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柔らかな頬



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柔らかな頬の評価: 3.78/5点 レビュー 153件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.78pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全153件 121~140 7/8ページ
No.33:
(3pt)

桃のようなほっぺ

さくさくと読めました。次の展開はどうなるんだろう。と思いながら読み進めるとあっと言う間です。下が楽しみになります。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.32:
(4pt)

作品としては極上

主人公は町工場で夫婦共働きのカスミ。不倫相手の別荘に家族で旅行に行った際に長女が行方不明になってしまう…。この事件をきっかけに、登場人物の人生が一変してしまうのですが、各登場人物の心の変化を、内面までえぐり出すように詳細に描かれています。作者の才能と、この本に対する情熱が感じられました。暗いストーリですが、読んで良かったと思えた作品です。この作品は極上だと思いますが、面白さという観点では、賛否両論があるかも知れません。何故ならラストがすっきりしないから。ただ、個人的には、このラストで良かったです。読者自身でラストを選べるからです。作者自身もそれを望んでたのかな?なんて思ってみました。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.31:
(5pt)

何を得て、何を失ったのか

北海道の故郷をカスミは捨てた。東京に出たきり、親には何一つ連絡していない。「右の頬には真っ暗な海が発する大量の水の気配、左の頬からはこれも暗い原野の大いなる荒涼が感じられた。カスミはその両方から逃げなくてはならない、と必死に走った。」カスミは何から逃げたのだろうか。果たして逃げおおせたのだろうか。カスミのデザイナーになる夢は奇妙に歪められ、版下工場の経営者と結婚し、二児を設け、生活に追われる。やがて愛人の北海道の別荘で娘が行方不明になる。事件は解決しない。娘の捜索がカスミの全てになる。カスミは東京で何を得て、何を失ったのか。愛人との逢瀬で何を得ようとしたのか。娘の捜索の中で何か得るものはあるのだろうか。並行してあと二人の男の人生が描かれる。カスミの愛人だった石川がヒモになっていく人生と、ガンで余命いくばくも無い元刑事の内海の人生である。物語はミステリーというよりか、『人生の意味』というひとつの暗い森の中に分け入って行っているように思える。森の出口は当然示されてはいない。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.30:
(5pt)

凝縮された一級のミステリー

まるで磁石にひきつけられるように没頭してしまいました。わずかの時間でも先を読みたくなり、あっという間に読み終わります。失踪した女の子の結末がそのエネルギーになっているのは確かですが、それ以上に主人公の内面へ向かって深く深くえぐっていくような展開に、実は失踪して探し続けていたのは自分自身だったということに気づきます。前半は石山、後半は内海と”脇役”は変わりますが、一貫してカスミの中へ向かうという軸はぶれません。実に凝縮された一級のミステリーだと思います。ラストは意見が分かれるところではありますが、終章の前でこの物語は終わっています。しかしあえて”付け加えられた”この最後はインパクトが強すぎて、評価が分かれるのでしょう。私は最後の一行がこれ程強烈な小説はそうそうないと思います。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.29:
(4pt)

共感

カスミに大変共感できる内容だった。こんなにも自分と似てる女がいるのかと嬉しく思った。そして、私も「自由」に生きたい・愛したいと感じた。ただ、夢の部分が多くなったところから混乱しラストは結局誰なのか分からない点が、登場人物や物語とは離れて採点すると ★4つ。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.28:
(2pt)

すっきりしないんだよねえ

とてつもなく暗く、救いのない読後感。ラストに賛否両論というのも納得。ただし登場人物はそれぞれ魅力的だった。途中で「容姿」が一転する重要人物、頭の中で石黒賢さんを描いていたもんで変身後の石黒賢を想像して笑った。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.27:
(2pt)

どうかなあ……?

