直子なのでしょうが、そこまでいかないにしてもワタナベも直子の「死」に大きな痛手を受けます。
そこには、「生きる」と言うことの難しさがあります。
「生」の終着点は「死」であり、「死」に向かって生きています。
その厳しさに打ち勝つには、永沢のような強靭さが必要かも知れません。
そうでなくても、どこかで自己と外界の間で妥協点を見つけることが必要なのでしょう。
「生」と「死」の問題は時代を超えたテーマで、この小説もそれ故に時代を超えた説得力があるのでしょう。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.295:
(4pt)

人間の孤独とそれの耐性

人間の強さってなんなのか、幸せってなんなんだろうか。
そして僕たちはどうやってそれらを形成していくのだろうか?
ある人はそんな先の見えない答えを含んだ人生に耐え抜いて、またある人はそのなかで崩れていく。
この本を読んでいるとそんな正常な世界と壊れた世界の狭間に身を置いているのがわかる。
そんな中途半端な場所に村上春樹は僕を残していく。だから僕は安定した足場を求めるために
物語を必死に読み進めていってしまう。 でも、そんな安定している足場でも見方によってこっち側じゃなくあっち側になってしまう。 この小説に登場する人物は性格や個性が違っていても同じ問題から避けていようとしているのだなと思った。そして上にあるように人によってそれに対する対処法が違う。そして僕たちはその結果をまるでケーススタディの様に学んで(読んで)いくことができる。 そして村上春樹は僕たちにまるで問うような終わり方を提供していた。 そぅ、まるで「あなたは大丈夫」みたいに。
この物語の歌い文句は恋愛についてだったはずだか、そこはスルーしたい。なぜならその恋愛より、その恋愛にどう立ち向かい青春の日々を過ごしているのかに焦点はより絞られていると思うからだ。 だから僕は恋愛を前面に押し出した飾り表紙に不快感を覚え、もっと若者の葛藤を前面に持ち出すべきだったろうと思っている。
しかしこれはただ単に私の理解力の欠如によりこう結論付けらたのかも知れない。 だがそれでもピュアな恋愛性の要素はこの作品には足りないと思う。 もしそれを歌うのならもう少し恋愛の悩みではなく、気持ちに焦点を当てればよいのにと思ってしまった。
だがしかし、これほどの小説を書けるのには驚いた。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.294:
(5pt)

仕事に負けない

 太宰がどこかで、自身を客観的に評して、
 彼は、文学が嫌いなあまり、文士になった。
 みたいなことを書いている。そういう感覚が、私にはわからなかった。
 「ノルウェイの森」に登場する緑の言葉を見、太宰の言葉がなんとなく、察することができた。緑は、だいたい、こんなことを言う。
 わたし、学校なんて、大嫌い、大嫌い、だから、絶対、学校休まない。休んだら、負けだもんね。
 社会人になり、早四年目を迎える自分は、仕事が大嫌いである。大嫌いであるから、休んではならぬ、休んだら、負けだ、そう自分に言い聞かせ、今日も、仕事に励むのである。
 まったく、文学のにおいのしない、レヴューになってしまった。まったく、ひどいもんである。
 附記。「ノルウェイの森」を読んだ人に、次の三作品をおすすめしたい。トーマス・マンの「魔の山」、福永武彦の「忘却の河」、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.293:
(4pt)

切ない物語

飛行機の天井のスピーカーからビートルズの『ノルウェイの森』が流れてきたとき、
僕は18年前の二十歳の秋を思い出して激しく動揺した。
高校時代に自殺した親友キズキと、その恋人の直子と、僕、そして同じ大学のミドリ。
キズキの死は直子に深い傷を残していった。
冒頭から「記憶は確実に遠ざかっていく」と直子は過去の人として描かれ、
第一章は「直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。」と結ぶ。
回想という形ではじまるこの物語は、「僕」の二十歳の大学生の若さゆえの葛藤と、心の揺れの生っぽさを追体験していく。
静かともいえる描写の中ここに描かれているのは報われない愛。
第一級の切ないメロディ。
登場人物は、みな刹那的で、受身の生き方をしているように思う。
記憶が薄れていくことが冒頭で提示されているだけに、直子との静かともいえる回想は無常観とともに心にしみる。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681

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