この作者は他作品にも共通しているがエロス描写が下手である。男と女が出てきて関係持つなら、村上春樹や村山由佳のようにエロシーンも描写しないとおもしろくない。純文学ではないのだから役割を考えた方がいいのでは?重苦しい文章です。難しい単語も頻発し辞書なしでは読めません。ただテンポが悪く途中から嫌になってきます。これを代表作にされるのが可哀想な気がします。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.26:
(5pt)

心の漂流

誰しも自分の愛する娘が行方不明になったらどうなるだろう。それも家族の目を盗み愛人と愛し合いながら,一瞬でも子どもを捨ててもいいと思ったその翌朝に。行方不明の娘を捜すためだけの果てしない心の漂流の旅。何処まで行ってもたどり着けない暗く冷たい夜の海を漂う主人公。彼女を取り巻く人たちの,それぞれの心の内側から事件を見つめる構成は意外性があり新鮮だ。元刑事の存在がこの作品のキーポイントだと思う。彼もまた死という場所へ流れていく同じ漂流者だからだ。彼の最後の場面の切なさはこの作品全体の切なさを象徴しているように思える。最後の結末が必要かどうかは疑問だが,こいう終わり方もありかな。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.25:
(5pt)

誰も読書を止められない

この作品は、とにかく構成がうまい。お題を先に出しておいて、そして中盤まで手の内を見せずに引っ張る。その後は、じっくりと事件に関わる人たちの心の内奥を写し取りながら物語を進めていく。事件によって崩れる家庭を描き、その後は個々に焦点を絞って徹底的に描き上げる。まるで、主人公を本流とするとそれに関わる人々は支流のようで、次第に川幅はどんどんと広がりやがて最後は大海原へ出る。偶然かもしれないが、主人公に関わる最初の男の名は「石山」で、最後に関わる男の名は「内海」で、まさに山から海へ流れる川のようだ。上下巻に分かれる長編だが、力作なのでおすすめしたい。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.24:
(2pt)

主人公に共感できなかった

文章力は素晴らしい。が、野性味、ワイルドさと自己中心的、利己的な幼稚さ、勝手さをはき違えた勘違い中年女の物語…という感じがして、最後まで主人公の気持ちに同調することができなかった。自意識過剰なところにも閉口。また、内海の「こんな奴いない」と恥ずかしくなるほどハードボイルドな設定にも退いてしまった。不倫の果てに長女が消えた、という設定は面白いと思うのだが…。OUTのようにラストに向けての失速が激しくなく、総じて面白かったとは思うので、時間の無駄とは思わないが。主人公の性格が、もう少し正常に内省的な部分を持っていればなあ…。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.23:
(5pt)

素晴らしいとしか言いようがない

天下一品の傑作。謎と愛のミステリー。どこでどう人生がひっくり返るか全く分からないことを実感させてくれる小説。子持ちでありながら、他人と愛人関係も継続させている女性が主人公。不倫相手との情事の最中にふと漏らしたある言葉がこの小説の鍵を握ります。その後、主人公の娘が突然失踪。懸命の捜索(刑事が出てきたり、テレビに出演したり)にも関わらず見つけることが出来ず、主人公は追い詰められます。そして結局・・・。私が一番気に入ったのはラストシーンです。どうなるんだどうなるんだと考えを巡らしながら読み進んだので、このラストにはくっ!!と思いましたが、それはそれで実に良い余韻を残してくれました。直木賞受賞作も最近は面白くないものが増え、権威もがた落ちだなあと思ってますが、この作品は正に取るべくして取ったという感じがします。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.22:
(4pt)

しみじみ・・・

謎なまま最後まで行ってしまうのでずっと怖かった。娘は殺されたのか、まだ生きているのか・・・。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.21:
(5pt)

桐野夏生の凄さを受け止める

桐野作品はほとんど読んでいるが『柔らかな頬』はその中でもダントツである。この作品をジャンルで読もうとする読者にとってはミステリーとしての結末がないことが大きな意味を持つだろうが、子どもを失った主人公の孤独感・脆弱さ・荒涼さを桐野はこれでもか、というほど執拗に描きだす。不倫相手との姦通との引き換えとしての子どもの失踪という事件は、この事件に遭遇した主人公も含めた周囲の人間の人生をも奇妙で哀しいものへと変容させる。子どもを失うということは、現実に子どもが目の前からいなくなることを意味するのではない。子どもと過ごした自分自身の過去をも失うこと、全く異なる時間軸の中で新たな希望の道を模索することでもある。本当に愛する人に出会った主人公がその不倫の代償として失ったもの、あまりに残酷な結末に哀しさを覚える。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.20:
(4pt)

救われない。。。

久々に本屋に立ち寄ってパっと目に付いた本でした。表紙なども凝っていていい感じです。子供が行方不明になった母親と末期ガン患者の元刑事の心の深いところにグっとくる作品でした。できれば 最後にスッキリしたかったかなぁー
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.19:
(4pt)

中盤までは秀逸。後半やや失速か。

石山との不倫に夢中になり、子ども達を「捨てても構わない」とまで思ったカスミ。そんな中、石山との逢瀬を作るために企画した北海道への旅行中に、現実に長女が失踪してしまった。本作品で最も優れているのは、この複雑な状況下で、複合的な罪の意識に苛まれるカスミの描写。カスミ自身が二十年前に親を捨てて北海道の実家を家出しており、不倫のために訪れた北海道で長女を失うという設定も、何か因果応報のようで作品に深みを加えている。また、末期癌に犯されて死を目前とした元刑事内海との邂逅も面白い。カスミの女としての強さに、逞しさにグイグイと惹きこまれていく。ただ、終盤の謎解きは本当に必要だっただろうか。中盤までが、単なるミステリーにとどまらない深みがあっただけに、後半がややありきたりに感じた。特に、種明かし的な最終章は不要だったとすら思う。尤も、全体として優れた作品であることには変わりなく、一読の価値はある。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.18:
(2pt)

それはないでしょう・・・

最近の話題ということで読んでみました。読み終えた直後の感想は『はぁ?』という感じで言葉もありません。上下巻を通じて話の流れが遅く、中だるみしている印象。主人公カスミの思いもイマイチ伝わらず、同じ話を何度も繰り返している感じがします。そして終わり方があまりに期待はずれ。個人的には怒りすら覚えました。上下巻でこれだけ引きずってこの結末はないだろう…と。本は趣味嗜好ですので何とも言えませんが、私は「がっかりの1冊」です。
柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)より
4167602075
No.17:
(4pt)

間違いなく代表作

桐野作品はほとんど読んでいたつもりだったが、この作品だけは今回初めて読んだ。言わずと知れた直木賞受賞作だが、幼児失踪事件を単なる謎解きのミステリーという素材で切り取らず、周囲の人間心理を巧みに描いた野心作といえる。女探偵ミロシリーズにおいても、著者の登場人物に対する徹底した覚めたまなざし、これでもかと突き放す潔さにいつも心痺れる。ただ、近著『グロテスク』にもあてはまるが、あまりにも多くの事件関係者の心の内側に分け入った描写が多く、少々散漫で冗長なきらいがある。その点で評価は星一つマイナスとなった。だが、間違いなく著者の代表作であるとともに、私自身がもっとも好きな作品である。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194
No.16:
(4pt)

誰しもひとり。

~文庫版のダイナミックなデザインのカバーに目を惹かれ購入しました。果たしてこの柔らかな桃をこんな無惨な姿にしたのは誰なのか、想像力を駆り立てられます。ゆったりと、じっくりと主人公や周りの人々の内面を綴っていく物語。薄く薄く塗り重ねるかのような情念の表現。ここまでの枚数を割くほどのものなのかと苦痛に感じたりしましたが~~読み終えた今、その緻密さが結末をより印象深くしているのではないかと思えます。~
柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)より
4167602075
No.15:
(3pt)

救いの無さ健在

夫以外の男と大胆に繰り広げた情事の翌朝、忽然と愛娘が消えた。基本的には相関関係の無い「不倫」と「娘の失踪」、しかし当事者は失踪に「意味」を求める。「意味」とは天罰であり、地獄への道標となる。それぞれの大人の事情がいわば自分勝手に反映された「意味」。だから「意味」は何通りにもなってそれぞれの大人を責め苛む。贖罪への旅も、結局は大人のエゴに過ぎないという作者の冷酷な視点が、そこにはある。事件に巻き込まれた者がその後多くを失い人生を狂わせる中、主人公の娘探しは続く。登場人物に全く救いの手を差し伸べない作者の冷徹な筆致は健在。個人的には「OUT」の方がまだカタルシス、というか生きる力みたいなのが得られて後味が良かったが、この話の結末は……議論が分かれるところではないだろうか。
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)より
4167602067
No.14:
(4pt)

おかげで強くなれたよ!

残酷な話だと思います。でも人間の本質を巧く描けてるのでは?実は私も主人公と同じ状況にありました。少し前までですが…子供を捨ててもいいと思った事もあります。結局はできなかったけれど。主人公が抱える閉塞感や孤独感、痛いほどわかりました。読んでいて辛かったけれど、最後は不思議と癒されました。おかげで少しだけ強くなれたような気がします。
柔らかな頬Amazon書評・レビュー:柔らかな頬より
4062079194

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